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ー綾ー  作者: 城塚崇はだいぶいい
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一方、火災の後姿をくらましていた松下・・・奴もまた動いていた。

 火災を発生させゲームの参加者の大多数を殺害し、姿をくらましていた男、松下満。彼もまた動き出していた。

 見つけましたよ。馬鹿な獲物をもう一人・・・フフフフ。

 火災現場から逃走中の松下は少し離れたところにあった高いビルの最上階の一室に電気がついていることを発見した。こんな夜に電気をつけているなんて馬鹿のやることとしか思えない。自分の居場所を大声で叫んでいるようなもの。大方、怖くて電気が消せないとかいう腰抜けがあそこに立て篭もっているのだろう。落ちている金は回収しなくては。

 夜がうっすらと明けた頃、松下はそのビルの目の前までやってきた。静かに、辺りを警戒しながら近づいて来ていたのだ。

 入り口の前まで来たところだった。ビル内の何処からか銃声が響き渡った。ちょうどその頃、ビル内の一室では遠藤と直貴が対峙していたのだ。

 銃声か・・・。どうやら先客がいるようですね。私には現在六億近い金がある。ここで無茶をする必要は無いでしょう。

 松下はさっと振り返ると近くにあった小さな建物の中へ身を隠した。いいでしょう。待ちますよ。このビルから出てきた者を倒せばよいのでしょう。フフフフ・・・。

 松下はビルの入り口が良く見えるその建物の中で静かに息を潜めることにした。


 ・・・まぁ、十分だ。人間、勝ちが積もるとどうしても保身にまわってしまうもの。もともとここまで登ってきてくれるとは思っていなかったよ。最上階、及川は見ていた。全てを見ていた。

 電気を付けておけばそっちからきてくれると思っていた。しかし、下の階に鼠が何匹かいるのは知っていたが・・・、全く、絶妙なタイミングで邪魔してくれたものだ。まぁしょうがない。大事なのは次の作戦を確実に成功させることだ。

 及川は下の階で行われている小競り合いが終わるのをゆっくりと待つことにした。


 数時間後・・・綾が佐藤を殺すことで及川の言う「小競り合い」は幕を閉じる。そして、綾は直貴に最後の作戦を打ち明ける。ゲーム開始からおよそ一日と一〇時間が過ぎていた。


 制限時間:残り十四時間

 生存者:一位 松下満       五億七〇〇〇万

     二位 及川潤       六〇〇〇万

     三位 綾(本名不明)    三〇〇〇万

     同  堀川大輔(行方不明) 三〇〇〇万

     五位 川畑直貴      〇

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