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双神の輪~紡がれる絆の物語~  作者: Guidepost
3章 騎士編 光の救世主
91/120

90話

 ルーベンはよくやったと言っても過言ではない。いくら婚約者がいるとはいえ、万が一フェザリア王国が黒だった場合、例えレイクオーツ王国の第一王子と言えどもルーベンも安全とは断言できない。口封じのため即殺害されなかっとしても、最終的に戦争に発展する可能性がないと言えないし、そうなった場合ルーベンは格好の人質となる。

 だがレイクオーツ王国にとって、というか主にルーベンにとってだろうか、幸いなことにフェザリア王国は白だとわかった。それが間違いないと判明するとレイクオーツ王国、ニューラウラ王国の代表としてフェザリア王ローワン・エイデンに話を通した際、ルーベンは途中で思わず安堵のため膝が抜けたらしい。

 他国に仕事としてやってきて王子だというのに自ら諜報員のような仕事も立派に行った者とは思えない様子に、ローワン王はむしろ「それほど我が娘を大切に思ってくれているのか」と感激したようだ。フェザリア王国が白だという報告とは別にそういった内輪話を通信機を通してフィンから聞いた時、流輝は感心するとともに苦笑しないよう堪えた勢いだった。

 とりあえずルーベンほどではないにしても、フェザリア王国のことに関してはニューラウラ王国もレイクオーツ王国も安堵した。ローワン王はずっと親交が深かったモールザ王国をむしろ信じたいがため、快く調査などに協力することに同意したようだ。

 光の神殿へ光の救世主が赴く儀式も控えているため、どちらにしてもこの問題は明確にし片づけてしまわないといけない。信頼できるはずの者しか知り得ない、光の魔法石の情報を魔族が得ていることは大問題だ。

 ちょうど四国連合会議が近々ある。今回はニューラウラ王国へ集まることとなっている。秘密裏に話し合いが行われ、信頼できるできないに関わらず今から会議が終了するまで出席者全員にノア王の保証する腕のたつ諜報員をつけることにし、ニューラウラ王国の者に関してはレイクオーツ王国の諜報員をつけることとなった。問題を提起したのはニューラウラ王国でありノア王だ。よってその案に対しレイクオーツ王国もフェザリア王国も反対はなかった。

 要は流輝と琉生以外の会議出席者全員を疑う行為となる。本来ならば無礼極まりない行為だが、この際仕方がなかった。

 会議には選ばれた精鋭メンバーたちも出席する。その者たちにも悟られず監視をつけなければならないため、諜報員は王直属の、暗殺にも長けている影組織を動かすようだ。


「国家機密レベルじゃないですか……。俺ら、そんなことまで聞かされていいんですか」


 影の諜報員組織などという存在に内心テンションを上げつつ流輝が聞けば、ノアは「君たちは話を聞いて当然だ」と迷うことなく頷いてきた。

 しばらくして四国連合会議は行われた。そういった問題を感じさせないほど、ニューラウラ王国は盛大な祭りを同時に行った。ただでさえ水や花に溢れた美しい国である上に季節もちょうど春で、いたるところに様々な花が咲き乱れていてますます祭りを明るく彩ってきた。

 今回の会議では光の神殿についての議題はあるものの、直接流輝、琉生に関わることは特に議題に上がらない。これは元々予定通りだし事前にも各国へ通達も出ている。今のところ光の魔法石以外に二人がしなければならないことはない。そのため二人は少ししか顔を出していなかった。ローザリアも外交的な議題以外では特に出る予定はないようで、三人で結構祭りを楽しんだ。

 様々な出店の食べ物を食べたりイベントに参加したりもした。貴族の間では色々言われることのあるローザリアではあるが、国民の間では人気者のようだ。あちらこちらで声をかけられ、食べ物や花を贈られ、慕われている姿は流輝や琉生にとっても嬉しいものだった。

 ニューラウラ王国の第一王子であるリアムはまだ五歳になる年であり、残念ながら町中の祭りを連れまわすことはできなかった。だが代わりにたくさんの庶民食やおもちゃなどを買って王宮へ持っていった。

 リアムはローザリアが大好きだが、久し振りに会ったというのに流輝や琉生のことも慕ってくれており、それらお土産もとても喜んでくれた。リアムの部屋や庭で一緒になって食べたり遊んだりした。

 ローザリアとリアムは母親が同じということになる。二人とも母親に似ているのもあり、誰が見ても姉弟にしか見えない。そしてお互いとても愛しているのが伝わってきて流輝と琉生はほっこりとした。

 数日後、外見上は何事もなく無事四国連合会議は終了日当日を迎えた。最終日は流輝と琉生も参加することになっていた。何故なら出席者の中に疑わしい動きをする者がいたからだ。

 モールザ王ローガンが連れていた騎士だった。

 その騎士への諜報を強化して続けていると魔族と接触していることがわかっただけでなく、その者自身も魔族であることが判明した。しかもローガン王はその騎士と密談を行っていた。

 密談の内容も判明している。欲深いローガンは、宝石よりも何よりも価値のある光の魔法石に目がくらみ、どうしても手に入れようと目論んでいた。そのため、ベレスフォード邸への侵入者が後を絶たなくなったようだ。

 最終日の会議でその旨を明らかにし、ローガンはモールザ王国の国王と言えども拘束された。さすがに一般的な牢に投獄するわけにもいかずにそれなりの部屋が用意されたが、腕の立つ騎士が何人も見張りに付き、しかも魔術師によって結界もかけられていた。

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