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ー綾ー  作者: 城塚崇はだいぶいい
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必勝法、ギャンブル界でよく聞く甘い言葉、他人の用意した必勝法に耳を傾けるな!

 確かに今このゲームの中に必要以上の金がダブついているように見える。いいのか?こんな簡単にこのゲームが終わってしまって。奴等は何度となくこのゲームをやってきたと言っていた。これは奴等のミス?何度となくやったゲームでこんな致命的なミスを見逃してきたのか?そんなはずはない。何かあるはずだ。

 マンホールの上からはまた声が聞こえた。

「確かに人数と金額の計算ではそうなる。だが、あんた等は馬鹿だ。」

 来訪者はそう言った。やはり何かあるのか?この必勝法に穴が?

「仮にあんた等の言っていることが本当で六人死んでいたとする。しかし、その六人が持っていた金は殺した奴が当然持っていったんだろ。その殺人者達がこの呼びかけに応じなきゃ、この作戦は破綻。殺人者達は命がけで得た金だ。そんなに簡単にこの呼びかけに応じると思うかい?」

 来訪者はそう言った。

「心配は要りません。開始早々六人を殺害して逃亡していた殺人鬼を我々のグループで捕獲いたしました。金も銃も奪い、そこの建物の地下に監禁しています」

 バリケードの男は冷静に返した。

 これで完全に必勝法の穴は埋まった。これで確実に全員助かる・・・はずだ。

「・・・どう思うよ?遠藤」

「あぁ、何だか引っかかる。でもこれと言って穴はみつからねぇ。信じてみてもいいのかも知れねぇ。でもよ、今思ったんだが、この下水道の中、くせえけど結構安全な気がするんだ。あいつ等に賭けるより、ここにいた方が安全な気もする」

 遠藤はそう返してきた。俺もそう思っていた。遠藤の後ろからゆっくりと下水に乗り、流れてくる物を見るまでは。

「どうした?急に青い顔して?」

 そう言った後、遠藤は振り向いた。

「う・・・」

 人間の死体だった。緑色の濁った下水の中をこちらを向きながらゆっくりと漂う死体。

「安全なところなんてどこにも無いってことか・・・」


・・・


「我々の声に耳を傾けていただいてありがとうございます」

 二人はバリケードの男の仲間の後について彼等の立て篭もる建物へ入った。たくさんの建物が建ち並ぶ中、ここは比較的小さい方の建物だった。

 奥の方の部屋へ通される。途中の廊下で意外にもたくさんの人間とすれ違った。どうやらもう大部分の人間がここに集められた後のようだ。

 遠藤は入り口から数えて四番目の部屋へ、俺は六番目の部屋へ通された。銃を持ってる者と金を持ってる者を同じ部屋にすると不安がる奴がいるからだそうだ。そこには俺より先に四人が入っていた。安堵の表情を浮かべゆっくりと腰をおろしている者、なぜか腑に落ちないと言った表情で目の前をじっと見つめている者、人々の表情はいろいろだった。

 俺を入れてこの部屋は五人。

五人?

 ・・・何だ?この嫌な予感。

 ?なんとなく奴等が信じられないだけ?この嫌な予感はただそれだけなのか?

 ・・・・・!!!あっ!!!そうだ!!!やっぱりそうだ!!!こ、こいつら・・・。

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