50 声
なんだかんだと遅れて行ってしまって申し訳ありません。
最近他のアイデアがぽんぽんと出てくるのでそちらを書きたい気もしますが、この作品を終わらせてから書きたい気もしてちょっと葛藤しています。
夜になり森に到着した僕たちは高橋君を救うべく探索を開始しました。
『辺りが真っ暗で何も見えないですね・・・』
白崎さんが周りを見ながらそう呟きました。
確かに周りは暗く、足元がギリギリ見えるかどうかという状況です、何か使えるスキルはないでしょうか。
「少し待って下さい、暗闇でも見えるようになるスキルがあるか探してみます。」
ステータスを見る際には灯りなどがいらないのが地味に嬉しいところですね。
それから数分の間探していると2種類の魔法を発見しました。
支援魔法を扱える付与術師の持つ魔法、クリアビジョン。
そしてもう1つは火魔術師の持つ灯火の2種類です。
ここは森ですし、クリアビジョンのほうが良さそうですね、早速皆に付与する事にしましょう。
「クリアビジョン」
僕がそう唱えた瞬間に周りがはっきりと視えるようになりました。
「おぉ、これは凄い・・・」
思わず声に出してしまいました
周りが夜なのははっきりとわかるのですが不自然なほどに周りがはっきり視えるんです。
新感覚ですね。
「それじゃあ皆にもかけていくね。」
こくん、と皆が頷いているのでそのまま全員に付与しました。
『なにこれ、凄い、違和感・・・』
美佳さんがそう言うと
『わ、私も違和感が凄いです・・・』
白崎さんもどうやら違和感が大きいようです。
『私も違和感感じるけどそこまでじゃないかも?』
遥は割と平気そうですね。
『私は平気ね、何か原因でもあるのかしら?』
「うーん、正直わからないかな?」
『あー、そろそろ大丈夫だと思う。』
『私も慣れてきました、ありがとうございます。』
『慣れると凄く視やすいですね、これ。』
白崎さんがそう呟きました。
僕もそう思います。
「皆慣れてきたようだし、遥、どっちに向かえばいい?」
『中心地の方に反応があるよ!まだ生きてるみたいだけど急いだ方がよさそう!』
どうやら近くに大きな魔物の気配もあるそうです、急いで中心地へ向かいましょう。
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「はぁ...はぁ...」
一体何時間走り続けただろうか。
もう足も重い、まともに動かせ無くなってきた。
周りも真っ暗でなにも視えないせいで何回も木に衝突した。
ダメージの蓄積もかなり危うい、それでも生きるためには走るしかない、とにかく走り続けろ、俺。
だが現実は甘くはないのだろうか
何かに足を取られ転んでしまった。
すぐに体勢を整えようとするが、一度転んだ事で足が完全にバテてしまったようだ。
こうなると数分はまともに立つ事さえ出来ないだろう。
もはや、ここまでだろうか。
『右に避けてください!!!!』
そう、声が聞こえた。
かつて俺たちが見捨てた級友の声が聞こえた気がした。
俺は咄嗟に言う通りに右へ体を逸らした。
さっきまで俺がいた場所にはクレーターのような穴が出来ていた。
今の声が無ければ
俺は死んでいただろう
でも、もう、限界だ。
俺は意識を手放してしまった。
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遥の案内で高橋君を見つけた僕達はちょうどゴーレムの攻撃を受ける寸前のところで彼の姿を発見しました。
思わず僕は
「右へ避けて下さい!!!!」
そう言って一気に前に駆け出しました。
僕の声が聞こえたのか見事に右へ避けた高橋君でしたがそのまま意識を失ってしまったようです。
レキシーに高橋君の安全の確保を頼みゴーレムに挑みます。
ゴーレムと戦うのは初めてですが、多分大丈夫でしょう。
評価や感想を頂けるとモチベーションの向上に繋がりますのでよければよろしくお願い致します。
少しでも面白くなるように努力はしていますので、長い目で見て頂けると嬉しいです。
ただ、主人公にチートを与えるの早かったかな?とも思っていますがどうでしょうか...




