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新婚でございますよ、一応。

 10月1日(土)晴れ


 退院です。

久々に自宅に戻ってくると、

部屋は思っていたよりも変わっていなかった。

 トイレに、ほっこり。ほっとする。

 

 病院からは、たかしの運転で戻ってきた。

病院のある丘の上から、坂道をくだる途中では、

所々からチューリッヒ湖が見える。

 水面が朝陽に照らされていて、きらきらと美しかった。

木々の紅葉も始まっていて、これまた美しい。

病室の窓から見るのとでは、ぜんぜん違う。

空気感も、違う。


 家までの道には、おじいさん先生のクリニックがある。

入り口は、いつもと変わらない様子だ。

 おじいさん先生には、退院直前のチェックで、

ついさっき会って、ご挨拶もしてきた。

 出会ってから今まで、ずっと穏やかに我々を支えてきてくれていて、

もう、突然出会ったただのお医者さんとは思えない。

 これこそ、恩人というやつだ。

 恩人といえば、喜代子さんも。長崎さんご夫婦も。

なんとお礼を伝えたらいいのか、言葉が見つからないほどに、

お世話になったと思う。

 こんな時、どんな風にお礼の気持ちをお伝えしたらいいのだろうか。

私は、そのお礼の方法が見つからないほどに、ちっぽけだ。

なんにも、ない。。。


 病室を出るときに、ご挨拶をしながら、

お世話になった看護師さんたちと一緒に、写真を撮った。

 言葉やお顔立ちからして、スイス人ではないようで、

故郷を離れてこの国で働いているその女性たちに、

私は親近感を持っていたから、

一緒に写真を撮ってもらい、嬉しかった。

 なんと!

彼女たちは、たかしと私のことを、

ずうっと今まで、兄妹だと思っていたらしい!!!

 夫婦だよっ、

土曜日に結婚式してきたよっと、伝えると、

彼女たちは目を見開いて驚き、大興奮!

 どう見ても、兄妹に見えたんだって。

仲のいい兄妹だと思っていたんだって。

優しいお兄さんだなぁって、話していたんだって。

 退院の日の病室は、とてもとても賑やか。

 でも私、、、かなりショック。

 いちゃつきが、足りないのかね。

あっさりしすぎなのかね。。。

じゃあ他の夫婦は、病室でどんなんなのよ!?

どんなんなのさぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!

 

 ちなみに、この時の会話は、

ドイツ語と英語が入り乱れていた。

このフレーズを言う時には、ドイツ語のほうが伝えやすい人や、

英語を使った方が伝えやすい人が、その場にいて、

でも、それでお互いにちゃんとわかり合えるから、大丈夫。

気持ちは伝わっているから、おーるおっけー。

 おじいさん先生は、たかしに話しかける時には英語を使う。

たかしも、英語を使う。

先生が私に話しかける時には、ドイツ語を使う。

私がドイツ語を勉強中で、使いたがっていることを先生は確認済みだから。

私もドイツ語を使う。

 三人で話すときは、三人とも英語でやりとりする。

それは、たかしの英語力と私のドイツ語力&英語力を比べたら、

もう比較にならないほど、私の語学力が低いから。。。


 スイス国内では、四か国語が使われていて、

ここチューリッヒの公用語はドイツ語、ドイツに隣接しているし。

フランスに隣接している地域の公用語はフランス語、

イタリアに隣接している地域は、イタリア語が公用語になっていて、

もう一つには、古くから使われていた元々の言語のロマンシュ語があって、

一部の小さい地域で使われているけど、使える人が年々少なくなっているらしい。

 国内を走る列車では、

ドイツ語・フランス語・イタリア語・英語のアナウンスが流れ、

流れる順序が、走る地域によって変わっていっていた気もする。

 スイスの人の多くは、何か国語かを自在に使えるから、

その言語の間を、各人が状況に応じて自在に行き来できるのがすごい。

外国人も多く住む国なので、

お互いに何語でコミュニケーションをとるのがいいのかを

会話の中から探り出したりするのが、その都度自然にできるみたい。

 早く、ドイツ語勉強始めなくては。

 

 久々の家での夕食。

 バルコニーの奥、向かいのアパートの窓辺に、

全裸おじさん、発見!!!

今日も、背中がつやつやです。

お元気そうでなによりです。


 たかしが、ポモドーロスパゲッティを作ってくれました。

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