王宮へ行く日
はじめまして。
読む専門でしたが、私の頭の中で妄想が広がってしまい、物語にしました。よろしければお付き合い下さいませ。
私には好きな人がいます。
けれど、私にはそれを伝えることが出来ない。
だって、私は家のために今日別の人のもとに行くのだから…
「お嬢さま、王宮からお迎えの使者が参りました」
「いま、参ります」
私は公爵令嬢ナターリア、18歳。幼なじみの3歳上のカールに恋をしていました。
男爵家の跡取りで私とは少し身分違いだけど叶わない恋ではないはずでした。
母にはひそかに伝えて、いずれは結婚できるのではと思っていました。
けれど、父が病気になり、まだ幼い弟たちではロプーヒナ公爵家は支えられません。
傾きかけたわが家を助けるには、私が後宮に入り国王陛下の側室となるだけ。
忘れなければ…。
「ナターリア、こちらへおいでなさい」
「お母さま、何ですの?」
「ごめんなさいね。あなたに重荷を負わせてしまって…。
私に何の力もないばかりに。」
母は公爵夫人とはいっても商人の娘で、遠縁にあたる男爵家の養女となって公爵家に嫁いだので、後ろ盾がありません。父とは貴族にしては珍しい恋愛結婚です。
「お気になさらないで下さいませ。それより、お父さまや弟たちのことよろしくお願いします。」
「ありがとう。出来るだけのことはしますから、安心して頂戴。それよりこれをあなたに渡したいと思って…」
渡されたのは、カールからの手紙でした。
『お久しぶりです、ナターリアさま。後宮に入られると伺いました。幼い頃、仲良く遊んだことが、昨日のことのようです。どうぞお幸せに』
いかがでしたでしょうか。
ハッピーエンドにしたいなとは思ってますが、もしかしたら違う結果になるかな…