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スキルツリーでダンジョン攻略  作者: 長岡金次
第一章 始まり
4/8

1-4 旅立ちの街


「ここから北にしばらく歩けば、「ボーン」という割と大きな街がある。

 王都に比べれば小さい街じゃが、近くにダンジョンがあるから、冒険者だけじゃなく探索者も多くおる街じゃ。近くに高ランクの魔物の出現報告もなく、ダンジョンもC級が最高位じゃから、「旅立ちの街」という別名もあるくらいじゃ。お主の最初の目的地としてはピッタリじゃろう」


「ボーンでは大体高くてもランクCくらいの冒険者・探索者しかおらん。

 加えて初心者も多くいるし、サポートしてくれるベテランも多くいる。冒険者稼業で生きていくには、信頼できる味方をたくさんつけることじゃ。お主がいいパーティに巡り合えることを祈っておるよ」



僕の最初の目的地は、「旅立ちの街」ボーンに決まった。

目標はCランク冒険者になること。

スキルツリーについても早く理解を深めたい。



そして、ハーゲンはパーティに所属すること…と言っていたが、僕はソロで活動するつもりだ。

危険なのは承知の上。それでも、他者から見れば異常な成長を見せることになるであろうスキルツリーシステムを、他人に絶対、知られる訳にはいかない。これを最優先事項にすることに決めた。

ハーゲンによれば、出過ぎた杭は打たれることもあるそうだ。具体的に言えば、恐喝からダンジョン内での暗殺まであるという。犯罪でバレれば死刑となるが、逆恨みなどからどうしてもゼロには出来ず稀に発生するのだ。


ソロになることで危険度は大幅に増すだろうが、隠密を最大限に生かし慎重に行動すること、情報を大量に仕入れていくことでカバーする方針だ。

それにソロならば小回りも利きフットワークが軽くなる。悪いことだけじゃない。

ソロで活動しつつ冒険者仲間と交流し、大きな獲物を倒したいときは、臨時パーティ募集があるだろうからそれを利用する魂胆だ。



あと、僕の仮説が正しければ、スキルポイントを割り振らなくても、経験値を積めば成長する。それも確定させたい。

…現在のステータスだが、あの後、INTの魔力に、2ポイントを振ってしまったが…それ以外には振っていないし変わっていない。


(魔力を吸う魔物がいて、吸われて魔力がなくなると気絶する、そんな経験談聞かされて、魔力スキル0は不安過ぎるよ…。

 魔法は使わなくても、魔力が極端に少ないとこういった魔物が天敵になる。

 将来的に魔法も使えるかもしれないし、これは必要経費だ)




「では、行ってきます。今までお世話になりました」


「うむ。健闘を祈る」



そう短い挨拶を済ませ、ボーンへと旅立った。

まだ夜が明けて1時間くらい、距離的には野営をせずともボーンに辿り着けるだろう。





2時間ほど歩いていた健人の生命探知と魔力探知に反応があった。

その方向に隠れながら進むと、一匹の魔物を見つける。


(あれは…ビッグボアか。本で読んだ通りデカイ…)


大きなイノシシの魔物がいた。高さだけで1.5mほどあるように見える。全長はその倍以上はあるだろう。

そして、気づかれているようだ。


(あいつはまだ狩ったことがなかったな。いい機会だ、やってやろう)


健人は気配を遮断し、ビッグボアの後ろに回り込む。

その間、気配を遮断したことでビッグボアが敵の姿を見失い、周囲を警戒していたが、やがて警戒を解き、木の根に生えたキノコを食べようとしていた。


(肉が分厚そうだが…ここだ!!)



背後から青藍で急所に一突き!

何が起こったのかも分からぬまま、ビッグボアは倒れ、生き絶えた。



(やっぱり隠密スキルの使い勝手は良過ぎる。気付かれないのは最大のアドバンテージだ…あ、レベル上がってる)



ハーゲンから習った通り、剥ぎ取り用ナイフで美味い部位を剥ぎ取り、簡易的な血抜き処理を行う。

3週間程だがしっかり叩き込まれた一連の動作を、死体の匂いに釣られて他の魔物が来る前に済ませて、またボーンへと歩き始めた。




それから数度、魔物との遭遇はあったものの、全て気付かれずに仕留めることに成功し、戦闘にすらならずに討伐。

レベルは最初のビッグボアでしか上がらなかったものの、一人でもやれる自信を持って、森を抜けた。


「街道がある。その先に見えるあの外壁が、ボーンか!日が暮れる前に辿り着けそうだ」



そしてさらに数十分進むと、ボーンの門まで辿り着いた。

既に夕暮れ時、門の前で並ぶ人はまばらだったため、すぐに自分の番となった。



「どのような目的でボーンに?身分を証明するものはあるか?」


「冒険者になるために来ました。親や身分を証明するものはありません。」


「そうか。ならば冒険者ギルドに寄って、ギルドカードを発行するといい。明日、またここに来て見せて貰えば大丈夫だ。一番大事なのは、死なないこと、生きること。生きていれば次がある。肝に命じて励むといい」


「ありがとうございます、そうさせていただきます」



こうして、「始まりの街」ボーンへと辿り着いた。


長嶺 健人

【ステータス】

レベル:11

年齢:16

種族:ヒューマン


【所持スキル】

[SP:6]

【DEX】

 隠密行動 3

  生命探知 1

  魔力探知 1

   障害物探知 2

  気配遮断 3

【INT】

 魔力 2


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