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第4章『父娘、救出・前編』第4話~何事も計画的に!←ココ、重要②~

「むぅ…まだ弄り…いや、何でもないのじゃ。今は時間の余裕があるかすらわからんからの、トーマで遊ぶ…げふんげふん!…何でもないのじゃ♪」

「アンタ、隠す気ないよなぁ!?」



上機嫌のヴィーチェに対し冬麻はさんざんからかわれた故にうちひしがれていた…帰ってきた龍帝(レーヴェ)にも気づかないほどに、である



「ねぇ、ヴェル?私とミューでこっちの連中(アルベルトとモブ)を仕留めれば良いんだよね?」

「…こうなった以上、私も《神器(アーティファクト)》を用いて戦闘に臨みます。…リンネさん?出来れば、相手側の戦力を教えてくれませんか?」

「勿論です、ミューレさん。今回の遠征で私が知る情報をお話しします。」



一方、リンネと残留組(ウルリカ&ミューレ)はアルベルト率いる第1~第3の残存部隊と戦う為にまずは情報を、とリンネのもとに居た


「………いいの?貴女、それなりの立場にあるんだよね?私達に話すってことは仲間を売る行為になるんじゃないの?」

「…ウルリカ殿」

「ウル…」


ウルリカの真剣な瞳にリンネは改めてウルリカとミューレに向かい合う



「国に忠義を尽くす騎士としてならば…あってはならぬ行為でありましょうな。愚直にただひたすら命に従う…つまりは、ミューレ殿を連行するために邪魔する全てを斬り伏せねばならない…………ですが、私はヴォルフ団長の盟友であり同志、その娘であるラピス殿とは…ある契約をしています。それを果たす為に私はガルディア王国に身を置いているのです。」

「………ある」

「………契約?」



「そうです。ゆえに…傭兵騎士団総隊長(このようなかたちだけのたちば)などに未練などありません、そればかりか子息とはいえアルベルト殿の愚策を王命として我等に命じた以上……私が取るべき道は一つしかありません。」



「………ごくり」

「リンネさん…」



「やれやれ………どうせ、単身乗り込んで暴れるつもりだったんじゃろう?だが、クルツに説得されて…まずは妾に助力を、と…こんな感じかのぅ?」

「なぁ…それって、無謀なのか?…ガルディア王国がどんな国か知らないが……リンネなら二人を助けるくらい余裕だと思ったんだが?」

「規模が違うからのぅ…騎士総勢三万以上に魔術師総勢一万以上、兵士だけでも総勢七万は超えていたはずじゃ」

「…奇襲でなんとか、でもチャンスは1度だけ…か、なら確実を期す為には信頼できるメンバーだけでの少数精鋭…なるほどな」



支度を終えたヴィーチェと冬麻が、リンネ達の話に加わりつつウルリカとミューレに準備を急がせる。

………先の戦いでヴィーチェが全滅させた兵士達から使えそうな武器を集めたり、集落のトゥール族達に拠点移動の連絡、ウルリカ達が倒したジオ達の保護など…地味に細かい事だがやることはあるのだ。



「あ~…倒した人達なら集落で拘束してるよ?」

「拠点の移動なら私が族長代理として命じておきましたので問題ありません」


ウルリカとミューレが交互に連絡を始める…どうやら駆け付けるのが遅れたのは事前にすべき事をしていた、ということらしい



「武器回収も、こっちに来る前に近くまで持ってきてるよ?回収出来たのは長剣が5本、短槍が2本…あ、短槍2本と長剣2本は私が使うからね?あとはヴェルの魔法で砕けてたから拾わなかったよ」



ウルリカの言葉にヴィーチェが眉を潜める



「む…少ないのぅ。妾は魔術と(コレ)があるから、問題は無いが…」

「私には、この刀…『三日月』があるので問題ありません」

「…みかづき?もしかして三日月宗近?」

「よくご存じですね?『三日月』は師の形見として託された私の愛刀なのです…それに、一応《神器(アーティファクト)》なのですが………私が未熟な為に《神威解放(しんいかいほう)》が出来ずにいるのです」



「……しんいかいほうって?」

「「え?」」

「「?」」



………ヴィーチェとリンネが冬麻の言葉に驚き、ウルリカとミューレは言葉の意味が解らずにいた。



「っ待てぃ!?ウルはともかく、ミューは何故に首を傾げたのじゃ!?《神器(アーティファクト)》の知識は教えたじゃろうが!!」

「え!?えと…」


視線をヴィーチェに合わさずミューレは苦笑いをし始める…



「……この騒ぎが終わったらもう一度勉強じゃ!わかったかミューレ!!」

「ひぃ!?」

「ミュー、頑張って!」

「馬鹿者!お主もじゃ、ウル!!お主に教えた回数は軽く十回は超えとるわ!?」

「ひ、ひぃ!?」



ミューレとウルリカの情けない声が連続で続くも冬麻の問いに答えてくれる人は………



〔やれやれ…ようやく話しかける機会が来ましたね〕



「その声…龍帝(レーヴェ)!?」

「む?レーヴェとは誰じゃ?また女か!?」

「レーヴェ…?先程はレーヴェリア、と……あ」



〔ただいま戻りました、トウマ様…宜しければ私が説明しましょうか?〕

(…と、そうだな)



「…トウマ殿?レーヴェとは…もしやレーヴェリア=アーマライト=クロムウェル様…でしょうか?」


「え?あ、あぁ…確かそんな名前だったかな…」

〔…自信が無いとは…情けないですトウマ様。減点ですね〕

(いきなり点数制!?)



「やはり…《始祖たる龍帝》…ならば、私とクルツの動きを止めたのは《咆哮(ハウル)》…もしくは《龍魔法(ドラゴンスペル)》…?」

「…《咆哮(ハウル)》で正解。《龍魔法(ドラゴンスペル)》は使えない、というか知らないな」



冬麻の答えに一瞬考える素振りを見せるリンネだが、すぐに冬麻を再び見る


「…そうでした、トウマ殿の《神器(レーヴェリア・レガシィ)》はまだ覚醒したばかりでしたね。ちなみに…龍帝(レーヴェリア)様と直接話すことは可能ですか?」



「え?えーと…」

〔可能ですよ〕


「…出来る、って言ってる」

「!…どうすれば良いのですか!?」

「近い近い!?落ち着けリンネ!」



返答するや瞬時に詰め寄るリンネに冬麻は慌てふためく



〔………………ふふ♪〕



「あ、すみません…つい」

〔………トウマ様の手を、話したい相手の心の臓に当てれば話せますよ?〕

「ん?なんだって?相手の心の臓に手を当てる?」

「!!…こうですか!?」


レーヴェの言葉をオウム返しのようにそのまま呟くとリンネが一瞬で行動に移す


むにゅ



「っな!?」

「「「!」」」

「どうです!?聞こえますか!龍帝(レーヴェリア)様!」


硬直する冬麻とミューレ達………と、爆笑する龍帝(レーヴェリア)(声が聞こえるのは冬麻だけだが)



(待ってぇ!聞こえるのはリンネの心音だけですから!?って、柔らかいなコレ!?あ、いや違っ!)



〔あーはっはっは♪流石はトウマ様♪期待を裏切りませんねぇ♪〕

(レーヴェェェェェェッ!!?)



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