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異世界を俺なりに楽しむ  作者: パーティーチキンカレー
プロローグ
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プロローグ

初投稿です。温かい目で見てください。


 目が覚めると、そこは真っ白な空間だった。


 おかしい…俺は、大病で病院に入院していたはずだ。遂に死んだのかな?


「死んだにしては突然だったなぁ。大病にしては元気だったから一時退院ができるかもしれないって言われてたのになぁ。」


 鮫島一樹(さめじまかずき)は昨日のことを振り返った。可愛い看護師さんと会話し、同じ病院に入院している子供達とトランプで遊び、おっかない先生に今後の相談をしていた。


「んん〜…至って変な事はなかったと思うが…やっぱ死んだのかな?苦しまないで死ねたからよしとするか。」


 少し短絡的かな?とも思ったが、ここは真っ白い空間。泣いて騒いでもどうすることも出来そうにない。

 そんなことを考えていると突然、真っ白い空間が輝き始めた。そして、輝きが収まると目の前に男の老人が1人、女性が2人現れた。


「おや?突然このようなとこに来たにしては冷静じゃの?」


「あぁ…いろいろと考える時間は病院のベットの上でたくさんあったからな。小説やラノベ、マンガもたくさん読んだから、死後の世界がここみたいに真っ白な空間だったり、閻魔大王がいるようなお城だとしても、別に驚きはしないよ。寧ろ、わくわくしてる?」


「変わったやつだのう…まぁ、暴れることもなく話しを聞いてくれそうなので良かったとするかの。」


 そういって老人が1度手を叩くと、また空間が輝いた。

 輝きが収まると、目の前にはテーブルとイス、そしてテーブルの上には大量の料理と酒が置かれていた。

 それを見て一樹は驚いた。っというか、このあとの展開が読めた。


「とりあえず、飲もうではないか!飲みながら自己紹介と説明をしよう。」


「えっ?あっ…はい…」


 何となく釈然としない(さっきまで病院食)が今の状況を説明してくれるのならば、仕方ない!そう!仕方ないから飲もうではないか!!(入院中は禁酒)

 進められた席に座り、おでんに熱燗。くうぅ〜!ローストビーフにワイン。くうぅ〜!フライにビール。くうぅ〜!どれも美味い!!ここは天国か?!


「さて、料理を楽しんでるところ悪いのじゃが、自己紹介させてもらおう。儂は創造神。お主のいた地球とは違う神様じゃ。」


 おぉ!やっぱり神様。しかも異世界!


「私は大地の大精霊。」「私は大海の大精霊だよ。」


「あっ!鮫島一樹です。宜しくお願いします。」


「うむ。さて、なにから説明すべきかのぉ?」


 おじいちゃん、ボケちゃったのかな?


「ボケとらんわ。まずはおぬしの状況を説明しとくかの。わかっていると思うが、おぬしは死んだ。それは理解できるか?」


「はい。夢かな?とも思いましたが、さすがにここまで思考がはっきりしていれば違うとわかります。真っ白い空間で神様とお会いしているのですから死んでいるのでしょう。」


「少しは驚いたりしないのかね?」


「最近の小説やラノベではよくあることなので、自分も行けたらなぁ。と、よく想像してたので驚きが薄いのかもしれません。ベットの上は暇ですし。」


「そういうものか?」


「そういうものです。因みに、死因は何なのでしょう?神様か誤って殺したパターンですか?」


 異世界転生ものにある王道ですね。うんうん。


「殺しとらんわ。まぁ、異世界勇者召喚はあったがのぉ。」


「あったの?!」


 では、今から剣と魔法の世界ですか?


「うむ。しかし、おぬしが送られるわけではない。おぬしの双子の兄、正也が送られたようじゃな。それによって、世界が帳尻を合わせようとした結果、鮫島一樹は死んだ。というか消された、いや、弾き出されたのかのぉ?。」


 えぇぇぇ!何その残念な結末。


「本来は入退院を繰り返して、死ぬのは4年後だったみたいじゃな。」


 うわぁ…あと4年もあの状態か…良かったのか悪かったのか。


「まっ!勇者なんかやるよりはいいか。どうせ、入退院を繰り返して身体をボロボロにし、苦しんで死ぬだけだったしな。痛みもなく死んでましたってのは案外良かったかもしれないな。」


 うん。美味い酒に美味い料理を食えたし、最後は良かったかも。次は鳥に生まれ変わりたい。もぐもぐ。刺し身、美味っ! 




    完





「なにを勝手に終わらそうとしとるのじゃ。そもそも輪廻転生できんぞ?世界の理から外れたのじゃから本来、魂が消滅するところを救い、ここに呼んだのじゃぞ?」


 おぉ!救世主だったのですか!!?ありがとうございます。そして、今更ですが心を読むのですね。さすがは神様クオリティ。あぁ〜パスタ美味い!


「はぁ…で、おぬしはどうするのじゃ?剣と魔法の世界じゃが、死の原因である世界に行き魔王にでもなるか?勇者と勇者召喚した国を滅ぼせる程度のチートくらいは付けてやれるぞ?」


 創造神はニヤニヤしながらこっちを見ている。

 目潰ししたろか?


「いりませんし、行きませんよ。俺が好きなのは『ざまぁ展開』や『チートハーレム』、『魔王系』ではなく、『スローライフ系』ですから。殺伐としているのは基本NGですよ。」


「スローライフとな。女性を抱かないのか?その年で枯れとるのぉ。」


「まだ40前ですから枯れてませんよ。そういうことはプロのねえちゃんにお金で解決してもらうくらいでいいんですよ。人間関係なんてめんどくさいだけです。」


「そうなのかのぉ…」


 俺はそうなのです。


「それで、創造神様、俺はどうなるのでしょうか?」


「んん〜…今儂が管理しておる世界は、全て人と人とが戦い、戦争に明け暮れているからのぉ。『魔法』『魔術』『科学』など、いろいろあるが、人は殺し合いが好きだと思っていたが…おっ?今なら最高権力者の息子にもなれるぞ?」


「嫌ですよ!!権力闘争なんかに巻き込まれるなら山奥に住む一般人で問題ないです。」


 権力なんて平穏とは真逆じゃないか!

 異世界に行くなら畑でも耕ながら生活し、少し護身用の下級魔法が使えたらいいなぁ。ファイヤーボールとか撃ってみたい。


「困ったのぉ…」


 なにを困ることがあるのだろう?別に無理を言ってないと思うのだが…


「創造神様。」


「どうしたんじゃ?土のや。」


「私達にとって、世界を発展させる手段として争いや戦いは、当たり前の考えて方ですが、生活する者にとっては辛く厳しいものなのではないですか?」


「なるほど…どうじゃ?一樹よ。合っておるか?」


「概ね…合っているかと。地球の先進国は戦争のことを映像や文字を通して学んでいます。文明や兵器が発展していったことは否定しませんが、科学が大きく発展した今では、人間1人の力はちっぽけでいろいろと厳しいです。」


 まぁ〜一般人の俺には、家があり、温かいご飯が食べられる程度の収入があれば贅沢なんていらないんだと、入院したときに気がついたけどね。


 今も地球の裏側では戦争をしているみたいだが、手の届かない人達のことは正直わからない。


「このままでは話は平行線になるでしょう。なので、新たな世界を造ってはいかがでしょう?先程、少し一樹の記憶を見ましたが、そのなかにある娯楽、小説やライトノベル、TVゲームなるものからスローライフが出来そうな世界を造ってはどうでしょう。」


 なに?そんな世界は面白そうだが、記憶を見られるのはちょっと恥ずかしい。

 でも、それなら人と人が争うより、人とモンスターが戦う構図になるのかな?


「それは良いアイデアかもしれんのぉ。」


 そういうと創造神様が右手をこちらに向けた。これで記憶を読んでるのかな?


「ふむ…土のと海の。少し話し合うぞ。」


 そういって、3人(1神2精霊?)は消えた。

 1人取り残された一樹は、仕方ないので料理と酒をかっ喰らった。


「この角煮美味いな!溶けるようで歯がいらない。これはエビチリか?紹興酒に合うぅ!!サバの味噌煮も美味いだと!生臭さが全くない…ここにえる料理は誰が作ったのだろう…」


 弟子入りしたいくらい全て美味い。

 そんな馬鹿なことをを考えていると3人(1神2精霊?)が戻ってきた。


「待たせたのぉ。新しい世界を造ってきたぞ。」


 えっ?今?そんな簡単なもの?


「簡単ではないぞ?あと数神と大精霊に声をかけてきたから出来たことじゃ。さて、おぬしはどうする?」


「どうするとはどういうことでしょう?」


「ん?おぬしも世界構築に携わった者じゃろ?記憶を借りたからの。ならば少しくらい我が儘を言っても良いぞ。ゲームのような欲しいスキルはないのか?」


 おぉ!ありがたい。


「では、『アイテムBOX』『簡単な魔法』『鑑定』をお願いできますか?」


「ん?そんなもので良いのか?スキルとしてはレアリティが低いぞ?」


「スローライフを目指すならそんなものですよ。レベル上げでモンスターとの戦闘はあるとは思いますが、弱いモンスターと戦えば問題ないです。あっ!この日本酒だけでも手に入るようにしていただけると嬉しいですね。」


「ふむ…しばし待て。」


 また、神様達が消えた。

 そろそろ旅たちかな?あぁ〜若返りもお願いすればよかった。


「待たせたの。まずスキルは無事付与した。少しバージョンアップし増やしてあるがの。」


 おぉ!嬉しいけどどうだろ?


「あとは、20歳前後の年齢にしてある。本来、あと4年は生きられたが、勇者召喚により落とした命。新たな世界を楽しんでほしい。」


「はい。」


「うむ。ではの。向こうについたらステータスを確認するんじゃよ?」

「楽しんでください。」「バイバ〜イ。」


「は……いぃ!!??」


 ちゃんと挨拶とお礼をすることなく、目の前が草原に変わった。


20年前のことわざ辞典発見!

せっかくですので、ばっと開いたページの一つをのせていきます。


『人は生まれて三ヶ国に果つる』

人の死場所はどこにあるかわからないものであるということ。

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