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バチチチッ!! バチチッ! ヒュンッ!!

両腕に装備された電流の流れる鞭を振り、ステマリーに攻撃する櫂。

しかしいくら鞭を振ろうが高速で動くステマリーには当たらない。

「っ、スピードについていくのは無理ね」

「どうした?反撃はもう終わりか?ならば・・・」

ギギギッ!! ガゴォォッ!!!

左からの攻撃の喰らう櫂。大きく吹き飛ばされる。

「櫂さんっ!!」

ステマリーに攻撃を仕掛ける亜昂・・・だがそれも躱される。

「くっ、こうしてる間にも向こうが・・・」

『エニマは彼と接触できたようだな』

――――――――

――――――

――――

ニコニコと空灼を見つめているエニマ。

一体何なのか分からず困惑する空灼。

「・・・なぁ、「お会いしたかった」ってどういう意味だ?」

「言葉通りです。貴方という方が現れて以来、この日を待ち焦がれていましたよ」

『現れて?俺が【EWA】に適正した日の事か?』

空灼が男性でありながら女性にしか扱えないはずの【EWA】に適正したその日、その情報は瞬く間に全世界へと流れ、その事を何とも思わない者などいるはずもなく空灼目的で攻め込んでくる他国もいるほどだった。

―――いや、だったでは無く、今でも―――

「単刀直入に言います、ワタクシ達の・・・いいえ、ワタクシのモノになって下さい。空灼さん」

「・・・アンタもその考えの人か」

今までもこういった経験は何度もしている。自分目的に来る他国。妹達には

――よかったわね、モテモテで――

なんて言われるが、それとは違うと思う。

「何か勘違いをしているかも知れませんが、何も我が国の兵になどと言っていません。ワタクシ個人のモノにと言っているのです」

「それってつまり?」

何が言いたいんだ?この人は

「つまり、ワタクシと生涯の契りを結んでくださいという事です」

「はぁぁっ!?」

それって・・・

――――――――

――――――

――――

向こうで空灼の声がした。

「一体なんのつもり?空灼に何を・・・」

「エニマは彼をかなり気に入っているようだ。だから彼を自分のモノにしたいらしい」

ステマリーにのその言葉にポカンとする櫂と亜昂。そして理解する。

「・・・空灼目的ってわけ」

「先も言ったが、日本国に攻め入りに来たんだ。まぁ、エニマにとってそのことは彼の二の次っぽいがな」

二人の会話を黙って聞いていた亜昂が口を開く。

「そそ、そんな事させませんっ!!私達が空灼さんを守ります!!」

立ち上がり、ステマリーに言い放つ亜昂。

「ほう、では守って見せろ。できるものならな」

「・・・できるわ。それに・・・」

「それに?」

「・・・貴方も倒す」

場の空気が一段と重くなる

「おもしろい」

――――――――

――――――

――――

いきなりの求婚に思わず声を上げる空灼。

「いやいや、何でそうなった」

「貴方の事を聞き、貴方の事を知り、そして貴方の事を|(写真で)見て・・・気づいた時にはあなたの事ばかりを考える日々。これを愛と言わずなんと言うのでしょう?」

「え~~っと・・・」

今までにもこんな経験はしたと言ったが、ここまでのは初めてだ。そう思っているのは空灼だけであり、今までに来た敵対国の【EWA】所持者の殆どがエニマと同じ目的だったのだが、空灼はそんな事知る由もなく・・・。

「ですから今日、日本国に攻め込むと命じられた時に決めていたのです。必ず貴方を連れ帰ると」

一歩、また一歩と空灼に近づくエニマ。さながら念願の宝を手に入れる者のように。

「さぁ、行きましょう」

空灼に手を差し伸べるエニマ。空灼も右手を差し伸べる。

「フフッ、それでいいのですよ」

だが空灼の手はさらに上へ。そしてエニマはその手に握られているモノに気づく。

「何の・・・おつもりですか?」

「悪いな。付いていけないし、生涯を共にする事も出来ない」

空灼の手には焦茶色の【EWA】メモリ。

「そうですか・・・なら、無理にでも連れ帰ります」

戦闘態勢を取るエニマ。

「使わずに済むわけがないか・・・本当は使いたくなかったが・・・仕方ない」

空灼が握っているメモリのボタンを押す―――



≪Eagle・Ability≫

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