37 近づく距離感
咳が良くなってきたと思ったらまたぶり返して来ました
完全に体調がよくなるまでは今のようなペースになってしまうかもしれません
武器屋から宿屋へと戻り休憩していると遙とレキシーが帰ってきました
『雅人くんただいま!』
『マサト、ただいま。』
「二人ともおかえりなさい、何かいい装備は見つかりましたか?」
僕は帰ってきた二人にそう声をかけます
『私は丈夫なローブとブーツを買ってきたんだよ!』
遙は楽しそうに答えます
『私は盾をもっと丈夫で大きいものに変えたの、これなんだけどすごいでしょ?』
レキシーの身体の1.5倍ほどの大きさの長盾です
これを軽々と持てるのは凄いですね
「かなり大きいですね、重くないんですか?」
『持ってみる?』
レキシーがそう提案してきました
「試しに持ってみましょうか・・・」
そう言って盾を掴んでみると
驚くべき事にとても軽いんです
もしかしたらステータスの影響かもしれません
「案外持てますね」
ステータスの力は偉大です、改めて実感しました
『雅人くんも持てちゃうんだ・・・』
遙が凄いものを見るような目でみつめてきます
『やっぱりSTRが高いと持てるようになるのね』
「みたいですね」
そういえば、と言いたげな顔をしながらレキシーが
『そういえば、私達パーティ組んで結構経つじゃない?』
「そう、ですね」
『そろそろ私達敬語とかやめない?ちょっと疲れるのよ、これ』
確かにわかります
「わかった、じゃあ僕も喋り方かなり崩しちゃいますね」
『ふふ、ちょっと混ざってない?』
「く、癖になってるんだろうなぁ」
『それと私の名前を呼ぶ時はさんは要らないからね!』
「わかったよ、レキシー」
『それでよし!』
『わ、私も呼び捨てにしてくれていいからね!』
遙までそう言ってきました
僕としてはいいんですけど、少し気がひけるなぁ
「わ、わかったよ、でもそう言われると戦闘中とかつい呼び捨てにした事何回かあったなぁ・・・」
『あれ?そう言われるとそうかも!』
遙は思い出したような顔をしていました
「それじゃあこれからもよろしくね、遙」
『うん!よろしくね!雅人くん!』
「僕の名前はくん付けるんだ・・・?」
ジト目で遙を見つめると
『よ、呼び捨てするのは恥ずかしいもん!』
顔を真っ赤にしながら遙がそう言います
「僕だって恥ずかしいんだけどなぁ」
ちょっと意地悪だったかな?
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「ところで話を戻すけど、今日見に行った武器屋でいい武器を見つけたんだ、金貨5枚するけど武器強化のスキルを使うと武器を更に強く出来るみたいなんだよね」
『金貨5枚、結構な金額ね、買うつもりなの?』
レキシーがそう尋ねます
「幸いにして、ずっと節制してきたので貯金は丁度5枚あります、ただ、防具が買えなくなるのが痛手かなって」
『マサト、また混ざってる!逆に面白いわね』
あ、やっぱり指摘された!
バレないと思ったのに!
『まぁそれは置いておいて、私のスキルがあるから最悪気にしなくてもいいと思うのよね、だから武器を買ってお金をさくっと稼いで防具を整えればいいと思うわ』
『私は装備に関して何か言えるような知識もないから雅人くんたちで考えればいいと思う、ただあんまり怪我はしないように気をつけてね?』
「そこは大丈夫、使えるスキルが多いから理解しきるまであんまり危険なことはやらないよ」
『それならいいけど・・・』
ゴブリンリーダーにシールドバッシュで跳んだ時のせいか妙に心配されてます
僕もあんまり無茶はしたくないですし、安全に行きたいですね
「じゃあとりあえずギルドで明日お金を下ろして買って来る事にするよ」
『えぇ、武器がないとどのみち戦えないし、いいと思うわ』
『なんかワクワクするね!』
話も終わったのでそれぞれの部屋に戻る事にしました
内心新しい武器が楽しみで仕方がありません




