ポーションできるかな?
ピコンッ♪
ユニークスキル『鑑定EX』に『魔道具化』が追加されました。
脳内にまた新たな音声が鳴った。ステータスを開きスキルを確認した。
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『魔道具化』
:魔石を埋め込まれた物を魔道具に変える。
:本来必要な魔力回路は必要なく、思考により簡略化されている。
:物の形、魔石の属性、思考の方向性が合わない場合、魔道具化されない。
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「…これ、生産チート型まっしぐらだな。あと気になるのは名称だな。魔石からMPを供給して稼働させた道具が【魔道具】、錬金術を使い直接MPを補充した異世界の家電が【魔導具】。で、いいのかな?ユニークスキルの中に入ったなら『魔道具化』は一般的ではないな…」
一樹は混乱した。
5分程で正気に戻り、とりあえず『魔道具化』を使ってみた。
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『ドリルボール』(魔道具)(投擲用)
:殺傷力の高い投擲用武器。これを使うとき命中率が上がる。
:持つと500㌘にしか感じないが、実際は5㌔あるので武器の破壊も期待できる。
:装備ボーナス[投擲レベル3][命中レベル3][重力制御レベル2]
:握る部分にあるスイッチを押すと突起部分が回転する。
[合成]可能
[分解]可能
[加工]✕
[錬金術]✕
[魔道具化]済み
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この玉はどこを目指しているのだろう?不思議とまだまだ強化されていく気がする。
とりあえず、手応えを確認するため、森の木に向かって投げてみた。すると、
ドガガガガ…チュィィィン……バリバリ、ドゴン!!
木が倒れた。いや、当たった場所を粉砕した。
「……いろいろおかしいよ。ドリルって1点に力が集中することによって穴を開けるんじゃないのか?!!なんであんなにトゲトゲしてて、ちゃんと丸い穴が開くんだよ?!そもそも『魔道具化』するとき思考によってできるらしいかこんなの一切考えてねぇぇよ!!はぁ…はぁ…」
考えるのも面倒になり今日は寝ることにした。
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翌日、今日もまた『引き換え券』を出して、タブレットを開く。
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異世界8日目
人里を探す
回復手段が必要。
風呂、便器を作る
窓用にガラス
『引き換え券』で変えたいもの
:玉子、野菜、調味料、鍋、洋服、布団、カセットコンロ
①索敵、罠発見方法
②防具
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「今日は回復手段の確保だなぁ。あとはドリルボール量産すれば遠距離ってか中距離はなんとかなるな。防具、罠もどうにかしたらダンジョン探索したい。異世界はやりたいことが多すぎて困るな。」
本来危険なダンジョンを遊び場感覚になりつつあった。戦闘経験ほぼ0の素人に身の丈に合わないスキルを与えられ、生き物として持っているはずの危機を感知する感覚が麻痺していた。麻痺はしていたが、元々慎重な性格に助けられ、ゆっくりと準備をしていた。
「前に【回復草】【快適草】【毒消し草】など採取してたな。ゲームや小説なら乾燥させて煮込んだり、漢方薬のようにゴリゴリして綺麗な水につけておけばポーションみたいな回復薬ができるかな?」
いろいろと考えた結果、刻んで煮込むことにした。どうせトライ&エラーになるんだ。考えるより動け。
「前に、勢いで高火力コンロを『引き換え券』で変えたが、一人暮らしには使い勝手が悪いし、草煮込むなら一般家庭の使ってるコンロのがいいな。『三口コンロ』あとは『行平鍋』」
『引き換え券』を使いコンロに変えて『錬金術』も使い魔導具にした。火をつけ『飲み水』を張った行平鍋で回復草を煮込んだ。
「刻んだ回復草は浮いてるし、なかなか苦そうでマズそうだな…これが失敗なら変える工程は、葉っぱの枚数、茎や根っこは使うのか、乾燥、ゴリゴリ?あとは煮込み時間、水の量かな?」
10分程煮込んだあと『鑑定』してみたが、ただの草の水になっていた。
「失敗か。まぁいきなり成功するとは思って無かったからいいけど、ヒントになりそうなものも無かったな。そうなると……はぁ…」
一樹は肩を落とす。失敗したのはまだたったの1回だ。なのにもう心が折れそうになっている。
それは何故か?気づいてしまったからだ、ポーションがない可能性を。
ゲームのような世界、回復草、この2つの事実だけで勝手にポーションが絶対にあると思い込んでしまった。
「思い込みって怖いな。反省はするけど、この草の水はどうにかするか。とりあえず、濾過だな。」
濾過に必要ものとして『引き換え券』で10枚セットになっているタオルと交換した。
「ホントはガーゼや濾し網のがいいかもしれんがタオルのほうが後々重宝するよな。うん。」
誰に言い訳しているのかわからないが、一樹は次の工程に進んだ。木材で作ったボールにタオルを被せて濾した。
それだけでは鑑定に変化はなかったので鍋に戻して煮詰めなおした。煮詰めている間もちょこちょこ鑑定をかけたがなかなか変化しなかった。
水の量が10分の1程になったとき【胃薬のような物】に変化した。
「ん?なになに【ポーションの成り損ない、回復草の成分が少し残っているので胃の調子を整えるかもしれない】だと?ポーションの文字あるじゃん!」
先ほどの絶望は、1日立たずに希望に変わった。
やるしかない。
このあとは、乾燥させた葉っぱを使ったり、ゴリゴリしたり、炙ったり、大量の葉っぱに水を少しにしたり、川の水を使ったりと、いろいろ試したが【胃薬のような物】を量産しただけであった。
「やっぱ薬は専門の知識がないとダメなのかもな。あとの可能性もメモしておくか。」
①スキルが必要②回復草以外にも必要な材料がある③材料でなく専用の水が必要④実は塗り薬⑤遠心分離機のような道具が必要
「こんなもんかな。やっぱり自力だと時間かかりそうだし、回復手段は人里降りてからか。ないとは思うけど、人里降りて即戦闘になったら死にかねないし、ダンジョンの低階層でレベル上げを頑張るか。こっちも時間かかりそうで嫌なんだけどなぁ。」
一樹は気持ちを切り替えて、まだ出来ることはないか考える。
自分のスキルに『合成』があることを思い出した。
大量に出来た【胃薬のような物】を『合成』してみた。10個を合わせるとなんとか成功した。出来たものは【胃薬】の錠剤だった。これは成功でいいのかな?
少ない数で『合成』したものは、失敗扱いで消えるのではなく【毒薬】の錠剤に変化した。さすがはゲームを元にした世界。
今回のポーション作りは、はっきり言ってこの数日の中で1番疲れた。あるかわからないものを作る恐怖、IPS細胞やLED電気を発明した人を尊敬します。
明日に疲れは残せないので『引き換え券』で栄養ドリンクに交換してみた。すると、
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『初級栄養ドリンク』
:切り傷、打撲、打ち身を軽微であるが治す。栄養補給、自然回復速度上昇あり
:級が上がると血液増加、石化解除、毒無効化、欠損を治すこともできる。
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弱いが回復手段が手に入った。
だが、これじゃない感が強かった。
『膝っこに目薬』
見当違いもはなはだしいこと




