六億円持っていると負け、三〇〇〇万なら勝ち 真相
「あそこの地面の下には大型の爆弾が埋めてあったんじゃよ。堀川君が今咥えている物とは比べ物にならんほど大型の奴がの。そんで、一番たくさん金を持ってる奴がそこに来ると爆発する仕組みになってるんじゃよ」
なんだって、じゃぁあのクレーターのような窪みは爆弾が原因だったのか。
「何でそんなことをするんだ!」
俺は聞き返した。
「そんなの、当たり前じゃろ。おぬしらは確かに、命がけで戦った。じゃが、おぬしらのような者がいくら命を賭けて勝ったからと言って、六億はちょっと払いすぎじゃと思わんか?そんな金額を渡したら五十嵐ファイナンスに利益どころか赤字が出てしまうっちゅうことじゃ。昔から決まってるんじゃよ。一位の奴は爆死、そんで二位の奴が優勝じゃ」
・・・なんだと!六億は最初から渡す気が無かったってわけか!
「五十嵐!!!ってめえって奴は!!!」
直貴は五十嵐に向かって叫んだ。
「別に、爆弾が無いなどとは一言も言っておりませんし、油断さえしなければ回避できたトラップです。我々は最初にわざわざ現金を手渡した。それなのにあなたたちは持ち運びにくいという理由でわざわざ金券に変換した。もし現金を持って逃げていれば我々は爆弾を使えないというのに。これはあなたたちの油断に他ならない。せっかく手にした金を簡単に手放すからあなたたちはいつまでも勝てないのです」
ルール無用にも程がある!確かにトラップを仕掛けていないとは言っていない。しかしもうこれは反則だ!
・・・そうだ!綾はどうなったのだろう?怒りのせいで忘れるところだった。まさか、及川の近くにいたせいで爆破に巻き込まれて・・・。
「なぁ、綾って女はどうなったんだ?まさか、及川と一緒に・・・」
爆死したのか?と聞けなかった。いや綾が爆死したなどと口に出したくなかったのだろう。
「女?あぁそんなんもおったなぁ。爆弾の近くにいたなら巻き込まれて死んじまったんじゃないかのぅ」
「見たのか?彼女の死体を?巻き込まれるところを?」
直貴は大声で聞いた。
「いや見たわけじゃないが、爆発の後どこにもいなかったっちゅうことはそういうことなんじゃろ。さぁ、わしはしゃべったぞ、それじゃそろそろ投げてもらおうかのぅ」
見てないんだな・・・。ってことはもしかしたら生きているかもしれない。綾は俺を裏切ってないかもしれない。待てよ、堀川なら何かもっと知っているかもしれない。
直貴は堀川の方を見た。爆弾をつめられて口をガムテープで塞がれている。
堀川の口を再び開かせて、綾の情報を得るためには・・・。
直貴は一〇〇円玉を強く握った。




