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ー綾ー  作者: 城塚崇はだいぶいい
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結果から言うと・・・敗北した。それも惨敗

「それでは始めましょう」

 男は依然薄ら笑いを浮かべたまま、椅子にふんぞり返ったように座りながら言った。

 見てろよ。その笑い、すぐに凍りつかせてやる。

 奴が親での東一極、俺の配牌は・・・北切りでダブリー!!!

 やっぱり俺の運は止まらない。

「リーチ!!!」

 少々大きめの声で発生した。俺の強運で奴を殺す!!!

 直貴は男をにらみつけてにやっと笑った。

 しかし、男からのリアクションは直貴の予想を遥かに裏切った。

「ロンです。大三元、字一色、四暗刻単騎。私の勝ちです」

 な・・・時間が止まったように動けなかった。しばらく奴の手牌から目が離せなかった。

「ば、馬鹿な!!!そんなことあるわけ無いだろ!!!イカサマするにしてももうちょっと静かな手を使え馬鹿野郎!!!」

 つい大声で叫んでしまった。当たり前だ。麻雀をやったことがある奴なら誰だってわかるだろ?こんな手はあり得ない。あっちゃいけない手なんだ。

「イカサマ?綾をつけるからにはそれなりの証拠でもつかんでいるのでしょうね?」

 男は、このくらいの手あがって当然、よく出る手をあがっただけだとでもいいたげな涼しい顔をして言った。

「証拠もクソもあるか!!イカサマ以外でこんなことが起きるはずがねぇんだよ!」

 これがもし本当のことなら俺はたった一枚の牌を切っただけで、約四〇〇万円の負けということになる。始まってまだ五分も経っていないというのに。

「それは違います。イカサマをするのなら逆にこんな派手なあがり方ではなくもっと地味にばれないように行うはず、この手は派手であるからこそ逆にイカサマとは考えにくいのです」

 確かに・・・男の言うことは一理ある。イカサマとは、ばれないように行うことはもちろん。それ以前に怪しまれないように行うことが大前提。こんな派手なあがりをしたんでは相手にゴネられることは見えている。しかし、だからと言ってこの手がイカサマではないとは考えづらい。百年麻雀を打っても一回出るかどうか?いや出ないと思われる手だ。

「だ、だまれ!!!俺は払わないからな!!!こんなの詐欺だ!!!」

 わめき散らすと俺は雀荘から転がるように逃げ出した。冗談じゃない四〇〇万なんて金払えるわけが無い。

 しかし、外に待っていたのは、あの男の仲間と思われるガタイのいいお兄さんたちだったんだ。

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