表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/45

1.異世界転生準備

初投稿です。

途中で挫折しないようにしたいとは思っています。

 意味が分からない。

 気味が悪い。

 どうしてあんな「願い」をしてしまったんだ。

 こんなことになると分かっていたらもっとマシな「願い」にしていた。


「な、なあ! もっと色んな事を教えてくれよ!」


 もう、嫌だ。






















「へ?」


 突然放り込まれた空間に俺は驚愕した。

 何故なら、その空間は地平線が見えてしまうほど広く空も地面も白かった。


 もしかして、天国か?

 俺は、死んじまったのか?


 白い地面を触れている感覚はあるし、服も着ている。今だって呼吸をしている。

 普通だったらまず出てこない考えだが、

 それには明確な理由がある。

 俺は家に帰る途中で猫を見かけた。

 その猫は丁度信号を渡っていて、青信号にも関わらず暴走トラックがクラクションを鳴らしながら走ってきていた。

 俺はその猫を抱き上げ、このまま助けることができたらまるでヒーローだなと思っていたが、

 轢かれてしまったのか、暴走トラックに当たったと思った瞬間に白い世界に来ていた。


 猫は助かったのか?

 あの後どうなったんだ?


 その疑問に答えるように白い空間の中から翼が生えていてどこか神々しい人……多分天使が降りてきたのだと思う。


『あなたは死にました』


 言葉を失う。俺はまだ死にたくなかったはずだ。だが、何も言葉が出ない。言いたい事はあるはずなのに口にできない。改めて死んだ事を告げられると気持ちが沈む。

 そのまま天使は口を開く。


『ですが、自らの命を投げ打って猫を助けるその勇気は称賛します』


「そ、それは、猫は……助かっているのですか?」


 思わず声が出てしまう。


『はい。あなたのおかげで猫は助かりました。今も生きています』


 良かった。これで生きていなかったなんて聞かされていたら立ち直れなかった。


『あなたの勇気を称え、私はあなたの命を蘇生させます』


 え?


『元の世界での蘇生は元の身体があるので不自然です。ですので別世界での蘇生が良いと思いますが……』


 蘇生……?蘇生ということは復活?生き返るのか?


 ショート寸前の頭を使い情報を整理する。

 天使は驚いている俺を無視して淡々と説明している。


『私が新しい身体を作り、その中にあなたが入るという形になります。基本はあなたから作るので元の世界で蘇生した場合、死んだ人間が別の身体を通して生まれ変わるという奇妙な状態になります』


 段々と落ち着いてきた。元の世界での復活だと世界は不自然で気味が悪い現象が起きたと思い、俺は生きにくくなるという事だろう。俺が復活をする事で世界にどんな影響が出るのかも分からない。

 だから別世界で復活する事になるのか。


『身体を作ることは簡単です。蘇生のついでに、あなたの「願い」を叶えたいと思います』


 そう言うと天使はこちらをじっと見ている。


「……願いについて詳しく教えてください。」


 少し考えたがどこまでがOKなのかとか何回大丈夫なのかとかは考えても分からない。とりあえず願いについて質問をした。


『「願い」はどのような「願い」でもいいです。家族を連れてくるとか幻想的な世界に行きたいとか、何でも大丈夫です。ただし、1つしか「願い」は叶えられません』


 それを聞き、俺は改めて長考する。

 次に生き返る時は不死身が良い?パラレルワールドのような、元の世界のような世界が良い?家族や友人ともう1度会える事ができるのが良いのか。考えれば考えるほど1回しか願いは叶えられないことが願いの決定を大きく揺さぶる。


 俺はそんなに頭が良くないんだ。だから、もっと良い願いが……

 待てよ、頭が良くなることだってできるはず!世界で1番頭が良くなれば!もしかしたら元の世界に帰ることもできるかもしれない!


 俺は深呼吸をして、それが1番良いともう1度判断してから目の前の天使に言った。


「俺が1番頭が良くなる世界に行きたい!」


『分かりました。では新しく身体を作るので、しばらくお待ちください』


 そう言うと天使は浮かび上がり、白しかない空間に消えた。なんだかワクワクしてきた。頭が良ければ色々なことを理解できる。それはきっと楽しいに違いない。


『お待たせしました』


 思っていた以上に早いな、簡単だと言っていた通りという事か。

 そんな事を考えていると、自分の身体が透明になってきているのが分かった。足の感覚が無くなり、次に手の感覚がなくなっていく。だけどこれから行く世界を考えると不安はなかった。


 これで俺は元いた世界とは違う、異世界に行くんだ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ