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第4章『父娘、救出・前編』第9話~作戦確認、だけど危険は未知数~

やや時間は遡り、冬麻達はリンネの道案内でガルディア王国軍が駐留している拠点へ向けて移動していた……



「最初に優先するのは転移門(ゲート)の確保…だっけ?」

「うむ。奴等(ガルディア)の狙いが神器保持者(ミュー)の強制連行&戦争利用(ろくでもないこと)だと知った以上、普通は一族総出で遠くへ逃げるのじゃが……今回は真逆の策を取るのじゃ!内容は至って単純(かんたん)

逃げ出している筈の御宝(ミュー)が目の前に出てきて、相手側が多少は驚くと良いなぁ…くらいのつもりで奇襲を仕掛けつつ、そのままミューを囮にしている間に少数精鋭がどさくさ紛れでガルディア王国近くに繋がっている(と思われる)相手側の転移門(ゲート)を一時的に強奪し、城に軟禁されているであろうマーベリック父娘を救出するのじゃ!」

「……幾らなんでも私の扱いが雑すぎです、ヴェル…」



ヴィーチェの発言にミューレがややショックを受けつつ、もとよりそのつもりだったのか反論せずに囮自体を引き受けていたのは流石に物分かりが良い優等生(ミューレ)であった。



「それと!最悪、ヴォルフの爺は見捨てても構わんのでラピスを優先とするのじゃ!」

「二人とも助けようよ!?」

「ヴェル殿!?」

「あはは♪」



若干、本気(マジ)で発言するヴィーチェにミューレとリンネが慌てて突っ込む様子にウルリカが爆笑する



「とはいえ…問題は人数差(あたまかず)じゃ。しかも妾達は不殺(ころさず)を貫かねばならんから尚更厄介でのぅ…いくらミューが狙われてるとはいえ、相手を一人一人殺す訳にはいかぬ。仮にもリンネの仲間達じゃからのぅ」

「御気遣い(かたじけ)ないヴェル殿。ただ、あちらにはクルツと、その部隊が居ますから…こちらが行動を起こせば直ぐに呼応して味方になってくれるでしょう」

「うむ。クルツの実力なら問題ない、ウルと二人でなら安心してミューを囮に出来るのじゃ……あとは…」

「……ええ…残る問題は1つ、ですね」



ヴィーチェとリンネが意味深に微妙な顔をするのをミューレとウルリカの二人が反応する



「……ヴェル、リンネさん?」

「ん?まだ何かあるの?」



訝しげにする二人(ミューレとウルリカ)に対し二人(ヴィーチェとリンネ)はため息をつきつつ答える



「アルベルトの奴が妙な事をしていなければ良いのじゃがなぁ……と思ってのぉ」

「私もです……アルベルト殿は良く言えば二重三重の備えを常に持とうとする策士のような性格なのですが……」

「…悪く言うと?」


「自身が手に負えない結果になる事すら予測できずにひたすら悪足掻(わるあが)きするタイプ…ですかね?」

「…あれは文不相応(おのれのうつわ)を知らぬ阿呆じゃよ。ゆえに(ヴォルフ)から勘当されたんじゃろう?」

「…………幼い頃は将来有望と言われてたそうですが」

「止めよ。昔は昔、今は今…こうなった以上は仕方なかろう。何にせよ、2度と身内(ミュー)に手を出すことが無いよう………ガルディア王国全域に《魔女》ヴィーチェ=エルトリンデの恐ろしさを叩き込まねば、のぅ?くっくっく…」

((こわっ!?))

「お、お手柔らかにお願いします…ヴェル殿」



悪い顔をするヴィーチェにミューレとウルリカは怯え、リンネは慣れているのか苦笑いしつつ民への影響を考え減刑を願うが…どうするかは当人(ヴィーチェ)のみぞ知る…である。



………ちなみに冬麻は周囲の会話を意識の外に追いやり、足元にのみ注意を傾け転ばぬようヴィーチェ達の後を追いつつ《龍帝(レーヴェ)》から《神器(アーティファクト)》の基礎知識と《神威解放》について話を聞いていた………



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