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レキタス識界

レキタス・クオルムに呼ばれて

作者: fmn

異世界召喚といえば、足元に魔法陣、世界観は中世ナーロッパ、イケメンもしくは美少女、瘴気か魔王あたりの殲滅を命じられ、チートで世界を救う、というのが定番。

でもさ、異世界って異なる世界じゃん?なんで現実の地球に寄せた「あんまり異ならない世界」の話ばっかりなのよ?


…と思って、全然異なる世界を創ってみました。異なりすぎたかもしれん。

意識がはじけたのは、たしか通学路の交差点だった。


次の瞬間、「私は存在していなかった」。

重力も、時間も、言語も、色彩すらも存在しない空間で、ただ「意味」を「定義」しようとする「欲求」に似た何かだけがあった。


空間に「震え」が生じた。空間の揺れではなく、意味の軸の振動。

その「震え」が終わるとき、わたしは「解像」された。


あたりには建築物も地面もない。見えるのは、果てしない「思考模様」で構成された空間。

数式のようでもあり、言語のようでもあり、そもそも思考や存在が「視覚化」された状態だった。

音はない。だが聞こえる。「これは音とは限らない」とわたしの思考が訴える。


やがて、無数の槁線カウスたちが集まってきた。

棒のような形状をしているが、「それ」が自分の背後を通過すると、「かつての私の記憶」が一部失われる。


そして、ある「意思」がわたしに向かってきた。

それは音声ではなかった。「意味の振動」であり、「構造の補完振動」。

だがそれは確かにわたしに問いかけた。


「定義を提示せよ。おまえの在り方に関わるものを」


問いの意味がわからない。だが、直感で答えた。


「わたしは、わたしで、いたい」


その瞬間、空間が「震えた」。わたしの形が固定され、言語が復活した。

「意思」が満足気に言った。


「《識体メニファクト》召喚確定」

「《na》が砕けた。第四環の《翻律》が乱れている。おまえのような『未定義』の存在が必要だ」

「第四環裂層、翻律再構築工程に転送」


何を言っているのか全く理解できなかった。

ただ、「異世界召喚」されたのだということだけは、どうやら間違いない。

だがここには魔法陣もなければ、王も魔王も勇者もおらず、戦争も魔術もない。

あるのは「存在」という概念の仕組みそのものを調整する役割らしい。


わたしは「私」であることを忘れた。

あるいは、はじめから「私」は存在していなかったのかもしれない。

わたしの存在が世界に刻まれる。

それは祝福でも、運命でもない。

この世界が、「定義の外」に位置する存在として、世界を修復する欠片として、わたしを呼んだのだ。

世界の名は《レキタス・クオルム》。


世界がわたしを必要とするならば、わたしはこの世界に「意味」を与えるだろう。

あるいは、世界に「意味のない破壊」を与えるものになるのかもしれない。





ランクインしておりました。びっくり。こんなトレンドと真逆な作品を読んでくださって感謝感謝です。

いい夢見させてくださってありがとうございます。


62 位 [日間]ハイファンタジー〔ファンタジー〕 - 短編

32 位 [日間]異世界転生/転移[ファンタジー] - 短編

133 位 [週間]異世界転生/転移〔ファンタジー〕 - 短編


調子にのって連載にしてみました。

と言ってもまだ長い文章を書く力はないので、物語のガワを作るくらいが目標です。

下のURLか、シリーズ一覧からお越しください。

https://ncode.syosetu.com/n1986kx/

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