第6章『呪う者、呪われる者』~魔獣ルゼルキウス②~
うう…一月もお待たせして申し訳ありません(・・;)
なかなか、ペースが上がらないッ!
でも書きたくて仕方なくて納得がいかずにまた書き直す!…そのような感じで日々をあーだこーだと過ごしております。
拙く表現力不足で申し訳ありませんが、今暫くよろしくお願い致しますm(__)m
「……リンネ、あの《黒騎士》を殺ったか?」
(何者じゃ、あやつ?
リンネの《灰塵》の一太刀、それも《煉獄王》の魔力を上乗せした一撃を躊躇なく身を呈して庇うとは……何やら詠唱もしておったようじゃが、魔術とは違う…なら身に付けている鎧の『能力』か……?)
直撃した膨大なエネルギーの一撃が撒き散らす粉塵と衝撃が全員の視界を完全に塞いでしまい生死の確認が取れずにいたため、ヴィーチェは自分よりも気配察知に優れたリンネに尋ねる
「いえ……手応えはありましたが……っ…」
(魔力の一欠片とはいえ、《煉獄王》の《煌炎》を受けて無傷とは思えませんが…この威圧感、まさか…)
ドサッ
喋り終えると同時にリンネが膝を付くが《宗近》を杖の代わりにするように地面に突き刺してフラフラと立ち上がる
「リンネ!」
(いかん!魔力と気が尽きたのか!)
慌ててヴィーチェがリンネの近くに降りて自然回復力上昇の簡易結界を展開し、魔力と気の回復を試みる
「ヴェル殿…すみません、折角の好機が…」
(あの黒騎士も気になりますが、《紫電》も解除された今となってはさっきので巨大化した魔獣を仕留めきれなかったのが悔やまれる!ですがそれよりも…)
「…気にするでない、と言いたいところじゃが…形成不利じゃなコレは」
(ダメージを与える方法が判った今なら妾の魔力さえ回復すれば魔獣はどうにかなる、が…ミューの《賢者の血》での魔力譲渡でも無ければ攻めきれぬ!じゃが、それよりも…)
「「……」」
(あちら側にいるラピス達の安否が気になりますね…)
(同感じゃ。見たところ、あの騎士に傷や疲労感は見当たらなかった…まさか、城に残っていた他の騎士団では手も足も出せないほどの強さだとすれば?…推測の域は出ぬが、いずれにせよ)
(えぇ、トウマ殿達が駆けつけたとしても突破出切るかどうか…)
「…モウシワケアリマセン、アルジサマ…オケガハ?」
「問題無い。流石は魔王の魂の欠片を宿した神器…同格である《煉獄王》の炎を完全に防ぐとは予想以上の防御力だ。
まぁ、一度使うと再発動にかなりの時間が必要になるのが弱点だが…《剣聖》も同じ欠点を抱えているようだな」
爆炎による煙と粉塵が流れる風により晴れていくと、魔獣を庇うように空中に座する《銀色の騎士》が光を放つ左手を突き出したままヴィーチェとリンネに視線を向ける
「ヴェル殿、あれは…」
「…わからん。多少の変化ならともかく全くの別物に変化する《神器》なぞ聞いた事が無いぞ」
(『漆黒の全身鎧』が『銀色』に…しかも形状も変化しておる、やはり防御特化型か?)
「ルゼルキウス…既にこの二人は殆ど戦力外だ。《転位門》を潜らせてやれ」
(《転移門》周辺が意図的に損傷が少ない所を見ると狙いはガルディア城…おそらくはあの連中との合流だろうな。
ルゼルキウスには近くまで来ている奴の足止めをしてもらわねばならん以上、《剣聖》と《魔女》は《転移門》の向こうにいる《人形》に相手をさせるのが良策だな。
条件付きとはいえ『王国四強』が揃えば《人形》一匹ぐらいどうにかなるだろうしな)
一瞬の光を放ち鎧が『銀』より『黒』へと戻ると足元に転送の魔法陣が出現してゆっくりと黒騎士を呑み込んでいくが
その言葉にルゼルキウスと呼ばれた魔獣よりもヴィーチェとリンネの二人が怪訝に反応する
「「!?」」
(ッ…《転位門》を庇って戦っているのがバレているというわけですか…ヴェル殿!)
(うむ。随分と舐められたものじゃな…しかし、こちらはラピス達の救出後の脱出が完全勝利条件!
こちら側の安全も確保せねばならぬ以上はこやつらを放置する事も出来ぬ!)
「…アルジサマ、ヨロシイノデスカ?」
「構わん。ガルディア王は毒で死の淵にある。
宰相は《人形》に成り果てて城の連中を殺し回っているし、これでガルディア王国は潰したのも同然だからな。
城全域に効果を及ぼしている《封鎖領域》の試作型も起動自体は確認済みだ。
弱りきったこの二人があの三人に力を貸したとして、《人形》相手にどこまで戦えるかを見物するのも一興だ。」
「…《封鎖領域》に《人形》じゃと?
はん!どうもろくでもない事ばかりしておるようじゃな?」
(リンネ!どのくらいまで回復した!?)
「…私達を見逃して後悔しなければ良いのですけどね?」
(流石に時間が足りませんね…節約しないとすぐに枯渇しそうで、陽動ぐらいにしか役に立てなさそうです)
ヴィーチェとリンネが、魔獣と黒騎士を睨み付けるが…
「…後は任せるぞ。その二人は通して構わないが他の連中は足止めをしろ…引き上げるタイミングは任せる」
魔獣に指示を与えた黒騎士は返事を待たずにそのまま魔法陣に呑まれて消えていく
「…トオルガイイ、《剣聖》ト《魔女》ヨ。イソガネバテオクレニナルヤモシレヌゾ?」
「…リンネ、行くぞ」
(この物言い、ラピス達も危ういかもしれん!
ならば、まずは救出してからこちらに戻ってトーマ達とも合流すべきじゃ!)
「っ…わかりました。」
(高位魔族の予想外な介入があったとはいえ、己の未熟さが悔やまれる…)
『思考共有魔法』により行動指針を決めたヴィーチェ達は魔獣に注意をしつつ《転移門》へと走り出す
「アンズルナ、ワレラノモクテキニキサマラハフクマレテイナイ…ジャマヲスルナラベツダガナ」
「目的…ですか、それは」
「構うなリンネ!トウマ達なら問題無しじゃ、ウルリカも居る以上こやつ相手なら有利に戦える!妾達は妾達の目的がある以上ここで止まってはおれぬ、行くぞ!」
(もう少し、こやつの体力を削っておきたかったが…魔力の大部分を消耗させただけでも御の字と考えるべきか…ウルリカ、後を頼むぞ?トーマとミューレは任せた!)
「…はい!」
(トーマ殿の桁外れな気と多重封印されているとはいえ龍帝殿のお力なら高位魔族相手でも遅れは取らないでしょう…目的とやらが何なのか気になるところですが今はヴォルフ殿とラピス殿の救出を!)
ガルディア王国城門への道に通じる《転移門》を起動させると、ヴィーチェ達がすかさず向こう側へと駆け出して行くその瞬間
「グオオオオオオオオオオオッッ!!!」
疾風のように飛び込んできた一匹の蒼く巨大な狼が同じく巨大な猪の魔獣に飛びかかる姿を眼に写す
「「なっ!?」」
(お、狼!?…にしては)
(なんつーデカさじゃ!?)
脱字&加筆修正しました。




