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ー綾ー  作者: 城塚崇はだいぶいい
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頭を使え、ルールは単純なんだ

「川畑、あんたはどう思う?」

 遠藤は聞いてきた。

 普通に考えれば全員助かる方法なんてある訳無い。しかし、あいつらはあそこまで危険を冒して声を出している。バリケードで守っているとはいえ自分の居場所を相手に知られるのは絶対に良くない。それともあそこまで危険を冒すほどの価値がある何かを本当に見つけたのだろうか?

「そんなに簡単に信用できる話じゃないな。でも、近くに隠れて様子を見よう。襲ってくる雰囲気では無さそうだし。さっきから銃声が一発も聞こえない事も気になる。もしあいつらの言っていることが本当なら銃撃戦などもう誰もやっていないのかもしれない。」

 二人は近くにあった建物の中に隠れて様子を伺うことにした。

 暫くすると、両手を上げて奴らの方へ歩いて行く奴がいた。バリケードの中の男と何かを話した後、向いのビルの中へ姿を消した。一時間後、また別の奴が両手を上げて現れた。そして、そいつもまた、バリケードの中の男と話をした後、安堵の表情でビルの中へ入っていった。

「どうやら、出て行ったら即射殺とかいった。罠じゃぁ無いみたいだな。どう思う?話だけでも聞きにいってみるか?それとも無視してもっと別の安全そうな場所を探すか?」

「こっちの存在を気付かれたくない。できれば何の話をしているのか聞こえる位置まで近づいて盗み聞きするのが理想だ。」

「でもいったいどうやって近づく?」

 どうすればいいだろう?

 直貴は奴らの周りをじっくり眺めた。すると、バリケードのすぐ後ろにマンホールが見えた。

 よし、地下から近づいてマンホールのふたを少しだけ開ける。これだな。

「いい事思い付いたぜ!たぶんうまく近づける。」

 直貴は言った。


 マンホールは意外と重いんだな。やっとの思いで下水道をつたって奴等の裏側を取った。さて、次の来訪者が来たら、そいつとの話を全て聞かせてもらおうか。

 三〇分待った。来たようだ。

「我々を信じてくれてありがとう。私達は確実に助かる。」

 バリケードの男が言った。

「まだ信じたわけじゃない。全員助かる方法がいったいどんなものか聞くまではなっ!」

 来訪者は銃を構えたままのようだ。

「わかりました。手短に話します。どうか銃をしまってください。現在私達のグループでは死者が六人出たことを確認しています。生き残っているのは三四人以下と言うことになります。そして、金を受け取った人数が二三人です。二三人が三〇〇〇万受け取ったと言うことはこのゲームの中に六億九〇〇〇万の金が存在すると言うことです。今、仮に生き残った三四人でこれを均等に分けたとしたら一人あたりの取り分がおよそ二〇〇〇万になります。もし、全員の負債額の平均が二〇〇〇万以下なら、もう争わなくてもいいんです。もう皆助かります。争いをやめて皆で金を分け合えば、助かるんです。」

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