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ー綾ー  作者: 城塚崇はだいぶいい
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「こいつで勝負だ!」

 直貴がポケットから取り出したのは一〇〇円玉一枚。

「はて、そんなものでいったい何をするつもりですか?」

 五十嵐は余裕の表情を崩さない。どんなギャンブルでも負ける気がしないとでも言いたげに。

「こいつでやることといったら一つしかない。コイントスだ」

「フッ・・・ 何を言い出すかと思ったら、コイントスなんぞに一〇〇〇万賭けるというんですか?馬鹿馬鹿しい」

「お前が勝ったら俺の勝ち分から一〇〇〇万持っていっていい。俺が勝った場合も俺の勝ち分で堀川を買う。半死半生の人間一人失ったってお前は何も損害はないだろ?どちらにしてもお前には金が入る。悪い話じゃないだろ?」

 直貴の話を聞いて、ほんの少し考えたあと、五十嵐は言った。

「ククク・・・コイントスなら私に勝てる とでも思っているのですか?」

 五十嵐の態度には依然余裕が伴っている。

「コインは俺が用意した正真正銘の一〇〇円玉だ!お前らにも確認させる。そして、その後俺が投げる。お前の部下達も見ている前で公正にだ。これならお互いイカサマはできないはずだ!絶対に!」

 直貴には自信があった。これなら絶対にイカサマはできない。さらに、五十嵐から見たら勝っても負けても得をするギャンブルだ。つまり、五十嵐は無理して勝ちに来なくて良い。この心理的な状況を相手に与えることが重要、無理して勝たなくてもいいギャンブルにわざわざイカサマを仕込むことはない。

 物理的にも、心理的にもこのコイントスにイカサマは不可能、そしてその状況でなら俺が勝つ確率は五〇パーセント、さらに一度負けてももう一〇〇〇万あるから再戦が見込める。

 俺は二連続で負ける前に一度だけプラスになればよいのだ。

「よろしいでしょう。では、コインに仕掛けがないか確認させていただきましょう」

 五十嵐が簡単にコインの確認を行うと、勝負は始まった。

 コインを投げない五十嵐が表裏どちらに賭けるかの選択権を持ち、五十嵐は表を選択した。

 ここまで、一切の不正は行われていない。直貴自信が注意深く確認している。大丈夫コインを擦りかえられたりはしていない。

「じゃ、投げるぞ」

「えぇ、いつでもどうぞ」

 真剣な直貴に対し、五十嵐は余裕な表情。

 一〇〇円玉に賭けられた一〇〇〇万円の行方・・・

 直貴はゆっくりとコインを放り投げた

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