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ー綾ー  作者: 城塚崇はだいぶいい
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必要な物は何? 銃?金?仲間?

 冷静になれ、冷静になるんだ俺!

 現在の状況を冷静に考えてみろ?

 こうは考えられないだろうか?

 俺が眠ってしまった後、隣の部屋にいた遠藤は何らかの理由で敵に見つかってしまった。しかし遠藤には銃が無い。それで、俺の銃を取りに来て戦っている。このフロアのどこかで。もし俺の銃を持っていったのが遠藤なら俺が殺されなかった訳がわかる。しかし何故起こさなかったのだろう?

 そして、ここから俺はどうするかだ。遠藤を助けに行く?馬鹿な、あいつと俺はもう仲間じゃない。それに銃も何も無い俺が行っても足手まといになるだけだ。それに、もしかしたら、今打ち合ってるのは遠藤でも誰でもない他人かもしれないのだ。他人同士の銃撃戦にわざわざ巻き込まれに行くのも馬鹿な話だ。

 隠しておいた金を取りに行ってこのビルから逃げ出す?よく考えれば俺はもう一〇〇〇万持っている。隠れていれば銃などいらないのかもしれない。遠藤、その銃はくれてやる。だから自力で逃げ出してくれ。俺は急いで金を隠しておいた部屋へ向った。

 こんなこともあろうかと金を隠しておいてよかった。もし、金もポケットに入れていたら銃と一緒に持っていかれたかもしれない。そんなことを考えながらこのビルの一階の奥の部屋へ来た。そして、金を隠しておいたオフィスデスクに触ろうとした時だった。


ぱ※※※※※※※※※※※※※※※※ん!!!!!!!


 再び銃声が・・・爆音は俺の全身を駆け巡った。それと同時に俺の左腕から激痛が迸った。

 うぐぐっぐぐ・・・。

 痛みをこらえ振り向くと、そこには

「え、遠藤!!」

「なかなか、やるじゃないか!あの状況で金を隠してるとはねぇ」

 今までには聞いたことも無いほどくぐもった遠藤の声を聞いた。

「お前が油断するのずっと待ってたぜ!くさい芝居や、友情ごっこももう終わりだ。銃が手にはいりゃ、お前はもう用済みだ。やっと眠ってくれたと思ったら、ちゃんと金隠してるんだから、抜け目無い。あの金はもともと俺のだ。返してもらわなきゃ。そこで俺は考えた。銃だけ奪って外で銃声を鳴らすんだ。そしたらお前飛び起きて隠しておいた金取りに行くんじゃないだろうか?ってね。外で銃声がしたとき、俺の心配とかしてくれなかったのかい?一目散に金取りに行きやがって、あんたも案外薄情だねぇ」

 遠藤はもはや勝ち誇ったかのような態度で続ける。

「当たりだろ?金、そこに隠してあるんだろ?」

 ま、まずい・・・。最悪だ・・・。なぜ、なぜ気付かなかった。銃を奪って俺だけを生かしておく理由、そんなの一つしかないじゃないか!金のありかを突き止めるため。なぜ、なぜそこに気づかなかった。

 もはや絶体絶命か・・・いや、何か考えろ!この状況を打破する何かを!

 左腕から大量の血液がどろどろと流れ落ちる。

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