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東京24区【東京異端審問】  作者: 結依香@桜
20××/05/14
3/15

亜音ぷろろーぐ

亜音ぷろろーぐ


>>灰猫

??:くぁぁぁー………なんだ、まだ9時かー……お昼まで時間あるし、もーちょっと寝てよかにゃ…ふぁぁぁ…


外の光の入らない、真っ暗な空間で、猫のような金色の瞳が気だるそうに瞬く。

澄んだ声がその空間にさみしく響いたとき、スマホの画面が光った。



??:うわっ…なによもう……えーと……


…!?(ぎしばたどたんっ



スマホの光で見えた顔は幼くみえたりはたまた大人っぽくみえたりと、年齢が推し量れない。

盛大な音を立ててベッドから落ちた彼女は擦りむいた自分の膝をみてため息をつく。



??:あーもー……なんだって言うのよー……というか今日何日…



そう呟いた彼女はまた盛大なため息をつきつつ立ち上がって電気をつけた


(ぱちん


電気がついたことで部屋の全体が見えた。コンクリート打ちっ放しの壁。

壁側に大きなベッド、そこには窓もあるが遮光カーテンがひかれており、外の様子は伺えない。

ベッドと反対側には二つドアがあり、どうやら片方は空いている部屋のようだ。


寝ぼけ眼をこすりながら彼女はもう片方のドアへと入って行った。


ざぁぁぁぁぁ


どうやら、お風呂場のようだ。



??:くぁぁぁー……


……また、やな夢みてたのかな…ま、いっか、覚えてないし。


さて、また寝よ…zzzz



彼女はお風呂からあがると髪を手早く乾かして、また電気を消してからベッドにダイブした。

金色の目がゆっくりと細くなり、寝息が聞こえてきた。


そして電話が鳴る



??:んぅ…???



彼女は拒否を押しかけて画面をよく見ると慌てて出る



??:あーおはよー…??


日向/亜音……あんたずっと寝てたでしょ…?


亜音:そ、そんなことにゃっ……ないんだなっ!おねーちゃんこそ、どうしたのさー??


日向/(電話)めんどくさい仕事よー?(寝てたわね


亜音:…心の声もれてるよおねーちゃん…そういえば、風の噂で警察官なったって聞いたよー


日向/えぇ……まぁめんどいのは事実だしねー


亜音:むむ…お疲れかにゃ?

 あ、そーだ、またおねーちゃんの料理食べたいなっ

 お腹空いたなっ


日向/んー?何食べたいー?


亜音:なんでもいいよー!手料理ならなんでもっ


日向/んー?じゃあカレーにするわ楽だし


亜音:やったっ!(がたばたん


…っ痛…



日向/!?


亜音:…え、えへへ、電気つけ忘れてた…


日向/全く……気を付けなさいよーそれじゃ材料買って帰るから待ってなさい


亜音:やったぁぁぁぁぁぁ!

 はぁい!

 じゃ、またね!



少女は嬉しそうに鼻歌を歌いながら、お風呂とは違うドアに入って行った。


少女の名前は蒼城亜音。先ほどの電話の相手は幼馴染で五つ上の日向かおる。


蒼城は親からの暴力から逃れるため、家出をしていた。


因みに現在住んでいる…と言うより居座っているのは廃墟となったアパートの一室。

なぜか電気ガス水道は繋がっていて、代金も請求されないため居座っている。


(本当は、このアパートは廃墟でもなく、電気ガス水道が通っているのは親が悪いと思ってお金を払っているから)


ぶかぶかの半袖Tシャツ一枚の格好のまま、鼻歌を歌いながら亜音は手早く調理器具を出したりした後、またシャワーを浴びにいった。



亜音:〜♫まーだっかなーっまーだっかなーっ

 久しぶりのおねーちゃんの料理だー(*´﹃`*)


日向/ふぅ……ただいまー(ガチャ


亜音:おっかえ………ええええ!?

 ちょ、おねーちゃんなんでそんなボロボロなの後なんでドアえっ!?


日向/あぁ……ちょぉっと転んじゃってねー(ほんとはチンピラに絡まれた(チンピラがどうなったかはご想像にお任せします


亜音:き、救急ばこっ(あたふた

 あ、先お風呂はいってきちゃえばいいかなっ?出たら手当しようっ


日向/大丈夫よ、こんな傷直ぐに治るわ(風呂の方向へ歩いていく


亜音:そ、そか…(治るといいな…)

 あ、じゃあ野菜洗っとくね!


日向/よろしくねー(シャワー浴びに行く


亜音:〜♫(ジャガイモ、人参、その他もろもろをあらい、皮を剥く←


日向/………あれ?……傷が……(直ぐに治るとは言ったけど……こんなに早く治るのか?……私の異能が身体に影響を与えているのか……それとも……いや…あり得ないか


亜音:あ、着替えてない…着替えてこよっ(ぱたぱた

 ……よしっ(違うTシャツ頭から被っただけ


 〜♫(カレールーの後ろを眺めてる



日向/……まぁ考えてもわからない……か…(風呂から上がり私服に着替える


亜音:あ、おねーちゃん(にこっ

 野菜ね、皮むいといた!切る?


 あ、そういえば傷は?



日向/あーありがとう


 んー?湿布貼ってるから大丈夫よー



亜音:…無事なら良かったー(にこり

 私、お手伝いできることあるー?


日向/んー大丈夫よー座ってて(日向性格変わりすぎだなww


亜音:わかったじっとしてるー(機嫌良く


 (幼馴染の前では素とかありだと思う←)



日向/………(調理開始ー


 (ありなのかー



亜音:……(ぼけー


 …zzz


(ありだよぐっ←)



辺りにカレーの匂いが漂い始める


日向/~♪


亜音:むにゃ………かれーだー(寝言


日向/出来たわよー(カレーを二人分テーブルに置き亜音を起こす


亜音:ふわぁぁぁぁっ…

 かれーっ!(目キラキラ

 たべていいっ?いいっ?


日向/どうぞー(微笑む


亜音:いっただっきまーすっ!(あむあむごくん

 おいひいっ!(きらん

 (あぐあぐあぐ


日向/あんまり急いで食べると危ないわよー?


亜音:だいじょ(んぐっ

 ごほっ…(水ごくごく

 大丈夫っ(きりっ


日向/……(汗)(全然大丈夫じゃない


亜音:ほねーひゃんもはへないほ?(もぐもぐ


日向/食べるよー(食べ始める


亜音:…(もぐもぐもぐもぐ

…(もぐもぐもぐもぐ


…(ごくんっ

おねーちゃん、おかわり、ある?

朝とお昼食べ忘れてたら止まらなくてっ



日向/たくさん作ってるからあるよ(1日寝てたのね


亜音:おかわりーーっ(ぱたぱた←カレー入れに行く


 や、ちょっと昨日頭使ったからさ(苦笑

 謎解きしてたら久しぶりにオーバーヒートしたみたいー



日向/謎解き?


亜音:ん。私学校の教科とかはあんま出来ない落ちこぼれだけど、推理は得意なんだっ


 ま、真剣に難しいのやりすぎるとオーバーヒートしちゃうんだけどね(にへら


 ほらほら、刑事ドラマとかあるでしょ?ああ言うのみたりとかしてたまに遊んでるー



日向/へー亜音は刑事が向いてるかもねー


亜音:難事件とかねー

 解決してみたいけど、するたんびにぶっ倒れるのはちょっと…(苦笑

 それに、あんま外出たくないし…


 ぷは、お腹いっぱい、ごちそうさまでしたっ



日向/あはははまぁ確かにねww


 ご馳走様でした(皿を片付ける



亜音:あ、お皿洗うよー!

 しかも、それが長期間とかもう頭が茹だっちゃう(苦笑

 ある程度情報まとまったりとかしてるならもう解けるんだけど(苦笑


日向/あ、ありがとうw


 亜音には優秀なワトソン君が必要かもねww



亜音:〜♫

おねーちゃんワトソン役やる〜?(笑)


 ま、私なんかがいなくても日本のみなさんは優秀だからー

 おねーちゃんも優秀だし。



日向/私は優秀な訳じゃないわよー今日も面倒なデスクワークを後輩に押し付けてきたしー(にひっ


亜音:おねーちゃんやるぅ(笑)

 うし、洗い終わったー♫


 おねーちゃん泊まってくー?



日向/いや今日は家でやることあるから帰るわー


亜音:…む、そか(さみしげに


 おにゃかいっぱいー(クッション抱きかかえて幸せそうに



日向/明日も来るからね(笑)(カレーを少しタッパにつぎながら


亜音:じゃあー、朝起こしてー(にへら


 ご飯持ってく?ちょっと余ってるけど冷凍保存しちゃえば?



日向/あなた朝起こしても寝るじゃないww


 いや、ルーだけでいいわーそれじゃ私は帰るわねー



亜音:おおおおきるもんっ


 ん、また明日ねー(にへら



(バタン



亜音:……警察官って言ってたよね……聞いたら教えてくれるのかな…異捜のこと。


 …いや、知らないよね…きっと、おねーちゃんには気づかれてないはず…だし…(鍵を閉める


  >>眠兎(勘づかれてるww


  >>灰猫(仲間な匂いってやつです。そもそも人からコンクリの匂い、普通しません←)


  >>眠兎(なぜコンクリ!?


  >>灰猫(あれじゃない?なんかチンピラに絡まれたときに事故って←)


  >>眠兎(どんな絡まれ方したんだww


  >>灰猫(掴まれたとか壁際に後退したとか)



亜音:はぁ………寝れない。久しぶりに、夜のお散歩しちゃおうかなー……


暗闇で、また対の金色の瞳がまたたく。

明るいところでは普通の黄色い目なのに、暗闇では猫のように光るこの目は彼女の性格も合わせて本物の猫のようだ


彼女の独り言は続く。



亜音:今日は綺麗なお月様。たまには、外に出て月の光でも浴びましょう。


 …あ、着替えよう(がさがさ



亜音はぶかぶかのTシャツにしたはスパッツというなんとも危ない格好のまま、スニーカーを履いて外に出た。


亜音:私には、これがあるから、大丈夫…


彼女が握りしめているのは、昔、幼馴染からもらったお守り。





そして出かけた彼女は、日が昇る少し前に部屋に帰ってくるとベッドに潜り込み、寝た。


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