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パンと白ウサギとオオカミ
「誰だ?」
低いガラガラ声が後ろから飛んできた。白ウサギは、思わずピョンと飛び上がった。後ろを振り返ると、そこには口元を隠した男が立っていた。
「何をしに来た?」
「えっと、あの、わたし・・・・・・」
白ウサギがしどろもどろしていると、ふと男が手にしているものが目に入った。男は、血まみれのナイフを持っていた。
「あ・・・・・・」
白ウサギは、言葉を失ってしまった。逃げ出そうにも、足が震えて動けない。男は、ゆっくりと白ウサギに近づく。
「見ない顔だな。町の人か?」
男は白ウサギを見下ろす。真っ赤な目をギラギラと輝かせ、白ウサギを見下ろしていた。白ウサギは目を合わせることができず、下を向く。恐怖のあまり、今にも倒れそうだった。
「怖いか?」
白ウサギは小さく頷く。身体がブルブル震えて止まらない。
「そうか。そうだよな。」
男が一歩踏み出す。白ウサギは身を小さくし、目を瞑る。
―誰か、助けて!―
「パン、食べるか?」
背中から声が聞こえる。おそるおそる目を開ける。すると、男がオーブンの中からパンを取り出していた。目が合うと、男の目が細くなった。
―笑った?―




