『交差点』・連鎖の始まり
長らく開いてしまいましたが、放置していたわけではないんです。どうしても、上手く次に繋がらなくて…最後は「おや?」と思われるかもしれませんが、これは次回作の伏線的なものですのでご了承ください。
「悪ぃ、俺、携帯停まってるだろ?それでさ、ぉ前のメアド借りてメルマガ登録しちまったから、きたら教えてくれ」
悪友からの身勝手な言葉にため息で返事するボク。この程度のコトで目くじら立ててちゃ、コイツとは付き合えない。
「もう来てるよ。」
今朝受信していた怪しいメールの正体が今やっとわかった。まだ内容を見てないから、二人で見ることにする。
「うそ……」
「マジ…!?」
思わず目を見開いた、その内容というのは――
『@☆市内、北二丁目交差点、午後6時』という文章と、二台のトラックに挟まれた人の姿の画像ファイルだった――
「何だよ、これ?」
答えを聞いたボクは愕然とした。『死亡事故の予言メール』…そんなモノがあるなんて……
「まだ1時だし、夕方まで待って見に行ってみようぜ…マジだったらヤバすぎだよな?」
何か嫌な予感がしていた。本当は行くべきではなかった筈なのに、ボクたちは行ってしまった――
午後五時過ぎ、北二丁目交差点の信号機の下にボクたちは立っている。
行き交う車やバイク、買い物帰りの主婦や塾に向かう子供…いつもと同じ風景がある。
「本当にこんな所であんな事故が起きるのかな?」
ボクはまだ信じられないでいた。もうすぐ6時になろうかという時に、『それ』は起こった…
交差点の信号機が、全部同時に青に変わった。たまたま車がいなかったので、大した混乱は起きていない。このままじゃ大変だ…ボクはもう一度信号機を見て驚いた。
「戻ってる…?」
そして、道路に目をやったボクは息を呑んだ。
「おいっ…!?」
悪友が交差点の真ん中に立ち、ボクに向かって叫んでいる。
「なんかこの信号機おかしいぞ!?」
彼の右と後ろが青になっていて、二台のトラックが迫ってきている…!
「逃げろッ…!」
ボクの声は間に合わなかった…二台のトラックに挟まれたあいつの姿は、メールの画像そのものだった…
「救急車…!」
ボクは、慌てて救急車を呼んだ。もしかしたら、助かるかも…
だけど、それは――
如何でしたでしょう?一応これで『メルマガ』は終わりです。『ハンカク』からお付き合い頂いた方にはお分かりかと…そうです、これは『彼女』の仕業です。そして、シリーズ最後の作品に繋がりますので、そちらにもお付き合い頂けましたら嬉しいです。