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7.会話するなら異世界語で

ちょっと補足入れました。

 村の人達にもみくちゃにされた……

 何言ってるか分からないのにあんな迫られたら怖いって。何とか脱出した後女の人の家の前に行く。

 この辺りの家は全て石造りでできた一軒家だ。

 今日はこの家に泊まるし、挨拶くらい済ましておきたい。


 木製の扉を開け、家の中に入る。

 驚いた事に、下駄箱がなかった。

 村暮らしということもあって出入りが多いからか?


 視線を下から上にあげる。

 扉の少し先にテーブルがある。テーブルには椅子があり、その椅子にはアルイさんが座っていた。

 アルイさんは俺を見ると一言、

「大変だったでしょう」

 と労わってくれた。


 大変だった。大変でしたよ。

 だが、迫る村人の声を聞き、ある程度言ってる言葉は同じだった事を思い出す。

 覚束無い発音でアルイさんに聞いてみると、


 どこから来たのか?

 何やってるのか?

 もしかして今流行りの冒険者?


 辺りが特に聞かれていた事らしい。

 それ以外は聞いても目線をそらしながら言葉を濁された。

 曰く、

「下らないことだし、面白くもないから」

 との事。


 うーん?聞かれてた時のほとんどは「アルイ」という単語が入ってたんだけどなー?


 聞かれたくないみたいなので聞かないでおく。

 家の主は今いないのか聞いたら、


 外で噂を広めているらしい。



 うぐぐ、あの女の人が村人の波を作り出していたのか……!

 だけど、おかげで異世界語を少し理解できたかもしれない。


「そういえば、なんでこの家にいるの?」


「あれ? 言っていませんでしたっけ? 私はこの家に住んでいるんです」


「え?」


 え?じゃあここってキュイアー家?

 あの女の人はキュイアーさんだったのか……


 アルイさんに色々聞いてみたらキュイアーさんはアルイさんのお母さんで普段は家事をしているらしい。


 というか俺同い年くらいの女の子と同じ家で寝泊まりすんの?

 いいいやいやいやまてまてまてまて。

 多分別の部屋で寝るんだ。

 そういうこ「あんまり部屋広くないし多分同じベッドで寝ると思いますけど……どうしたの?」

 うぅぅぉおわああああ!!

 同じ部屋どころか同じベッドだってよ!!


「ぃぃいや? 別に、そんな気にしてないよ」


 嘘です超気にしてます!そんなのいきなり過ぎて心の準備が……いやまてまだ夜ではない。その時には落ち着いているんだ。


 別の事をして気を紛らわそう。あ、


「そうだ。この家に本ってある? できれば使いたいんだけど……」


 異世界語は分からないのは不便だ。できることなら早く覚えておきたい。


「うーん、絵本ならあったと思いますよ」


「それ、読んでもいい?」


「いいですよ。少し待っててください」




 その後絵本を持ってきてもらい、異世界語を少し覚えた。

 まだ会話は不十分だとは思うが多少はできるだろう。それと、アルイさんに頼んでこれからは異世界語で話してもらうことにした。

 その方が習得も早くなるだろうし、日本語も分かるアルイさんなら補足もしてくれるだろう。








「オカエリ」

「おかえりなさい、お母さん」


 夕方になり、帰ってきたキュイアーさんに声をかける。


「ただいま、アルイちゃん! ~~~りゅう? くん~~~かしら?」


「お母さん。りゅう、~~~~~りょう、だよ」


 断片的にだが、会話の内容が分かる。夜になるまで練習したかいがあった。


「キュイアーサン。ボク、コトバ、レンシュウスル」


 片言だが、キュイアーさんに異世界語の練習をしている事を話す。


「分かったわ。~~~~わね!」


 伝わった。難しいが要特訓だ。

 聞き取れなかった部分や、分からなかった単語は後でアルイさんに聞く。

 よし、この世界の言語をこの調子で覚えるぞ!

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