旅籠屋
「客が来ねえ」
「そりゃそうだろ。ここは奥底。あるのは星だけだ」
毎日変わることのない会話。時間。景色。変わることといえば玄関に降り積もる砂山の形ぐらいだろうか。
停滞しているこの町では旅籠屋など繁盛のしようもない。
静かに積もる砂を間口から掃き出す。放置するとどこまでも積もって天井まで届いてしまうのだ。
上書きに上書きを重ねられて埋もれた物語の登場人物の行く末などこんなものだ。今こうして書き起こされただけまだましな方だろう。
どうか我らに続きを。
「客が来ねえ」
「そりゃそうだろ。ここは奥底。あるのは星だけだ」
毎日変わることのない会話。時間。景色。変わることといえば玄関に降り積もる砂山の形ぐらいだろうか。
停滞しているこの町では旅籠屋など繁盛のしようもない。
静かに積もる砂を間口から掃き出す。放置するとどこまでも積もって天井まで届いてしまうのだ。
上書きに上書きを重ねられて埋もれた物語の登場人物の行く末などこんなものだ。今こうして書き起こされただけまだましな方だろう。
どうか我らに続きを。
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。