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1000通りの計画  作者: Terran
第六章 クリムワイエの黄金姫
35/99

魔術学院入学試験 3




[260]

 学院長室でお茶を飲みながら、水晶球から投影される試験の様子を見守る。

 ここは学院内にある塔の上層階。階下に職員室や会議室があり、一階の職員室を除けば教員以外で出入りするのは外部からの賓客くらいなものである。


 遠見の水晶球とは別に、私個人も学院内の各所に配置した分霊を通して試験会場を観測している。

 ヒルデやアルトは勿論だが、入学後に関係しそうな子女達のチェックも怠らない。

 ちなみに姉ドルセーラや皇太子息トフィアスは私と同様に特別枠で試験は済ませている。

 プロシアの様子から観てどちらも合格なのだろう。

 特別枠の受験生は合格は当然として、実力を正確に測るためだけに試験を受けているのが実態だ。


「リヴィア。試験の最中ですが、この間の論文について問い質したい事が有ります」


 私は身分を隠した別名義で魔術協会に登録し、必要な偽装の為に魔導具技師としていくつかの発明品を登記しており、ついでに魔導師としての論文も公表している。

 私の他にも転生者の魔術師は多数居る筈なのだが、それらしい論文は一応見掛けるものの、どうにも素人くさいというか、前世の知識から来るであろう発想を組み合わせただけの子供騙しの内容ばかりなのだ。

 これが実に退屈で、偶に突拍子も無い論文も有るのだが、しょうもない内容か勘違い、果ては完全に事故物件な理論で、検証の必要すら無い紛い物が横行している。

 正しい内容の物はどれもこれも私が目を通すより以前に自力で実証済であり、目新しい要素が見当たらない。

 仕方がないので理論上は正しいが、技術的な問題で検証が困難な理論や、誤認し続ける事が損失となる内容を否定する論文等をサービスでちょくちょく発表しているのだが。

 プロシアはおそらく目を通したそのいずれかに対して忠告ないし、内容の確認をしたいのだろう。

 心当たりが有り過ぎてどれの事だか解らない。


「あら、間違った理論は書いていないつもりなのですが、問題でもありましたか」

「貴女が派手な内容を避けて細々とした理論から、既存の解釈へ光明を指し示し、自ずと正解へと導き出せる様にと配慮しているのは理解しています。

ですが、これは大いに問題が有ります」


 プロシアが机の上に置いたのは属性に関する論文である。

 はて、これは間違えたままでは今後の魔術の発展に多大なロスが発生すると思ってやむを得ず書いた物だった筈なのだが。


「必要なことでしたので、これで世界は修正されると思いますよ」

「ええ、確かに世界は修正されますね。魔術協会どころか歴史ごと」


 何をそんなに危惧しているのだろうか。


「残念ですがこの内容をすぐには発表させられないので、登記前に私が差し押さえました」

「ふふ、何かお考えがあるのね。発表時期に関してはお祖母さまにお任せするわ」


 あくまでも論文は私なりのサービス。

 それを活かすかどうかはこの世界に暮らす人々次第、その為に時間が必要というのなら仕方がない。

 これが世に出なくとも私の損失には繋がらないので緊急性は低い。


「いずれは然るべき手順を踏んで公表しましょう。大きな問題は他には有りませんが、改めて学院を観て何か質問したい事があれば今の内に聞いておきなさい」

「ではお祖母さま、私は本当に武術の授業は見学だけで良いのかしら」

「多少の体力作りは構わないとは思いますが、貴女は身体が強くないのです。無理をして授業内容を選んで参加するより、一貫して見学という形にする方が煩わしさも無いでしょう。それに前例もあるので特に気兼ねする必要も有りません」


 ここ数年は病気一つしていないのだが、未だに幼少期の虚弱体質を理由に運動は控えさせられる。 

人知れず過保護にされる分には問題は無いが、流石に学院内でもそれを通すのはやや無理があるのではないだろうか。


「その理由では遠征や演習にも参加しないことになってしまうわ」

「ええ、遠征や演習は長距離の移動も含みますから参加せずとも構いません。試験で必要となる場合には移動に別の手段を用意すれば済みますから」


 いやいや、生徒全員が試験の為に自力で移動している最中に、一人だけ会場まで送迎で現れるとか物凄く悪目立ちすると思うのだが。


「まあ、トフィアスさまもご自身で移動しているのに私だけ馬車だなんて、きっと悪い噂になってしまいます」

「では他に良い方法でも有りますか?」

「送迎は他者の力を使うのが心象として問題なのですから、『転移魔法』を使えば自力での移動だと認識していただけます。

というわけで、『転移魔法』の研究をする許可をください」


 場所の移動に労力や運動エネルギーを消費するのは前提であり、そこに不公平が生じるから良く思われなくなる原因となるのだ。

 だが『転移魔法』ならば少なくとも技術確立の労力と魔力消費が対価としてあるのだから、理屈の上ではどれだけ突飛でも不公平にはならない。


「それは駄目です。常識を学ばせる為の学舎で非常識を用いたのでは本末転倒でしょう。

常識になるまで、とまでは言いませんがせめて世界が技術を受け入れられる準備が整うまで控えなさい」

「そのための論文なのですが」

「……それは解っていますが、面倒なことにならないように手順が必要なのです。聞き分けなさい」


 溜め息をつくプロシア。どう考えても私の方が筋も通っているのは理解しているのだ。

 天空人の教育では嘘を許さず合理性を重んじる、理屈に合わない事を殊更に嫌う傾向があり、私に転移魔法を研究させない事はそれに抵触する。

 いや、ということは逆説的に、天空人側の都合で転移を研究されると困るということでは無かろうか。

 ふむ、少し調べてみるか。


「ふふふ。論文が通らなくて少しいじわるをしてしまいました。ごめんなさい」

「いえ、リヴィアは悪くありません。

ただ、この世界が未熟なばかりに貴女の自由を奪っているのを不甲斐なく思うばかりです」


 プロシアは嘘を付けない。この言い訳も苦しい所だがギリギリなのだろう。


 人神領域での聖戦の大勝で束の間の平穏こそ保っているが、世界は依然として危機に瀕している。

 人々は更なる躍進を求めているのにも関わらず、歴史の都合で成長を停滞させ、その停滞を打ち砕く提案を呑めないと言うのだ。

 実に理不尽である。

 それが世界の選択というのであれば緩やかに滅びようと仕方がないが、一応それを回避する道も提示しているので手遅れになろうとも既に私の責任では無い。

 私は慈悲深く優しさに溢れているが、根腐れを起こさせるほど甘くするつもりはサラサラ無いのだ。


「でしたらこうしましょう。間を取って、私の移動は常に浮遊ですれば良いのです」


 両手を合わせて朗らかに提案する。

 プロシアが却下した理由は『転移魔法』という手段であり、移動の労力や運動エネルギーの消費に不公平の生じない別の方法があれば問題にはならない。


「それはいけません」

「何か問題はありますか。これなら皆と共に移動もできますし労力においても公平ですよ」

「リヴィア。理屈の上ではそうですが、そのドレス姿で浮遊をすることが問題なのです…」


 ん、ああなるほど、それは大問題だ。


「では椅子ごと浮遊しましょう。それなら何も問題ありませんよね」


 暫く二人は無言になり、椅子で浮遊移動する姿を想像した。

 理屈の上でも風紀の上でも問題は無いが、何というか絵面のインパクトが凄いな。


「……良いでしょう」


 許可された。良いのか。


「ありがとうございます。ふふふ。では専用の魔導椅子の手配をしないといけませんね」


 折角だから愛用の魔導椅子メーカーに特注してうんと素晴らしい逸品を造って貰おう。

 学院生活を送る三年間を共に過ごす相棒となるのだ、ここは妥協出来ない。


「リヴィア、目に威圧が籠っていますよ」


 おっといかん、ついつい浮かれてしまった。

 もっとも、魔術の学舎なのだから魔力での浮遊移動は許可されるだろうとは予想していた。

 実際、学院の敷地面積は広大で、魔導バスだけでなく上級生の移動手段として飛行術式も一部許可されているのだ。

 しかし問題は魔力の消費効率の関係で、ノロノロ長時間の浮遊を出来るほどの魔力を有している者が居ないのだろう。


 この世界の魔力は干渉し合う、故に人々は基本的に体内魔力を用いて魔術を行使する。

 浮遊魔術そのものは高度な技術ではないが、体内魔力のみで浮遊を維持するのは大変燃費が悪い。

 それに複数の魔術を同時に展開する事も魔力干渉の影響から困難である為、大抵の場合は魔導具で補助して浮遊するのが一般的である。

 魔導具ならば浮遊と推進力を別途に起動する事も可能なので、完全な自力浮遊よりずっと快適に、それでいて自力では難しい移動の速力も引き出せるのだ。


 一応は表向きの魔術の常識内に留める為に、魔導椅子そのものに浮遊効果や推進効果の機能を着けておくべきか。

 まあ、実際には椅子の導力も自分の魔力消費も無く偏在魔素(マナ)で浮遊移動していたとしても、事実として魔力を使って浮遊と移動を行っているのだから真実に気付く者は居ないだろう。

 日々を理法と異法の研究に勤しむ今の私にとって、限られた手法縛りで高度な技術を再現するのは、石器時代に現代の科学を再現するようなもの。

 これはこれでやり応えがある。


 念力(テレキネシス)で浮遊するのが一番楽なのだが、術式鑑定で解り易い答えが返ってくる方が周りも余計な事を考えることなく思考停止出来るだろう。




[261]

 どうしてこうなったのか。

 いや、十分に予測できた事態だったのだ。

 敢えてそれを後回しにしていたのは私である。


「では会議を始めます」


 理事塔の上層、関係者以外立ち入り禁止のとある一室にて、合格が確定した国内有力者とその子女による秘密会議が始まってしまった。


「まずは形式に則って軽くメンバー紹介と致しましょうか。王家より現王太子妃ルビリア様とそのご子息トフィアス様」

「ハアイ。皆も畏まらなくていいわよ、今は公の場ではないんだし」

「トフィアスです。よろしくお願いします」


 エストバース王国の直系王族、赤髪翠眼の母子。

 王太子妃という立場でありながら、同時に聖戦での現王家枠を担当する現役の大将軍、三児の母とは思えない程の若々しき美貌の大英雄ルビリア。

 大胆で際どくそれでいて動きやすい、ど派手な真紅のドレス姿で、表情や声色から明るく気さくな雰囲気を出しつつも、今回の会議の場を設けさせた張本人でもある野心家だ。


 その息子トフィアスは、控え目で大人しく礼儀正しい優しげな王子といった雰囲気である。

 あの家庭は母が最強で、次に長女ミストリアという序列が形成済で、男性陣は完全にマウントを取られている。

 まあ、我が家も似たようなものだが。

 どうにもエストバースでは身分が高くなるほど女性上位になる傾向がある、気がする。

 いや、私の周りだけか。


「続きまして、ファナリア大公家より当学院長プロシア様とその孫ドルセーラ様にリヴィアゼア様」

「学院長を務めさせて頂いております、プロシアです。大事な要件と聞きましたから参加しましたが、入学試験はまだ初日、明日以降もあるので手短にお願いします」

「ドルセーラです。試験直後でお疲れの方もいらっしゃいますし、お祖母様の意見に賛成です」


 何かそれっぽく言っているが、ドルセーラは早く帰ってゴロゴロしたいだけである。


「ご紹介預かりましたリヴィアゼアです。ふふ。これから何が始まるのかしら」


 基本的に私は無礼が無ければ大抵の事は許容するスタイルなので会議そのものは否定しない。

 それにヒルデやアルトはまだ試験中で暫く暇なのだ。

 何を話すのかは解っているが、こうした機会でも無ければ顔を合わせる事も少ないだろう面子なのは確かなので様子を探らせて貰おう。


「リヴィアちゃん、少し見ない間に随分と大きくなったわね。

ねえ、そろそろうちの息子を貰ってくれないかしら?」


 他の家族が居る前でも隙あらばグイグイ来る。

 トフィアスは家柄も品性も申し分なく、聞き分けも良さそうだし性格も良い子だとは思うのだが、残念ながら全く興味がない。

 表情や態度には出さないがね。


「まあ、ではこの集まりは父兄参加型のお見合いパーティーなのかしら。ふふふ。これが噂に聞くサプライズ企画というものなのですね」

「やだもう、リヴィアちゃんもこういう事にちょっと興味が出てきたのかしら?

今なら息子二人から選び放題よ、何なら両方でもいいけど。状況が状況だけに即決するわ」


 二人でノリノリに冗談を言い合う。

 ちょっとルビリアの目が獲物を観る肉食獣のそれを彷彿させるが、きっと冗談の筈だ。

 周りが何だか、二人が怖い話を始めたと言わんばかりの表情をしている気もするが、冗談なので本気にしないで欲しい。


「コホン。ルビリア様、お戯れはその辺りに。他の方々のご紹介がまだですので…」

「私はいいのよ、お見合いパーティーでも?」

「ルビリアいい加減にしなさい、その話は済んでいる筈ですよ。ザナックは気にせず紹介を続けて下さい」


 恩師であるプロシアに叱られて不満そうな表情をするルビリア。

 この場でルビリアより明確に発言力があるのはプロシアだけだろう。


「では、続きましてヴァンスターク侯爵家よりゼライド様とそのご子息シャリオン様」

「はは、ルビリア様とリヴィア様は気が合うようですな。改めてこのゼライド、此度の場に席を設けて戴き皆様に感謝を述べさせて戴きたい」

「シャリオンです。父共々宜しくお願い致します」


 ヴァンスターク家は代々王立学園に通っていたのだが、今回は事情によりシャリオンは魔術学院へと入学する運びとなった。

 本来は中立派閥の筈なのだが、どういう訳か最近のヴァンスターク家は何かにつけてやたらとファナリア大公家というより私に接近したがる。


 あと私とルビリアの気が合うように視えるのは大変な誤解である。魔眼になると目が曇るのだろうか。


「続きまして、ロットクロス伯爵家より第一王女セレノア様とそのご子息アルヴィン様」

「セレノアと申します。第一とは名ばかりの王紋を持たぬお飾りの王女でしたが、こうしてご招待頂けた事に感謝を。

今は一介の伯爵夫人として扱って下さいませ」

「アルヴィンです。その、私なんかがここに居ていいんでしょうか…」


 ロットクロス伯爵家は地位こそ伯爵位だが、エストバース王国でも指折りの歴史ある由緒正しき貴族の家である。

 長い歴史の中で陞爵して家名は変わったが、遡ればエストバース王国の建国以前から名を連ねていたれっきとした旧貴族の重鎮なのだ。

 歴史の長さから爵位以上の影響力を持っている。それは第一王女が嫁いでいる事からも真実なのだろう。


「最後に私、当副学院長のザナック・モールグランツです。宜しくお願い致します」


 王家、大公家、中立侯爵家、旧貴族家という錚々たる顔ぶれでの秘密会議。

 先程は冗談として言ったが、お見合いというのはあながち間違いではない。

 とは言っても初々しい物ではなく、実権を伴ったあからさまな派閥お見合いだが。


「はは、アルヴィン殿もそう緊張なされずとも、この場で一番場違いなのは王族に名を連ねていない当家の方です故」


 プロシアは天空人とエルフの両王家の血を引き現王弟ジェラルドの妻。

 ライドラスとオクタヴィアもエストバース王家の血を引くのだから、当然隣で目が死んでいるドルセーラも他国であれば王位継承権を持っていてもおかしくない身分だ。

 ルビリアとトフィアスは言わずもがな。

 セレノアは王紋こそ持たないが次期国王の妹で、その嫡子のアルヴィンも王紋さえあれば間違いなく王位継承権持ちだったろう。

 確かにゼライドの言う通りヴァンスターク家だけ王家の血は入っていないが、今回集められた基準はそこではないということだろう。


「派閥よ派閥。これが例年の貴族同士なら親同士で勝手に決めるか子供達の自主性に任せるかの二択だけど、今回ばかりはそうも行かないのよねぇ」

「いつものルビリアなら強引に決めてしまいそうなのに、今回は慎重なのね。それともプロシア先生の発案なのかしら」

「ええ、正確には共同ですが、状況が状況ですので今年は特例の処置を取らざるを得ません」


 一学年にこれほどの権力が集中する世代というだけでも大変珍しいだろうに、これ以上まだ何かあるのだろうか。


「皇国がやってくれたのよ」

「皇国、それって…」

「最初は五日前にゼライド様から齎された情報でしたが、今朝王都へ到着したとの連絡を受け確信となりました。

それを受けて学院長とルビリア様は急遽この席を設ける事にしたのです」


 私の情報網に乗らない、という事は王室関係だ。

 一応の配慮と万が一の対策として王室に関わる案件への分霊派遣は行っていない。

 私の立場なら、黙っていてもいずれ王室関係の話は当事者になる。ので、自然に任せられる部分として干渉区域外としている。

 しかしこの空気、あのルビリアが慎重策を取る程の爆弾案件なのか。


「私としてはリヴィアちゃんがトフィアスかアディマートを貰ってくれると言ってくれれば、それで話が終わりでも良かったのよね〜」


 つまりルビリアからしてみればお見合い云々の話は割と本命だったのか、だとしたら。


 そうか、そういう事ならば今までの事も理屈が通るし、私が特別扱いなのも仕方がない。

 いやいや、流石にそれが唯一残った可能性であると推測出来るが、いやしかしそれを皇国側が許すとは考え難い。


「情報が確かなら、今朝王都へ到着した天馬車にはアルセンダルク皇国第三王子が搭乗していたとの事です」


 拙いな。でもまさか、本気なのか。


「つまり、勇者が学院へ入学します」






《余録》


「お嬢様!勇者樣ってどんな方なのでしょうかぁ」

「私も詳しくは知らないわ」

「あっ僕知ってますよ」

「ギルバート先生教えてください!」

「うんあのね、基本は前衛なんだけど、力や体力は戦士に少し負けてて、魔力は後衛に負けてて、回復とか補助も専門家以下だけどほどほどにできる凄い職業なんだよ」

「ギルバート先生」

「んっなになに?」

「それだとアルトの方が凄くないですか?」

「えっえっ、違うよ?そういうのじゃなくて、何でアルト君と比べるの?あと勇者は血筋とか選ばれた者だから凄いんだよ?」

「ん、血筋ならリヴィア樣も凄い。実力も大したことなさそう」

「ギルバート、ちゃんと説明してあげて」

「えっえっ、おっかしいなあ」

「お祖父さまとどっちが凄いのかしら」

「あ〜そうだ、ジェラルド樣と同じくらい剣も魔力も使えるんだよ、雷とか出すし」

「そ、それは凄いですぅ!」

「ん、だったら最初からそう言えばいいのに」

「ええぇ、あれえ…?」



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