プロローグ④
……正直、これは…これだけは使いたくないんだが、あの状態になった義母さん相手では逃亡する事は不可能!瞬時に組伏せられるのは実体験済みだからな!なので打てる手は1つのみ!
「……聞いてくれ!義母さんっ!」
大丈夫だ!今ここには俺達しかいない!誰も見てないから!俺が耐えれば問題ないんだ!
「…………」
うん。あからさまな無言が地味に怖い!
しかし、義母さんの直感力を侮って禁句を言いそうになった俺が悪いのは確かだ!
千鶴から教わった「美冬母さんに言っても思ってもいけないワード」の1つだったのを忘れていたのだから……こうなるのは必然だな…
しかし、こうなった以上は手段を選んでもいられない!有事に備えて(これも千鶴から)教えて貰った「冬麻兄さんに言って欲しい実行して欲しいワード」(あいつは人に何をやらせる気かマジで問い詰めたい)をやるしかない!
「…な、何だか急に義母さんの肩を叩きたくなったんだけどダメかなぁ!?」
ピタリ
よし、動きが止まった!
義母さんは親子間のスキンシップが大好きだからコレでイケるはず!
小学生の時にはこれでおさま…
「…………肩を叩くだけなの?」
ったけど、今回はダメか!?
「……」
「ふーん……冬麻さんの気持ちはその程度かぁ……ふーん…」
やばい、冷や汗が……思い出せ!千鶴に見せられたノートに書いてあった内容を!
「……い、いやいやまさか……ひ、膝枕もしてあげたくなったし?」
ビクッ
「い、一緒に買い物にも行きたいなぁ…」
「……冬麻さん、高校に入学した時、友達に見られたら恥ずかしいから出来れば地元は勘弁って言ってたけど…?」
一言一句違えず、よく覚えてますね!
くっ、ならこれでどうだ!
「っ…か、義母さんは綺麗だから一緒にいるところを同級生に見られたら…からかわれるのが照れくさかっただけだよ!」
シュウゥゥゥ……
あ、オーラ(?)がしぼんで……何か萎みすぎじゃないかコレ?
「……本当?私ね、あの時…冬麻さんに嫌われたのかと思ったのよ?傷ついたのよ?」
よ、よし…とりあえずは暴走モードは解除された…けど、ここからどうすればいいんだろう…?
「…俺が義母さ
「美冬」
「かあ…
「美冬、よ」
どうやら名前呼びしないとダメらしい…。
「…俺が美冬を嫌うわけない…っぐはぁ!?」
「冬麻さん!!愛してます!!」
段階がすっ飛んだぁぁぁぁぁぁ!?
つか、タックルか今の!?初動が全く見えないノーモーションからのタックルって避けれねぇよ!?
「うふふ……トウマさん♪逃がしませんよぉ~?」
…あー…なんかもう……
「ふふ…うふふ…千鶴の居ないこのタイミングこそ!主より賜りし好機!」
………うん…いい加減話を……先に…ねぇ?
「トウマさん!!今こそ愛し合う二人の愛の結晶を
ブチッ
「………え?」
「さかんのも大概にしろぉぉぉぉぉ!!!」
「きゃ!?」
「っ…美冬!そこに座れ!今すぐ正座しろ!」
「ひゃ、ひゃい!」
「説明!何で俺はこんな所にいて、何でかあさ
「美冬だって…ひぃ!?」
思わず睨んだら…義母さんが涙目になったが今は後回しだな…うん。
「……何で義母さんは天使っぽい姿なんだよ!?それに千鶴は!?とにかく場所と状況の説明をしてくれよ!今日は千鶴の誕生日なんだぞ!?……俺らがここに居るってことはアイツは今、家で一人ってことだろ?悪ふざけはやめて早く帰ろうぜ…?」
「………トウマさん…」
俺の捲し立てるように放った言葉の直後、涙目だった義母さんの顔が一瞬でなにやら暗い表情になった…………なんでだ?
さて、次でプロローグは最後(の予定)です。
冬麻や美冬が居る《白い空間》は何処なのか?
自称、天使リュミエールを名乗る義母である美冬の真実の姿とは?
義妹である千鶴の安否はどうなっているのか?
そして、いつになったら異世界に降り立つのか?(いや、ほんとにいつタイトル回収するんだ?と思われても致し方ないなぁ……うん)
……ぐだぐだですみません(汗)