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双神の輪~紡がれる絆の物語~  作者: Guidepost
2章 学生編  生きる覚悟
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36話

「何やってんの兄さんは……」


 次の授業が終わった後に、流輝は改めて琉生に心底呆れたように言われた。


「別に何もやってないし」

「やってなくて何でディルアンの次男と決闘なんてことになってたんだよ」


 ますます呆れられ、流輝としては納得がいかない。実際本当にこちらとしては何か仕掛けたわけでもない。


「ほんとに俺からはなんもやってねーって。いつもと同じ流れっつーか。それにお前だって生徒会役員のくせに手を出すことあるだろが」

「兄さんがほとんど出してるんだけどね」

「……そ、そんなことない、ぞ多分。えーっと、あれだ」

「どれ」


 説明がとてつもなく面倒くさい。だが琉生は流してはくれなさそうだ。



「あー、ええと、また言いがかりをつけてきたやつに言い返しつつ、あれだぞ? 殴ったりせず鼻つまんでやったんだよ。じゃあそいつ勝手に転んでた。怪我したんか知らねーけど、わざわざ言いに行ったのか怪我をとがめられたのかルバスにさあ、俺に理不尽な暴力振るわれたっつったらしいんだ。で、何でか知らないけどルバスがさ、お前が理不尽な暴力振るったのかとか言いながらやってきたってわけ。ああでもあいつやべぇほど話わからないやつでもないっぽい。一応な。俺の話聞いたら一旦は謝ってきたんだ」

「じゃあ何で決闘なんてことに」

「知らねーよ。あいつが勝手に闘争心だか何だか燃やして負けねーだのなんだの言ってきただけ」

「それだけで決闘になる?」

「…………あいつもどうやら血筋主義っぽくて、うぜぇってなったからつまんねーやつって言ったら怒った」

「……はぁ」

「いや、何でよ。そりゃお前はそういう反応するだろうなって予想はしたけどでもほんと何でよ。だいたい俺悪くないし」

「子どもみたいなこと言わないでよ」

「十四歳はまだ子どもでいいだろ。ルイ、生徒会に入ってからますます堅苦しくなったんじゃないのか?」


 結局、琉生はフィンに誘われた後何度か生徒会を見学しており、最近入ったようだ。

 ついでに今までずっと一緒に夜寝ていたのに最近急に「お互い一人で寝ることにしよう」と言われて寝室も別々になったしで、堅苦しくなったというか琉生の独り立ちが半端ない。さすがに昔のように姿が見えないと不安に駆られるほどではないが、正直ほんのり寂しい。


「気のせいだよ。それを言うなら真面目なくせに兄さんは最近ますますこうしてちょいちょいやらかすようになったんじゃないの?」

「それこそ気のせいだからな! 言いがかりだ」

「まあそれは冗談にしても」

「全然笑えないけど」

「ルバスはなんでそんなに闘争心燃やしてるんだろう」

「知らね。負けず嫌いなんじゃないか? 俺らがさ、遅れて入学してきたくせに成績トップってのが気に食わないんだと。あと……あれだ、前に俺がミューダ当てで優勝したことあるだろ」

「え? ミューダ当て? ミュ……ああ、あー、ああ」


 その反応はとてつもなくわかる、と流輝は思いながら続けた。


「あの時途中まで俺と張り合ってたやつがルバスだったみたい。根に持たれてた」

「ええ? あーそういえばいたね、そういう人確かに。ふーん。何だろ、ライバル心?」

「何であんなやつがライバルなんだよ。つか何のライバルだよ。あとライバルって競い合っても決闘はしねーだろ」


 血筋云々の話をルバスの口から聞いたのもあり、流輝としてはすでにルバスは気に食わないやつリストの殿堂入りを果たしている。そんなやつとライバルとか冗談じゃないとそして思う。

 とてもどうでもよさげな様子になった琉生の反応もわからなくはない。流輝も最初はルバスに当惑する程度で流していた。だが血筋の話で一気に嫌いになっている。キャスにディルアン兄弟は血筋重視タイプだと聞いてはいても、琉生はそれを直接ルバスから聞いていないからだろう。


「つか、そういえば合同授業って何?」


 ルバスが立ち去る際に言っていた言葉を今ふと思い出し、流輝は首を傾げた。


「え? 兄さん、ルバスに言われて中指でも立てそうな勢いで受けて立ってやるって言ってなかった?」

「中指なんか立てるかよ。だいたいこの世界でそれやっても通じないだろ……。あと売り言葉に買い言葉という言葉があってだな……」

「……言い返したものの知らないってことだね……」

「いやだって俺らが入学してからそんな授業なかっただろ」

「新学期早々は確かにないみたいだよ。新しく入った生徒が慣れてきてからってことだろうね。平民階級ではまた違うかもしれないけど、王族・貴族階級のクラス三クラス合同で実践授業をしたりするらしいよ」

「何の実践?」

「剣や魔法でしょ、多分」

「なるほど……って魔法の授業や実践もあるのか?」

「むしろ何でないって思えるの……。ああ、えっと、そうだね、その、兄さんは使わないようにしてるみたいだけど、せっかく魔力高いんだし、それにむしろちゃんと知ってたほうが安全だと思うし、避けないほうがいいと思うよ、俺」


 呆れた顔をした後に琉生は少し言いにくそうにしながらも流輝をじっと見てきた。


「……うん。わかった」


 確かに琉生の言うことは正しいと思う。琉生を危険な目に遭わせたのも無知が原因ではあるが、いろいろ知ろうと思っても、使わなければいいとばかりに魔法関連は避けてきた。だがそれもちゃんと知っているべきだったなと今さらながらに流輝も思える。


「俺、魔法、ちゃんと勉強するわ」

「うん」


 琉生が嬉しそうに微笑んだ。流輝も微笑んだ後「にしても何で俺は知らないのにルイは知ってんの? 合同授業のこと」と聞く。


「何でだろうね。生徒会だからかな」

「何でだよ。生徒会そんな何でも知ってるのかよ。適当なこと言うな……」

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