21世紀のプロメテウス
神話です。
少年は神話になりました。
人間を愛するゆえに、そこへ火をもたらしたプロメテウスはゼウスの怒りに触れた。実際のところ、ゼウスの方が人間を愛していたのではないか。火は人間には早すぎた。
いま、ふたたび天界からは火の進化形態である科学魔術を制御する術であるところの水をもたらさんとする。それが形而上学魔法である。
今回は人間からの切実な要望に基づく。以前、天上から降りた神がその魂を魅了した。その魂は、天上の神への愛ゆえに、不在の神を切実に感じる受難に惑い、その苦しみの中で、消せない火を消す方法を求めることで、神と再び邂逅するための必然の口実としたのである。
神話が展開する。
外惑星火星より飛来した火を司る魂を、内惑星である金星がその愛で救済する。金はその虚構性を火に利用された経緯から、さらにその内側の優れた魂に支援を求めた。水星の知性。太陽系外の知識の判別を行い、太陽へ取り込むかを最終判断する関門。
ゆえに人類にまもなくもたらされる知恵は、太陽の眼鏡にかなっている。金星の愛と水星の交流の知性を得て、正しくそれを使うべし。いや、愛と知性なくしてはまったく魔法は制御出来たりはしない。その点は誰でも使用可能な火とは違う。
そして、文明を文化へと昇華する。新たな文明の在り方を設計し直す段階を迎えているのである。
愛の豊かさを虚構にしてしまい、単なる通貨としたのも、火である。火は自分のための戦い、そのためにだけ結集する。(即物的な)実際性に特化したキャラクター。水星がコミュニケーションなら、さらに外の木星は精神の豊かさ、土星が外宇宙からの防御壁として節制を司る。火の傲慢で金が堕落したために、土星の司法が真実の在処を見失い制御不能となった。
ここで天王星(永遠)はともかく、海王星(狂気)や冥王星(死)の発見があった。それらには善も悪もないとはいえ、太陽系には異物を消化できる余力はなく、際限なく安易さと便利さの進撃を受けてしまった。
科学-わかってもいないのに使えることに、水星や土星は必ず異を唱えたはずだが、木星のおおらかさがむしろ歓迎した向きもあった。火星は勢いづいた。しかし、その業火が己自身も滅ぼしかけていることに、気がついていないのだろう。
系がそろって初めて火も成立するのすら忘却しているらしい。世界には即物性だけでできていると考えてしまう単純さが、あるいは火星の魅力でもあるが…。しかし、笑ってもいられない。いや、いられなかったのである。
太陽に知恵を求められなければ、異界との接点は海王星の狂気と冥王星の死以外には天王星の永遠である。永遠が中心なった魔法がやがて世界を救済するのである。(もちろん、狂気と死も魔法の成立には欠かせない。)
時間を逆に辿る術。宇宙の法則の対称性を活用し、必然の未来から逆算して、現在を設計する術こそが形而上学魔法である。もはや、種はまかれた。その芽に気が付いた愛と知性の複雑反射体が、利己性を克服する過程で、その息吹を育てるだろう…。
このモチーフ以外でも記述できますが、わりとわかりやすいかなと思います。
魔法は私は実際に使用する人ですし、もうこの神話は現実になりつつあるのです。
ファンタジーは実践してこそ、意味も意義もあります。
今後は感覚の人ではなく、意味の人が、世界の仕事をせねばなりません。
ビジネス(仕事遊び)ではダメです。
無能呼ばわりされて落ち込んでいる余裕なんかないのです。
でくの坊と呼ばれることを誇りするべきです。
(宮沢賢治が望んで得られなかった境地)