第4章『父娘、救出・前編』第1話~まずは現状確認①~
第4話開始!
目標はマーベリック父娘の救出!
「…………」
ふと、冬麻の意識が《精神世界》から
《異世界》へと唐突に戻る
例えるならスイッチを切り替えたかのように、アチラからコチラへ、違和感は無く…不調も感じず……
(ていうか…気持ち良い?)
最初に感じたのは、ふと沸き上がる気持ちよさ
「……!」
「!?」
「~~!!」
まだ寝惚けてるのか…誰かの声…誰の声なのかまでは理解できず、言葉の詳細までは聞き取れてないが……
「むー!むぐぅ!?」
(何か意識がハッキリしてきたら、同時に息苦しさもやってきたんですけど何故!?死ぬの!?このまま窒息死、しちゃうのか俺!!?)
〔…そんなわけないでしょう?顔を無理矢理動かしてごらんなさい〕
(龍帝?)
〔……《恩恵の付与》に暫く集中するので音信不通になりますけど…そのぶん、期待してて下さいね?貴方に相応しい一品に仕上げてみせますから…フフフ♪〕
(いや、普通で良いんだけど……つか、孤独野郎言うな)
〔フフフ……フフフ……♪〕
(……まぁ、何だ?その、戻ってくるのを待ってるから…しっかり頼むぞ、レーヴェ?)
〔…………レーヴェ?もしかして…私の、愛称ですか?〕
(えっと…ダメか?気に入らないなら…)
〔…………いいえ。しかと受け取りました、旦那様♪〕
(ごしゅ…!?いや、ちょっ!)
〔冗談です♪では、トウマ様…でいかがでしょう?あぁ…俄然、やる気がみなぎってきました…では、《安綱》の付与に戻りますが……〕
(ま、まぁ…旦那様よりは名前で呼ぶなら良いんだけど…)
〔トウマ様、先程の言葉を撤回します。〕
(…ん?)
〔頭と手を『動かさないで』、『脚だけを』ジタバタさせると良いでしょう……ふふ♪では、暫し行ってきますので…〕
(あ?あぁ…頼んだ、レーヴェ)
〔…………〕
〔………………〕
〔……………………〕
「……」
(さて……脚をジタバタさせりゃ良いんだよな?つか、結局この柔らかいのは何なんだ?まぁ、良いけど…)
「んぐっ!」
(こうか!?)
バタバタ!
「きゃっ!?」
「あ、やっぱり起きてた♪さっき、声が聞こえた気がしたんだよ!」
「馬鹿者!なら、さっさと離れぬか!!」
(…最後の声、ヴィーチェか?他の二人は……聞き覚えはある…もしかしてミューレとウルリカか!?)
「トーマ!気が付いて良かった!」
「トーマさん!大丈夫ですか!?」
「~!~~っ!?」
(…何か前にもこんな感触を…つか、息が出来ない…!)
「ミューレ=トゥール!」
「ひっ!?」
「ウルリカ=リッケルト!」
「は、はぃ!?」
「離れろ…そう言った筈じゃが、妾の言葉が聞こえなかったか…?」
「「ひぃぃぃ!?」」
ドタバタ!
「「は、離れました!」」
「…ウム」
「ぷはぁ!?……はぁ、はぁ…あ~苦しかったぁ…ありがとな、ヴィーチェ?」
「なんの、気にするな…無事で何よりじゃよトーマ」
ようやく視界が広がり、空気を目一杯肺に取り込み…また吐き出していく
「それに…ウルリカ、ミューレ……無事で何よりだ」
「まっかせてよ!ちゃんとミューは護ったからね!!」
「トーマさん、怪我は魔法で治療しましたが…どうですか?」
冬麻はゆっくりと起き上がり手首や首回りの具合を確認すると、立ち上がり全身の確認をすると呟く
「大丈夫だ、これなら…また戦える」
「トーマさん…?」
「ぬ?」
「ん?あのカタナ女と戦うの?ウルリカがやろうか?」
「…………。」
リンネはチラリと冬麻を見るが、沈黙を保つ…冬麻はヴィーチェを見て問いかける
「そうじゃないんだ、ウルリカ…。
ヴィーチェ…敵は、まだミューレを狙ってくると思うか?」
「来るじゃろうな。ミューが宿す《神器》は一度に数千人を瞬時に癒す、戦争利用しやすい『奇跡』を秘めておる。少数部族を滅ぼし《神器保持者》を手に入れる為に騎士団を1つ、潰したとしても確保が出来たなら今後の他国との優位性は揺るがぬからの…まぁ、人形のように操る為には…人質として何人かは囚われるかもしれぬが」
「…………ッ」
「ッ!?ヴェル!そんな言い方しなくても!」
「ウル…取り繕ってどうする?トーマが知りたいのは『現実的問題』であって『希望的観測』では無いのだと理解できぬか?」
ヴィーチェの言葉にウルリカが怒り、ミューレは哀しみの表情を浮かべる
「ッ!?なら、私がガルディアって国を潰せば…!」
「無理じゃ。ウルの《神兵》は時間制限付きの能力…万一、出来てもそんな危険な存在…他国が見逃す訳が無かろう?すぐさま諸国連合が結成され、結局…一族は皆殺しになるのぅ」
「…………っ!」
「…なら、私が投降して大人しく従ったなら…どうなの?」
「…………リンネ、どうじゃ?おぬしの意見を聞かせてくれ」
「ヴェル!ミュー!何を言ってるのさ!?」
ヴィーチェの問いかけにリンネはゆっくりと立ち上がるとヴィーチェ達三人に向き直る
「……投降しても無駄でしょう。後々、ガルディアお抱えの暗殺部隊を差し向け時間をかけて…ゆっくりと殲滅すると思います……ヴォルフ団長とラピス様がいたなら国の暗部連中もやり込めましょうが…囚われている以上、私やクルツも表だって動けません…」
「……だ、そうじゃ?満足かの、トーマ?」
「十分だ。…リンネ、さんに聞きたいことがある」
「呼び捨てで構いません…何でしょう?」
リンネを含めその場にいる全員が冬麻を見る、そして冬麻はある方法を打診する
「…『正体不明の不審者』が突如、ガルディア王国を相手に大暴れ……しかも城の中のあちこちで騒動なんて起こされたら、兵士をかき集めるだろうから牢獄の警備は最低限しか残らないよな?なら……拘束されている父娘が誰かの手で助け出されても、すぐにはバレないよな?」
「え?」
「……トーマさん?」
「トーマ?」
「ほぅ…」
リンネ、ミューレ、ウルリカがポカンと口を開け…ヴィーチェが何かに感心し、ニヤニヤし始める
「……一人でやるのか?」
「一人で、だ。でないと…成功しないだろう?」
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