帰れない森
おはようございます。
いよいよ、恭介たち3人と、風太たち3人が顔を合わせました。
ここからが、いよいよ物語の本編スタートというところです。
──あ、ちなみに今日は私の誕生日です笑
おめでとう! 私!
そんな日に読んでくださり、本当にありがとうございます。
次回更新は【20時】
またお会いできたら嬉しいです
「もう、教授ったら照れちゃって……」
美咲が恭介の腕に絡みつくと、恭介はそのたびに美咲の身体を引き剥がした。
その様子を興味津々に見ていた風太は、修治の腕からするりと抜け出すと、
「教授〜」
と言いながら、座敷童子に抱きつく。
すると座敷童子が風太を引き剥がし、今度は自分から抱きつく。
まるで美咲の真似をして遊んでいるようだった。
それを見た恭介は美咲を睨み、
「ほら、見てみなさい! きみがそんなことをするから、子供が真似をするじゃないですか!」
と怒った。
美咲はしゅんと肩を落とし、
「だって……」
と小さく呟く。
恭介が再び睨むと、風太が思い出したように叫んだ。
「あ! お前らを見つけたことを空に伝えなくちゃ!」
座敷童子が頷くと、風太は口に指を当てて指笛を鳴らした。
すると風が唸り、突風が吹き抜ける。
「きゃ〜っ!」
驚いてスカートを押さえながら、美咲が悲鳴を上げた瞬間、目の前に一人の女性──空が現れた。
「空! 見つけたよ!」
風太と座敷童子が空に駆け寄ると、空は二人の頭を撫でて言った。
「ありがとう、風太。座敷童子。」
「え! あの人、どこから来たの?」
美咲が驚いて叫ぶ。
その声に空が三人の顔を見て、表情を強張らせた。
「あなた……」
恭介を見つめて固まる空。
恭介もまた、不思議そうにその顔を見返した。
美咲は二人の間に漂う空気に耐えられず、慌てて恭介の腕を引っ張る。
「教授、そろそろ帰りましょう」
と、小声で促した。
「ああ……そうだな。だが──帰れないんだよ」
「えっ?」
美咲と修治が同時に声を上げるより早く、空の方が驚いた顔をした。
「あ……すみません。実は帰ろうとして、何度も帰り道に向かっているのに、なぜかここに戻ってしまうんですよ」
恐縮した様子で話す恭介に、空は頭を抱えて呟いた。
「……いつもより早く、出発なされたのかもしれません」
そう言って、その場に座り込んでしまう。
「あの……大丈夫ですか?」
あまりの取り乱し方に心配になり、恭介が背中に手を伸ばしかける。
しかしその手を、美咲がすっと遮った。
「あの、大丈夫ですか?」
美咲が代わりに声をかけながら、空の背にそっと触れる。
「……すみません。取り乱したりして」
慌てて顔を上げた空に、美咲は一瞬、胸の奥がざわついた。
年の頃は二十代後半ほど。
顔立ちは平凡だが、彼女の纏う空気はどこか普通の人ではない。
その異質な気配に胸騒ぎを覚えながらも、美咲は無理に笑顔を浮かべていた。




