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ラノベってなんぞや?

作者: 時田翔

 Web界隈に居ると、ラノベって言葉自体は良く聞きますけど、じゃあどんなのがラノベ? って言われると人によって範囲がばらばらで、なかなか明確な定義って見たこと無いなぁと思います。

 例えば僕の基準ではラノベは「スレイヤーズ」を初めとするコミック的な表現をする小説だと思ってるんですが、人によっては「ロードス島戦記」がラノベだったり「銀河英雄伝説」がラノベだって話も聞きます。

 ちょいと幅が広すぎやしないかと、じゃあどんなのをラノベって呼ぶんだろうと。


 で、色々考えた結果、ラノベはジャンルではなくて文体や語り方によるものではないだろうかという結論に達しました。

 もちろん、考え方はひとそれぞれだし、いやいや俺は違うと思うみたいな異論は大いに認めます。

 あくまで僕個人の考え方ですしね。


 要はどういうことかというと。

 人は生まれて、小さいときに絵本に出会います。

 次に児童書を読み、そこから文芸、古典その他へとランクアップしていくと思うんですね。

 これは、あくまで本に対する読みやすさの問題で、高尚とか低俗とかそんな話ではないです。


 で、問題なのがこの「児童書」と「文芸」にかなりの隔たりがあって、それこそ本を読むのが好きな人じゃないと、すんなり移行できてない気がします。

 親にいきなり小難しい伝記とか渡されて、辟易した方とか居ないですか?

 そこで出てくるのが、この「児童書」と「文芸」の橋渡しをするジャンル、これが「ラノベ」なんじゃないかと思うわけです。


 平易でわかりやすい文章。

 とっつきやすい語り方。

 まるでコミックのような自由な文体。


 児童書から、もうちょっと複雑な本を読みたい。

 そう考えたときに用意できる一品。

 そして、ラノベに慣れることで文芸ジャンルその他にステップアップしていける一品。

 これがラノベに課せられた役割なのではないかなと思うわけです。


 なので、ジャンルはなんでも良いです。

 頭空っぽにして読める、笑える作品。

 感情を激しく揺さぶってきて、泣ける作品。

 わくわくが一杯詰まった冒険物。

 読み終わった後に、ちょっと考えに耽るテーマを持った作品。

 ちょっとビターな恋愛。

 なんでもありです。


 読んだ人が「小説って面白いんだ、もっと読みたい」って思わせるもの。

 これを目指していければ良いんじゃないかなって思います。


 そうすると、ラノベだって書くの大変なんだぞって言いたい方もいるかもしれません。

 とかく、ラノベは書くのが簡単って言われがちですが、僕はこれは違うと思うんですね。

 例えば、技術系なんかでもそうなんですが、実は入門書はマニアを唸らせる専門書を書くより難しいです。


 なぜか。

 入門書は、文字通りこれから入門してくる人にわかるように書かなければいけないからです。

 言い方はあれですが、ど素人に教えるために最もやってはいけない事は、専門用語を振りかざすことです。


 専門用語だって趣味で付けられているわけではありませんから、それぞれきちんと意味があります。

 ですが、これをいきなり教えても相手はわからないわけですから、わかるように不必要な部分を端折ってデフォルメして説明しなければいけません。

 つまり、その物事について教える本人が必要不必要までしっかり分けられる程度に構造を理解していなければならないということになります。


 ちょっと話が脱線しましたが、ラノベも同じで、既存の書籍を色々読んで、小説に対する理解を深めて、その上でこれを不慣れな読者に伝えるにはどう書くかを模索していく必要があります。

 これはなかなかに大変な作業ではないかと思うのですが、いかがでしょうか?


 平易でわかりやすい作品を書くのは、簡単ではないのです。

 願わくば、小説投稿サイトで広がったであろう読者たちが、その人の好みに合わせて色んな小説をたくさん読んでくれて、小説を読むのは楽しいと感じてくれたなら嬉しいなと。

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