家族の間にも気付けない思いはあるものでございます
お昼寝したら6時になってました!どうも作者です!
前回大暴れ宣言しておいて、今回はまったく暴れられませんでした!
もう小出しすら許してくれません!なんなんでしょうか!
そんな優等生すぎる第7話、ご覧ください!
11時37分
もうじきレイが昼食に呼びに来るだろう
でも、正直食欲はわかない
まさか父さんがあんなことを言うなんて………
「どういうこと!?百歩譲って、それらが地球の外の星にあるから取りに行くってのはわかるけど、なんで父さんが!?」
「私が惑星開発に手を出していることは知っているだろう?今回その植物があったとされる星は、私が目を着けていたものの1つなんだ」
「それって………」
「つまり、その星に関しては周りの人間よりいくらかは詳しい。と言っても、ほとんどのことはまだ未解明だけどね」
「…!それって、何が起こるかわかんないってことじゃないの!?」
「………………その通りだ。当然、最悪の事態も覚悟しなければならない」
「いやだよ!!」
父さんが死んでしまうということは、任務そのものが不可能であり母さんが助かる手立てが無くなってしまうということだ
そしたらただ1人残される私はどうしたら良い?
「………いやでも行かなくてはならないんだ。今回の任務は、冗談抜きで地球を救うためのものだからな」
「それでも!」
「誰かがやらなくてはならないんだ!!」
「ヒッ!」
………うつむいていた父さんの顔がこちらに向いたとき、父さんの目はかすかに潤んでいた
「私だって………私だって行きたくはない!あたりまえだろう!苦しんでる妻を残して!まだ16の娘も残して!死ぬかどうかもわからない任務なんて行きたいものか!………だが」
「…………うぅ」
「………だが、仕方ないんだ。どうかわかってくれ」
………だめだ
………こういう時の父さんは絶対に引き下がらない
………なら
「………じゃあ………ってよ」
「うん?」
「私も一緒につれてってよ!」
「「!?」」
「いいでしょ!?1人くらい増えたって」
「なっ!?バカなことを言うな!これは遊びじゃない、死ぬかもしれないんだぞ!」
「父さんも母さんも死んじゃって、1人ぼっちで生きてくぐらいなら一緒に死んだほうがマシよ!」
「だめだ!それにろくに知識も経験も力も無いのに、未開の星に行って何ができるというんだ!」
「知識も経験も無いのはみんな同じでしょ!さっき父さん言ってたじゃない!まだほとんど何もわかって無いって!」
「それは………」
「それに知識なんて無くても雑用くらいなら出来る。こき使ってくれて構わない!迷惑だけはかけないから!」
「いい加減にしなさい!そんなワガママが通ると本気で思ってるのか!」
「………………通らないなら」
「………………」
「通らなくて1人ぼっちになっちゃうんなら」
「………!」
「1人で生きなきゃならなくなるくらいなら!今すぐあそこの窓から飛び降」
「お嬢様、申し訳ありません」
「なにン!?」
レイに押さえつけられたハンカチの匂いを嗅いだ私は、そこで意識を失った
目を覚ました私はガムテープで手と足を拘束され、自分の部屋のベットの上にいた
「………!?な、何よこれ!」
「お目覚めになられましたか?」
声の方を向くと、レイが苦々しい表情で立っていた
「ちょっとレイ!どういうつもり!?早くこれ外しなさい!」
「申し訳ありませんがお嬢様のその状態を見るに、まだ外すことはできません。もうしばらく頭を冷やしていただきます」
「ふざけないで!ていうか父さんは?父さーん!助けてー!」
「旦那様はもう行ってしまわれました。この状況は事前に旦那様に伝えてあります」
「………そん…な」
まだ父さんを説得しきれて無いのに!
もう少しでなんとかできたかもしれないのに!
「許さない…許さないわよレイ!あんたなんか大嫌い!」
「……申し訳ございません、ですが、あの状況ではこうせざるをえませんでした」
「こんなことしたって無駄よ!あとでもう一度電話でかけあって、それでもダメなら本当に死んでや」
バシィッ!
………言いかけた瞬間、レイが私の頬をはたいた
「…!いった、何すんのよ!」
「やはりまだ反省なさっていないご様子。これでは拘束を解くことはできません」
「反省?私が何かいけないことした!?」
「先ほどから、自分の言い分が通らなければ自害するとおっしゃっていますが。それを聞いた旦那様のお気持ちをどうお考えですか?」
「………………それは」
「旦那様はこうおっしゃっていました。自分が適任だから無理をしてでも行かなければならない、と」
「それってつまり、私を置いて行くことを、仕方ないって考えてる証拠でしょ!?じゃあやっぱり」
「しかし、いくらなんでもそれだけを理由に行くとは考えにくい。適任は旦那様でも、それに勝るとも劣らない人物は存在するでしょう。ならば自分が財閥の当主であり指導者であることを理由にすれば、断ることは別段難しくは無いはずでございます」
「だから、結局は私を」
「それなのになぜ、旦那様は行くことを決心なさったのでしょう?」
「それは………世界中の人を救わなきゃっていう使命感じゃないの?」
「それもあるかもしれませんが、なによりも」
「…………なによりも?」
「なによりも、奥様を救うために決心したのではないかと思われます。自分の愛した女性を死なせないため。お嬢様の家族を取り戻すために」
「………………………!」
「………旦那様が私に仕事を与えるために連絡をする際、いつもお嬢様のことを気にかけていらっしゃました。自分がなかなか会えないから、寂しい思いをしているんじゃないかと心配しておられました」
「………………」
「そんな最中、奥様が感染し、仕事を手伝わせると偽りお嬢様と引き離すことになってしまい、結果お嬢様を1人にしてしまったと悲しまれていました」
「………………父さん」
「旦那様は行きたくないとおっしゃっていましたが、本当は率先して行こうと働きかけたはずです。これがもし成功すれば、奥様が戻って来れる、ひいてはお嬢様を1人にしないで済むのですから」
「……………と…うぐっ…さん」
「それなのにお嬢様は、あろうことか1人にされるくらいなら死んでやるとおっしゃられました。1人にしないために今まで奮闘してきた旦那様に対して。これがどのようなことか、もうおわかりですね?」
「…ひっ…うぐっ………うっ」
知らなかった……
父さんは仕事で忙しくて会えないっていつも私に言うけれど、本当は私なんかに会いたくないからだと思ってた………
私には楽しかったあの言い争いも、父さんからしたらただめんどくさいだけなのかもしれないって………
でも違った………
父さんは、私達のことをちゃんと愛していてくれたんだ………
それに気づかないで私は………
私は………
「わ……たし…は…うっく……ただ………ゔん………どうざんが死んじゃうかも…て………ひっく……だがら………」
「………………………」
レイは無言で、私の手足のガムテープを剥がし始めた
「………ご理解いただき、ありがとうございます」
「ひぐっ………ゔ……」
レイがすべてのガムテープを剥がし終えたとき、私は堪えきれずに、レイの腹に飛びついた
「うあ…うあ~~あ~!ん~!ゔ~~~!!」
「………………」
レイは、ただ黙って私が泣き止むのを待ってくれた
その内側に秘めた思いを決して口にすることなく
第7話を読んでくださった方々!ありがとうございます!
それにしてもやっぱり、なんたかんだ言ってハルちゃんは女の子、泣くことだってあります。それを優しく受けとめてあげるレイ君!うらやましい!
………………………………
さ、さて!前回の後書きで1話だけ挟ませてくださいと言いました!
言ったからには次回でかなり大きく動きます!
読んでくれている方々は楽しみにしていてください!(あんまりいないだろうけど)