44 野営
野営予定地へと到着した馬車はテントのようなものを張り、その中で寝泊まりするようです
まるでキャンプのようですね
馬車の人がテントセットを貸し出してくれたので僕たちはテントを立て、その中で過ごす事にしました
基本的にテントの見張りは自分達で行い、事前にお金を払って見張りをしてくれる冒険者を雇うのが普通だそうです
一般の人は冒険者を雇い見張りをお願いするそうです
僕たちは交代で見張りをする事にしました
先に遥とレキシーには寝てもらい、僕は見張りをしつつステータスを見ています
僕の職業である万能者最初は凄くチートな職業だと思ってはいましたが、欠点も存在するようで、同時にスキルは3つまでしか使用出来ない事
常時発動系のスキルは2つまでしか使用出来ない事
確かに全職業のスキルを扱えるのは強いのですがイマイチ活かしきれていない気がします
レベルアップすればまた変わってくるのでしょうか?
ずっとステータスと向き合っていると何かの気配を感じました
気配を感じ取った瞬間に周りから大きな声で叫ぶ声が聞こえました
『魔物が来たぞ!戦闘能力の持たない者は真ん中の大きなテントへ集まれ!』
周りにいたテントの中からあぁまたかといった顔をしながら人が出て来ました
これが日常茶飯事なのでしょう
皆慣れた感じです
「二人とも起きてる?」
『うん、今ので起きたよ。』
『私もなんとか起きれたわ・・・』
念のため守りのために二人には真ん中のテントへ行ってもらうことにしましょう
「あっちのテントを守るために行ってもらっても大丈夫?」
『えぇ、任せて』『大丈夫だよ!』
「それじゃ、よろしくね」
僕はそう言って護衛をしていた冒険者のいた場所へと走ります
「魔物が出たのは本当ですか?気配は薄っすらと感じますがどれくらいいるとかは分かりますか?」
『ん?あんたは乗客だったよな?冒険者か?』
「えぇ冒険者です、セーカの街へ行くために乗ってたんですよ」
『そいつは助かる、おそらくハウンド系の魔物だと思うが、戦った事はあるか?』
「ハウンドはないですが、フォレストウルフなら」
『なら話は早い、奴らが得意な接近戦には持ち込まれないように気をつけてくれよ、乗客に怪我をさせる訳にもいかないからな』
「それでしたら支援に回りますよ」
『そいつは助かる』
「冒険者はあなた一人なんですか?」
『いや、パーティで来てる、4方向に散らばってるから片方に大量に来られると厳しいがそこまで大量にいる様子はないからおそらく大丈夫だろう』
「なるほど、それなら支援魔法を皆さんにかけますね」
「ブレス!」
『戦士かと思ったが魔法を扱えるのか、人は見かけによらないな』
「ちょっと特殊な職業なもので・・・それでは他の人の場所に行って来ますね」
『お、おう、ブレスなんて初めて受けたぞ俺・・・めちゃくちゃ身体が軽いじゃねぇか・・・』
その後護衛の冒険者全員にブレスをかけて来ると
20分後には魔物達は全滅していました
最初に会った冒険者のリーダーからお礼を言われました
支援魔法がかなり効いたそうで、無双してしまったと言っていました
そこまで変わるものなのでしょうか・・・?
その後すぐにテントに戻った僕は睡眠を取り、朝になり、セーカの街へと向かいます




