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ー綾ー  作者: 城塚崇はだいぶいい
32/60

銃VS情報 どちらが強い? 銃も情報も使い様、そこに優劣など最初から無い。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

 足音一つ聞こえない。この角の向こうに本当に佐藤とかいう男はいるのか?

 モップを右手に構えて息を殺す。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 静まり返った廊下、しかし、心臓の音がうるさくてたまらない。いや、全身の血管が脈打つ音だ。俺の全身から爆音が発せられている。静まり返っているはずのこの空間で俺一人だけ爆音に飲み込まれている。いや、一人じゃ無い。佐藤とかいう男もきっと自らの発する爆音の中で必死にもがいているはず。大丈夫・・・銃より強い武器、情報が俺にはある。勝てる。勝てるさ。必死に全身から発せられる音を静めようとした。来るなら・・・早く来い。

 最初の一撃が肝心。それで銃を叩き落とせなかったら負けだ。しかし、逆にいえば叩き落とせれば勝ち、ほぼ勝ち。それ故最初の一撃だけは絶対に外せない。

 そんなことを考えている時、直貴の視野の中にそれは自然に入ってきた。銃を持った腕がゆっくりと。

 今だ!!!

 直貴は構えていたモップを目の前に現れた腕に叩き込んだ!

「ぎゃ※※っ!!!」

っという悲鳴と共に銃が廊下へ落ちる音が響いた。

 俺の右手にはモップを伝わってみしみしっという嫌な感触が伝わってきた。おそらく佐藤の指の一本二本は折れたんじゃないだろうか?

 よし、銃を払った!

 迅速に次の攻撃へうつる。次は足だ!

 佐藤はまだうろたえたまま、右手の痛みをこらえている。

 いけるぞ!このままいける!!!

 直貴は続けざまに佐藤の足へモップを振り下ろす!!!

 めきめきメキッッッッッッ!!!!

 モップを通じて再び俺の右手に嫌な感触が伝わってくる。骨の音と一緒にモップの折れる音。

「ぐぅうぁぁぁぁぁぁっっ!!!」

 佐藤は転げるように床に倒れた。

 モップが折れるほどに強く振り下ろしたんだ。佐藤の足もただで済むはずが無い。

 折れたモップの先端は鋭く尖っていた。

 よし、これで終わりだ!

 先の尖ったモップを振りかぶる。

 倒した!銃無しで佐藤を倒した!情報戦略、やはり最強!!!

 直貴はもはや自分の勝利を確信していた。

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