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双神の輪~紡がれる絆の物語~  作者: Guidepost
2章 学生編  生きる覚悟
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44話

「どうやらリキ様は露出狂らしいですね」

「違うから……! 誰から聞いたのソリア」


 とてつもなく微妙な顔をしながら流輝はニコニコ楽しそうなソリアを見る。


「キャスですね」

「キャスの野郎……! つか、あの時聞こえてたんか……」


 確かに心配そうなローザリアが琉生に「露出狂ではないのか」と聞いて琉生が大笑いしていた時にキャスとフランは遠くないところにいた。護衛騎士のため、日常からある意味風景の一部かのように二人はいるし、ローザリアがやって来る時は今や護衛騎士となっているエリスが必ず付き添っている。

 とはいえ少し離れたところにいたし、聞こえているとは思わなかった。特にローザリアの害になりそうなことは片っ端から排除しそうなエリスなら聞こえていれば絶対露出狂をローザリアのそばに置いておかないだろうとしか思えない。


「エリス、別に俺を変質者を見るような目で見てはいなかったんだけどな」

「ふふ。エリスはしっかりしてるわりに妙に疎いところもありますので、ピンと来ていなかったんじゃないですか? リキ様があられもない恰好をなさっておられた時もローザリア様だけでエリスは見ていないでしょうし」

「あられもない恰好とか言わないでよ……」

「キャスから聞いたので」

「ほんとキャスの野郎……」


 ソリアとの魔術訓練の時間のためここにはいないキャスを呪っていると、ソリアが楽しそうに流輝を見てくる。


「怒ってやらないでやってくださいね。キャスからすれば大事な主が素晴らしい魔法を使いつつも突然扇情的な恰好をしたかと思うと」

「いやしてねえよ……!」

「下着姿でうろうろするようなことをおっしゃられてびっくりしたんだと思いますので」

「そうじゃねえ……! つかキャス、何でわざわざソリアにそんな話してんの」

「私とキャスって幼なじみなんですよ。それもあってか、俺の主が俺の主がってやたら煩さ……いえ、嬉しそうにそして悲しそうに騒いでいましたよ。もう泣く勢いでね」


 笑顔のまま「煩い」と多分絶対言いかけたよな、と流輝は真顔でソリアを見た後でため息をついた。


「元の世界では泳ぐ用の衣装ってのがあったんだよ。それが下着に似てるんだ」

「へえ。ですがいくら水に入るためとはいえここでは少し考えられません。けっこう皆露出の激しい人たちだったんですね、リキ様の元の世界は」


 ここにきてカルチャーギャップが半端ねえ……。


 ただ確かに庶民はさておき、今までしっかりした衣装以外で人前に出ている者をこの世界では見たことがないかもしれない。


「じゃあ風呂も誰かと一緒に入るとか、しないの?」

「家族以外で、ですか? 庶民の方たちの文化はわかりませんが、我々は特にそういったことはしませんねえ」

「ふーん。だからか。この世界に来てもう六年くらい経つけど夏に泳ぐ機会が全然ないなって思ってたんだよなあ。じゃあ今後も夏は湖や海で泳ぐこと、できねーのか」

「別にしていただいて構いませんよ、私は」

「……ソリアがよくても他のやつに俺は露出狂の変態って思われるってことだろ……嫌だよ……」

「ふふ。楽しいですねえ」

「楽しくねえよ……。じゃあやっぱオリジナルミストシャワーで涼むしかねえな」

「オリジナルみすとしゃわーというのが私にはどんなものかわかりませんが、なかなか上手く応用されたんでしょうね。さすがリキ様です」


 褒められると調子に乗りたくなる。流輝は少し照れながらも「こういうのだよ」と今度は容器なしでミストを作り出してソリアに見せた。


「なるほど。これは涼しいですね」

「つか、ソリアも暑いって感覚あるの」

「私を何だと思ってるんです?」


 別の次元の人だと……。


「だって夏でもかっちりした制服を着て汗一つかかないだろ」

「私も魔法を使ってますしね」

「えっ、ソリアの涼み方知りたい。教えて」

「いいですけど、その前に少し魔法石のお勉強をいたしましょうか」

「了解!」


 魔法石については学園でも習った。魔鉱石と言われる原石からできたもので、石に魔力がある。発掘される時点ではただの石の塊にしか見えないらしいが、加工し磨けば透明感のある七種類の光る宝石となる。魔力がかなり弱い者でもこの魔法石を使うことで魔法を使うことは可能だし、自分の属性以外の属性も使える。ただし力はやはり使う者の魔力に左右されるらしい。

 質のいい魔法石なら魔力を一旦使い切ってもまた自然と溜まっていき、何度も再利用できる。ただし質によっては溜まる時間はまちまちだと習った。


「そういや習った時は特に何とも思わなかったけどさ、同じ原石なのに何でそんなに品質変わってくんだろ」

「そういうものですよ。リキ様の世界では宝石、ありませんでした?」

「あったけど……俺らこっち来たの九歳の時だし宝石とかわかんねえよ」

「確かに。多分リキ様の世界でも、宝石は同じ種類の石だとしても価値は様々だったのではないかと思いますよ。純度はそこで取れた魔鉱石によって変わるんです。質の悪い魔鉱石から作られた魔法石なら庶民でも買えたりしますけどね、大抵数回魔法を使えば石は砕けてしまうか、砕けなくとも力の全くないただの石になるでしょうね」

「へえ。そういうもんなんだな。でもいいやつはマジで高いもんなあ。お父さんとかお母さんは気にせず使っていいって言うけど、気にしないでいられるような値段じゃねえし……」


 以前モリスに値段を何気に聞いて開いた口が塞がらなかった流輝は微妙な顔をした。

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