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プロローグ

3月10日は佐藤の日!今日から「佐藤 春」ちゃんの伝説が幕を上げるぜー

 

 

 


 人生の転機というものは得てして突然来てしまうものだ。

 買い物をするためだけに外に出た人がスカウトされトップモデルになったり、趣味で作った曲をネットに投稿したら大ヒットし、名作曲家の仲間入り・・・・・・なんてこともザラにある。

 でもそれは、奇跡なんてものじゃない。そういう人たちには必ず才能がある。

 その才能は必ず神様は見つけて出し、来るべくして、転機は訪れるのだ。

 

 そして、そんな転機がこの私『佐藤 春(さとうはる)』にも近いうちに訪れることだろう。

 なぜなら私も彼らと同じ天才なのだから・・・・・・

 

 そんなことを思い浮かべながら私はアコースティックギター一本を持って駅前広場に立っていた。

 広場の中心には小さい噴水があり、その周りでは、5つのボールを華麗に操る大道芸人や、今の社会は腐っているといった内容の歌詞を叫ぶパンクバンドなど多くのパフォーマーやアーティストが自分たちの自慢の芸を披露している。

 

 この広場は売れっ子バンドが何組も下積み時代に路上ライブをしていたことで、音楽ファンには有名な場所だ。この広場で私も路上デビューを華々しく飾ろうと、勇んで家を飛び出してきたが、いざ演奏するとなると体が竦む。なので普段は心の中でだけ「あれ?もしかして私って天才じゃね?」とちびっとだけの自惚れを、自分に言い聞かせ自己催眠状態にしていた。

「大丈夫。私は天才。曲もいいものが出来たし、声の調子も万全!顔もそこそこかわいい・・・・・・はず」

 

 自分は天才と言い聞かせた私の体は、その言葉を信じたようで震えは収まっていた。

 「我ながら信じ込みやすいというか、バカというか・・・・・・」

 そうひとりごちながらもギターを手に持ち覚悟を決める。

 今日は日曜日ということもあり、広場には大勢の人が往来しているが、私には一瞥もよこさない。

 でも今から全員こっちに振り向かせてやる!


「みなさん初めまして!!私の名前は佐藤春。高校生シンガーソングライターです!!初めての路上   ライブですが、精いっぱい歌います!聞いてください『spring song』」


 言い終えるやいなや私は歌に全集中する。

 散々練習してきたはずだが、やはり知らない大勢の人前で歌うということは、普段の練習時とはまったく異なり、周りを見る余裕などなかった。歌に精いっぱいの想いを込めて吐き出し、気を緩めれば震えが戻ってきそうな手でギターをつま弾く。

 そんな一瞬でも緊張の糸が切れれば、倒れてしまいそうな状態だけど、私の顔には笑みが浮かぶ。

 自分の歌をみんなに聞いてもらえることがこんなに嬉しいことだとは思っていなかった。

 そんな不安な気持ちと暖かな感情をないまぜにして歌いあげ、顔を上げると、




 王様たちが驚愕の顔で私のことを見つめていた。


 


初投稿です!未熟なところも多々あると思いますが、精一杯頑張ります。

第1話は明日か明後日投稿予定です。

どのようなことでも良いのでコメントよろしくお願いいたします!

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