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ー綾ー  作者: 城塚崇はだいぶいい
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タイムリミットは残り四二時間 ・・・永い。

 この男の名は遠藤隆志。聞けば俺とほぼ同じ理由でここへ送られたという。雀荘で不可思議な負け方をして、借金を背負った。

 遠藤は約束通り一〇〇〇万円札を一枚俺に渡すと、早速隠れる場所について提案してきた。

「時間まで隠れ通すってならやっぱりあっちのビル街へ行ったほうがいいと思うんだ。確かにあっちは人も多いだろうしその分危険かもしれないが、うまく隠れることができればまず見つからずに時間まで凌げる。しかし、この林の中じゃ完璧な隠れ場所なんて見つからなかっただろ?敵の動きを敏感に察知しながら移動を繰り返して時間まで凌がなきゃならない。」

 直貴は考えた。さっき林を一歩出ただけで死にかぶった。せっかく金を手にしたんだ、できればもう銃を向けられたくない。しかし、ここが安全であるとも言えない。結局どこにも安全など無いのか?金さえ手にすれば後は隠れていればいい。そう思っていたが、それが実は結構難しい。直貴には特にいい考えが浮かばなかったため、ビル街へ向かうことにした。確かに、あのビルのどれか一室に立て篭ればうまくいけば時間まで難なくやり過ごせるような気もする。

 二人は林の出口に立った。全く人の気配はしない。よし、チャンスだ。身を低くして全力疾走。

 ・・・まもなくビル群にたどり着く。しかし、さっきから全く人の気配を感じない。別に人の気配を敏感に察知する能力があるわけではないが、人影とか足音とか息遣いと言った物を全く感じない。この近くには銃を持った人間が何人も徘徊しているはずだ。それなのに銃声の一つも聞こえない。

 二人はそのまま何事も無くビル街まで着いてしまった。何故?何故誰もいない?

 二人はそれでもまわりに警戒しながらゆっくりと進んでいった。

「・・・・かいないか・・・。 ・・・たち・・だ・・・。 だ・・・ぶ・・・」

 遠くから人の叫ぶ声が聞こえてきた。少し近づくと三人ほどの男が自分の周りにバリケードをはって、大声で叫んでいた。

「誰かいないか?俺達はここだ!大丈夫、全員助かる!!!だから武器をしまって俺達の話を聞いてくれ!!!!」

 ビルの壁や看板でバリケードをはり、鍋や雑誌で身を守ってはいるが銃を持たずに彼等は叫んでいた。

 全員、助かるだと?

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