第5章『父娘、救出・後編』第4話~ミューレVSヴィレッタ~
お久しぶりです(汗)
2…3ヶ月ぶりの更新となってしまいました(滝汗)
く、詳しくは活動報告にて!
〔ミューレ/ヴィレッタ視点〕
(この人…思っていた通り強い!今まで戦ってきた《翼狩り》の人達とは格が違いすぎます!)
〔まさか私と半融合状態のミューレとここまで魔術の応酬が出来るなんて…現代の《魔術師殺し》は大したものですね〕
《魂》を持つ上位《神器》その中でも傑出した魔術特化型を持つミューレとメルキュールの攻めを《才能》1つで凌ぎきるヴィレッタは間違いなく一流を超える逸材。
そして、その逸材を相手に五分五分の戦いを演じるミューレもまた逸材である。
そしてミューレの次なる魔術は更なる次への牽制と時間稼ぎの役目を果たしていく
「【風よ集え・岩をも砕く・一打を放て】!『風打烈破』!」
「『魔力霧散』!」
顕現した魔術から身を守るのが一般的に知られている防御魔法であり、下級魔術師でも使うだけなら出来る代物である…が
魔術を構成している根源である魔力を強制的に干渉する対抗術式は使い手を選ぶ希少技術であり、どんな名の知れた魔術師であろうと世間で賢者の二つ名を与えられた者であろうとも『才能』が無いと使うことすら出来ない修得が限られる特殊魔法だ。
ゆえにミューレは勿論だが《翼の魔女》の二つ名で知られるヴィーチェですら使うことは出来ない。
攻防問わず魔術の総てに対して『特効』補正がある対抗魔術の才を秘めていた事が発覚したヴィレッタは、11歳の時に傭兵として戦争へ初陣。
成り行きではあったが敵軍の魔術師部隊を一人で壊滅まで追い込む戦果を出して、少数しか存在しない《魔術師殺し(ウィザード・スレイヤー)》を与えられた一人として勇名を轟かせた歴戦の兵である。
そんな対魔術師戦において一流の兵であるヴィレッタの個対個での基本戦術は、一度術式を打ち消した後に相手が術式再発動を行使する前に距離を詰めての接近で終わらせるか、魔力霧散を繰り返して術者の魔力枯渇もしくは精神疲弊を待ってから仕留めるのが常套手段なのだが……
「ふぅ…とっくに20回は過ぎてる筈なのに…全く、下級混じりとはいえ殆ど中級…それも制御の難しい魔術ばかりをこれだけ発動しておいてまだ枯渇しないなんて…どれだけ魔力を保有してるのよ?全く…厄介な娘ねぇ!高位の《神器保持者》はこれだから…っと!
【技能解放】・『二重詠唱』!【魔力よ・力を阻む・盾と成れ】『魔法障壁!』」
ヴィレッタが手を上にかざすと防御魔法が二重に瞬時に展開、そして続くようにミューレの魔術も完成と同時に発動し展開された障壁に大量の氷柱が雨のように降り注いでいく
「【冷気よ・水よ・集い混ざりて・凍てつく矛と成り・天より降り注げ】!『氷柱雨』!…私達の魔法をここまで凌ぐ貴女も大した厄介さ、だと思いますよ!」
(メル様!次は『絶対氷結領域(アブソリュート・フィールド』をお願いします!)
〔ふむ…そろそろ決着を着けるのですね?わかりました。では私も奥の手の一つを使うとしましょうか〕
攻撃魔法を防御魔法で防ぐものの、直撃を避ける時間稼ぎにしかならず…ヴィレッタは障壁が砕かれる前に身体強化を施し回避に徹する事で難を逃れるものの次々と魔術を放つ少女に防戦一方を続けていた…
「…ここまで苦戦するなんて思ってもみなかったわぁ……ふふ、世の中は広いわねぇ…本当に大したお嬢ちゃんだこと。さて…こうなったら是が非でも決着を着けなくちゃ女が廃るわよね?
さぁ、私の《秘奥》で決着を着けてあげる!
…【集いし魔力よ・我が言霊に従え・我が眼に宿るは《魔を殺す呪い》・《理》の全てよ・霞が如く・塵も残さず・無へと帰れ】
『霧散領域広域展開』!」
〔この術式の波動はまさか……
ふむ…敵にしておくには勿体無い対抗魔術の使い手ですね…充分に超一流の領域に到達しています。正直、ミューレの護衛に欲しいくらいですが…今は退けるべき敵である以上こちらも力を尽くすのが礼儀…。
原初の魔法使いの一人として、《夜天の王》の力の一端、お見せしましょう!
【我は根源に至りし者・魔典・聖典・原典を修め・原初を生み・終焉へ導く者・我が理の片鱗を以て・奇跡を破る奇跡を此処に】!
《神魔核:不変の刻印》を『付与』
……【雪華の女王よ・命を喰らう寒波の扉を開き・女王を害する不遜なる者に・断罪の場を与えん・我は望む・汝が魔剣を・我は求む・静寂の裁きを此処に】!〕
「……え?あの、メル様!?これは違う魔法ですよね!?……ッ《永久凍結世界》!」
(えぇッ!口が勝手に術式言語を!?…ていうか、コレは《神魔滅殺魔法》じゃないですか!?何をしてるんですかメル様ぁ!?)
〔……予想以上に強かったから、つい……〕
(つい…で使う魔法じゃないです!明らかに致死確定ですよぉ!?避けてお姉さん!むしろ無効化してぇ!!)
〔あ、それは出来ないと思いますよ〕
(…………ぇ?だってあのお姉さんは対抗魔法の使い手…)
刹那に巻き起こる現象、ミューレを中心に一瞬で展開・瞬時に超広範囲に拡がる魔法陣…そして魔法陣からは氷の刀身が次々と出現、触れれば確実なる即死を与える超絶魔法は本能的に対人…それも一人に対して使う威力ではないことは誰が見ても思うことだろう…
あらゆる魔術師と対峙し葬ってきたヴィレッタだが…こんな一軍、いや城の1つは楽々と飲み込めそうな津波のような氷の槍剣を産み出す魔法なんて見たことも聞いたこともなかった…
…だが、彼女にとっては
「…ッ!?うそ…何よ、この魔法!?」
《奥の手》を使うも驚愕するヴィレッタ
そして冷や汗が止まらないミューレとメルキュール
「メ、メル様…?発動を中断したのに術式が止まらないんですけど?」
相方の切り札発動を顕現直後に中断するが止まらない現実に唖然とするミューレ
〔…発動する際に消費した魔力分が消化しきるまで数秒かかる…かな?〕
(…………メル様)
「対抗魔法が効かない!?……くっ!」
あっさりと自身の切り札が通用しないのを見て理由を解明するよりも即座に自己強化術式を最大出力で解放し即座に脱出を試みるが…目前まで迫った津波から人が逃れられるわけもなく
「……我ながら健闘したほうだとは思うけど…せめて、あの宰相は殺しておきたかったわね」
呟いた一言を最後に《魔術師殺し》ヴィレッタは氷の波に呑み込まれ…
「お姉さん!?ダメ!!」
〔ミューレ!〕
ミューレもまた氷の世界へと飛び込み姿を消していくのだった……。




