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第5章『父娘、救出・後編』幕間~ガルディア四強対黒騎士①~

加筆修正しました!

[ガルディア城:謁見の間]



「………強い」

「…あぁ…強いね、彼」



…今、この瞬間ほど私は私自身の眼を認めたくないと思ったことはありません。


父様…ヴォルフ=マーベリックは《剛剣王(バスターブレイカー)》の二つ名を《七剣匠(セブンソード・マイスター)》様より拝命した大陸屈指の剣士の一人です。


なのに……



ガキィン!



「ぬん!はぁっ!」

「…っ!ふっ!」



キィン!ガキィン!



「チッ、おぉぉぉっ!!」

(この男…強い!戦技だけでなく(プラーナ)使()えないのはお互い同じ条件…だというのに、腕力が互角…技量では俺が押し負けているだと!?)



そう、多少の不利など剣一本で幾度もひっくり返してきた父様が攻めあぐねている姿など久しく見ておりません。



…ですが、それも納得できているのも事実です。

何故ならば私の横で膝をつきつつも戦意を失わずひたすら敵である《黒騎士》に威圧(プレッシャー)を浴びせ続けている傷だらけの少年…



「…お怪我は大丈夫ですか?」

「ん?大丈夫…出血と傷こそ多いが急所は避けているから。

これぐらいで泣き言を言ってたら《戦鬼》の名が泣いてしまうからね」



そう…傷だらけの少年の名は《戦鬼(オーガ)》と恐れられるラース=リカルド様。

才気溢れる(プラーナ)の保有量と天賦の才たる格闘センス…見た目は華奢な少年(実は成人男性らしいですが本当でしょうか?)ですが、国内でもリンと父様に並び立つ武勇の持ち主です。


恥ずかしながら何故か私も含めてガルディア四強などと呼ばれていますが…私は魔術師で接近はからっきしだから頭数に数えられても困ると言っても…リンには何故かいつも笑われています。



「……ラース様、私…父様がここまで苦戦するのはラース様やリン以外では初めて見ました…」



目の前で繰り広がる文字通りの剣と剣の激突

…あの《黒騎士》が何かしたのか(プラーナ)を用いる行動全てが封じられる結界を広域展開されているらしく父様は本来の強さが出せません…。



「そうだね、どうやら…流石の体力バカのヴォルフでも厳しいか。まぁ、僕でもこのザマだしね…」

(諦めたくはないが…このままでは3人纏めて殺されるかもしれないな…やれやれ、リンネなら剣技だけでもいけるだろうけど……いや…ちょっと待て?)



「ヴォルフ!僕も手を貸すから全力でかかるぞ!」

「ラ、ラース様!?」



突如、立ち上がったラース様が父様と《黒騎士》に向けて走り出す間際私を一瞬見る



「ラピス!城を出て《転移門(ゲート)》に行け!エルトリンデと合流して身を隠すんだ!こいつの狙いはミューレとその《神器(アーティファクト)》、そして君だ!」



「え!?」


「意味が解らん!どういうことだ、ラース!」


「説明する暇は無い!考えろヴォルフ!この《結界》は(プラーナ)をほぼ(ゼロ)まで抑え込む!なのにリンネが不在(・・)(タイミング)を狙われたんだぞ!ラピス!呆ける暇など無い、急げ!」



「は、はい!!お二人とも、お気を「《虚空転移》」…つ」



ドスッ



「か…はっ…」

「「ラピスッ!?」」



《黒騎士》へ飛び掛かり父様に加勢するラース様の一喝に慌てて身を翻し駆け出した瞬間、私は…



(父様…ラース様…すみません。……リン、ヴェル…ミュー、ウル…クルツさん)




薄れゆく意識の中、皆の名を呼んでいました……。






〔???〕





「…………っ」

(痛っ…私はいったい…此処はどこ?確か…)



痛む頭を撫でつつゆっくりと意識を覚醒させていくと次第に視界と最後の記憶から情報をゆっくりと集めていく



「私は確か…父様を助けに城へ、そしたらラース様が…傷だらけで…何故か父様が誰かと戦っていて…いたた、頭がズキズキしますね」



「…起きたか」

「…!?その声、父様…ご無事でしたか!?ッ!?いたた…」



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