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Happy?バレンタイン

作者: 変な鯛

バレンタインという事で書いてみました。

「店長~お疲れ様です~♪」

「はいよ~お疲れ様~」

「お先に失礼しま~す」

「帰るの遅くなるなよ~」

「「は~い♪(笑)」」


夕勤のバイトJK達が揃って帰って行く。


俺はもう少し仕事が残っているので、それを終わらせたら帰宅する。




「さて…と、終わったから帰るかな」


「じゃあ、帰るよ」

「お疲れ様です~」


「横断幕が来てるから、悪いけど交換宜しくね?」

「わかりました」


夜勤の大学生に指示を出し駐車場に停めてある自分の車へ向かうと、近くにはさっき帰ったはずのJKがいた。


「ん?どした?忘れ物でもしたか?」


「忘れ物と言えば忘れ物かもしれないですね。店長、これ……」

言いながら小袋を渡された。


「……?おぉ、バレンタインだったな今日は」

フェアだ何だと準備してバタバタしていたら、当日だという事をすっかり忘れていた。


「……もぅ」

頬っぺたを膨らませて抗議しているが、可愛らしくてリスにしか見えない。


「……はは、すまんすまん。有難うね。家で有り難く神棚にお供えしておくよ」


「お供えしないで、今すぐ食べて下さいっ」

折角のプレゼントなのでお供えしようとしたら断られたあげくに今すぐ食えと?

「え?今すぐ?」

「はい、でないとホワイトデーは高級マンションを希望します」

「わかった‼️今すぐ食べるからッ‼️」

物騒な事を笑顔で言うなよホント。


「とりあえず、寒いから車に乗って。あ、別に何処か連れ廻すとかじゃなくて暖房入れるだけだから」


「…はい。………何処だって着いていきますけどね」

「?何か言った?」

「い~え、何でもないです♪」



「うわ~寒い訳だわ、外気温がマイナスだぞマイナス」


「道理で寒い訳ですね」

何故かニコニコしながら返事をしてくる。


暫くするとエンジンも温まったのか、ようやく温風が出て来た。


「よし、これで寒くないな。チョコ食べるか」

呟いた途端にJKの眼が光ったような気がした。


「頑張って作りました…」

「ほぅ、手作りか。なるほど女子力が高いなぁ」

折角なのでルームライトを点けて隅々まで見よう。


「まずはクッキー。大き過ぎず小さ過ぎず、丁度良いサイズで良いと思うよ」

様々な形をしたクッキーが数個、透明なラッピングに包まれた状態になっている。

「では、頂きます」

「…はい、召し上がれ」

ちょっと照れた感じで返事するのはポイント高いなぁ。

同級生なら一発でやられそうだ。

「うん、甘過ぎず薄過ぎず俺好みだなぁ」

「………(やったぁ♪)」

「…ん?」


「次は……これは、生チョコ?」

「はい、生チョコです♪」

「生チョコ手作り出来るのって凄いよなぁ。女子力高いよホント」

「えへへ♪頑張っちゃいました」

ちょっとドヤ顔になる。とても可愛い。


「食べるの勿体ないけど……うん、美味しい」

語彙力が足りなくて『美味しい』としか言えなかった。

まぁ、それでも充分に伝わったようだ。

今度、彦磨呂の表現を勉強するかな。


お、もうひとつあった。

ん……?これは……クッキー?

やけに凸凹して、なんか月のクレーターみたいな…。


「これは……お月様?」


まさかな~とは思っていたけどさぁ。


「はい。この前、学校の授業で夏目漱石を習いましたので……」

「わかった。ここから先は俺が言おう。月が綺麗ですね」

「死んでも良いわ」


「で、付き合うって事で良いのね?」

「はい、宜しくお願いします♪」


JKの彼女が出来たぞ~‼️

……捕まらないよな?






○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○




「………長、店長?」


「……んが?」

おっと、寝ちゃってたわ。

いかんいかん。


「はい、これ。バレンタインの」


「あ、ど~もです」


パートのおばちゃんから渡されたのはハート型になってるネギ味噌煎餅だった。


何か、夢では良い思いをしてたような気がするんだけどな~。



さて、帰るかね。

ロッカーを開けると、小袋があった。


「……おや?」

何だか何処かで見覚えのあるモノが。

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