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お嬢様は冒険の旅に出られるようです  作者: カツオ節のタタキ売り
5/11

お嬢様、どうか私の話を聞いてください

日が明けました!どうも作者です!

なんと!今確認したら、ブックマークが着いていました!

本当にありがとうございます!感謝感激雨あられです!

これからも、もっといろんな方々に楽しんで頂けるように頑張ります!



7時10分


私がいくらか落ちついてから、最初に話し始めたのは隣に座ってきた父さんだった。


「しかし驚いたよ。まさかハルにあそこまで知られていたとはね」

「………………………うん」

「どうしてかは聞かないよ。大体は想像がつくしね」

「………クスッ」

「?……どうして笑っているんだい?」

「いや、本当にわかってんのかなーって」

「ハハ…ひどいなぁ。これでも財閥の当主なんだぞ?」

「にしてはスゴい庶民じみてるけどね」

「なんでだい?」

「だってさ。コーヒーの選択肢が両方とも缶コーヒーってどんなお金持ちなの?」

「おいおい、缶コーヒーはスゴいんだぞ?最近それに気づいたんだがもう少し早く気づいていたら、父さんは迷うことなく事業に取り入れていただろうな」

「これ以上種類増やしたら日本から他の会社なくなっちゃうよ?」

「そこは企業努力さ」

「あ、逃げた」

「ハハハ……なんでかな、取引先には負けたこと無いのにハルにはいつも負けるのは」

「娘だからでしょ?」

「それしか無いな」

「あはははは……」



こんなに柔らかい口調で話す父さんはいつぶりだろうか………

いつもは、淡々としてて、それでも意地っ張りだから私相手にムキになったりして、結局さっきみたいなくだらない言い争いをして、私に負ける。楽しかったし、それが普通だった。

だから、こうして肩を並べて普通の親子のようなやり取りはなんだか新鮮で、叶うものならずっとこうしていたいと思った。


………でも、父さんは立ち上がってしまった


「………………さて、そろそろ時間も近づいてきた。本題に入ろう」

「………うん」

「レイ、もう出てきていいぞ」

「はい」


そういえばレイの姿が無かったな。私達に気を使ってくれたんだろう


「………ありがと」

「……いいえ」



「まずは謝らせてくれハル。こんな大事なことを今まで黙っていて、本当にすまない」

「………………大丈夫だよ。さっき言ったけど、レイに調べさせて大体のことはもう知ってた。………信じたくなかったけどね」

「………言い訳をするつもりは無いが、私は悪意を持って黙っていたわけでは無い。ハルがこのことを知ってしまえば、確実に悲しみ、絶望するだろうと思っていたからだ。

………ハルに、そんな思いをして欲しくなかった」


その考えは全くもって正しい。事実、私が初めてこのことを知ったときは、5日間ろくに食事を取らなかった。


………しかし


「気持ちはわかるけど、流石に無責任なんじゃない?父さんのもくろみで言えば、私がこのことを知るとしたら………母さんが死んだときになるよね?」

「………ハルが知るとしたら、確かにそうなる」


もし本当にそうなっていたら、私は親子の縁を切っていただろう。

当然だ、許されることでは無い。


「………………最悪の場合、そういうことになっていた」

「………………最悪の場合?」


このとき私は、すでになにかを察していた。

でも、さっきとは何かが違う。

これは……もしかすると……


「確かに、ハルが自分から調べずに私の口からこのことを聞かされるとしたら、そういう状況になっていたかもしれない、だが」

「………………………?」



「逆に言えば、母さんが死なずに済むなら、私はこのことは一生話さなくても良いと思っていた」

「………………………」


なにをバカなことを!たかだか3%強に全てをかけて黙っていたって言うのか!?

そう思って、言わなかった。内面とは裏腹に私が発した言葉は


「………やっぱり、あるんだね?」

「………………ああ、そうとも。あるんだ。決して高いとは言いきれ無いが、それでも母さんが無事に助かることができる可能性が!」


瞬間、私は心の中で歓喜した。

本当はずっと苦しかった。母さんはもう助からないとほとんど諦めていた。それでも待った。何故なら、


「しかし、やっぱりということはそこまで察しがついていたということなんだね?一体どうして?」


「………レイが……レイが聞かせてくれたの。もしかすると、母さんは助かるかもしれないって」

「レイが!?」

「………………………」


そう、何故ならレイが、諦めるにはまだ早いかもしれないと言ってくれたからだ


「レイ、どういうことか説明しなさい。ハルのことが見ていられなくなって、一時的に安心させようとしたというならただじゃおかないぞ!」

「……いいえ。確かに、絶対という確信を持つまでには至りませんでしたが。可能性は高いと思っておりました」

「だから何故だ!?」

「パソコンです」

「……ほう」

「先程、お嬢様もおっしゃっていましたが、ある日を境に旦那様の隠し書斎からパソコンがなくなっております。そのある日とは、スケジュールによるとNCGM、国際医療研究センターにて、日本医療の代表者の1人として各国の代表者とテレビ会議をする日になっております。その際、研究データの一部としてあのパソコンを持って行かれたのでしょう」


「……その通りだが、それがどうかしたのか?」


「私が気になったのは、何故今でもなくなったままなのかということです」


「………………」


「ただデータとして持っていっただけならば、用事が済めばもとの場所に戻すのが普通でございます。しかしそれをしないということは、何か戻せないような理由ができたという風に想像できます」


…………うん、そうなのかな?私にはさっぱりわかんないよ?


「一般的に理由として考えられるのは、誤ってパソコンを壊してしまった。USBメモリ等にデータを移したため余分な機器を破棄した。等、様々なことが思い浮かびますが、真っ先に思いつくのは、隠し場所を変えたということでございます」


「…………確かにその通りだな、普通はそれを考える」


「ではどこに変えたのでしょうか。自宅内の別の場所というのは考えにくい、申し訳ありませんがこの屋敷にあの隠し書斎以外の隠し部屋は無いか無断で調べさせていただきましたが、どこにも見つかりませんでした。つまりあの書斎以上の隠し場所は、この屋敷には無いのです。それなのにそこ以外に隠そうとするのは無駄に危険性を高めるだけでございます」


「ふむ……では自宅外に隠したと言いたいんだな?しかし、それならもっと特定しづらいんじゃないか?言うまでも無いが、外は広い」


「いえ、そもそも場所まで特定する必要はございません。必要なのは自宅外にあるということと、何故今さら隠し場所を変えたのかということでございます」


「え?どうして?」


「我が一宮邸の警備レベルは世界的財閥の当主の自宅ということもあり、一般の警備会社の比ではありません。そんなただ屋敷に入るだけでも大変なのに、そのうえ意図的に隠された場所にあるものを盗みだすなど普通は無謀なことでございます。いくら金銀財宝があったとしても、盗みだす気にもならないでしょう。そんな度を越して安全なはずの隠し場所からわざわざ場所を移すということは、それ相応の事態に発展したということでございます。例えば…………」


「…………例えば?」


「例えば、自分より身分が上であるものに隠し場所を変えるように命令された。さしずめ、総理大臣レベルからだと思われます」


私はこのときすでに、おぼろげながら確信があった。そして期待を込めてこう聞いた


「………どう…して?」


「はい。お嬢様がおっしゃる通り、大切なのは何故そうなったのか。これはもうほとんど決まりでございます」


「…………そのパソコンに入っている情報の重要性が、大きくなった、から?」


「その通りでございます。ではその情報はどのようにして重要性を増したのか。それは当然NCGMでの会議で新たな情報を得たからでしょう」


………レイがこの屋敷に務めて1年になる


「問題の内容ですが、悪いものではないと思われます。すでに、死亡率96.8%という絶望的な数字がでているのにこれ以上どうしたら重要性を増やせるでしょう」


………本当によくできた執事で、これまでも何度も助けてもらったし、何度お礼を言ったか数えきれない


「そしたら消去法で、良いものということになります。それも国家機密になるような」


………………でも改めて言わせて欲しい


「それはすなわち………」


………私に希望を持たせてくれて


「新しい治療法かと思われます」


「………………その通りだ」



ありがとう







第5話を読んでいただき、ありがとうございます!


前回の後書きで、こんな展開にしたかった理由を説明するといいましたので、説明させていただきます。

それは、主人公たちにハッキリと目的意識を持って欲しかったからです。私、まだまだド素人の枠にすっぽりおさまってますので、目的もなくグダグダやっていくと、今以上に迷走してしまうと思ったんです。レールを引いておきたかったという風に解釈していただけるとありがたいです。ゴメンなさい情けなくて(笑)


さて!新事実発覚!レイは探偵にもなります(笑)

てかこんな作品だったっけ?冒険は?

現在進行形で迷走しまくってますが、どうか見放さないでね!

それでは、第6話でお会いしましょう!よろしくお願いします!

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