俳句3
「蘭、おはよう」
俺は有限性があるため相手に届く発声という時間的な行為を使って、無際限ではあるものの有限の言葉である挨拶をする。
「…おはよう」
蘭もいつも通り、つまり有限という金科玉条のもとに過ぎ去った過去と類し、類することが可能な挨拶を返してくる。
「……それじゃあ、行くか」
何せ時間は有限だ。
俺は先を急いだ。
「…うん」
そして俺たちは歩き出した。
これは学校に行くという目的のもと、有限性に頼りながら、歩を進めたということだろう。
或いは有限性を眼前に現出させる目的のもと、いわば今日もいつも通り通時的であると確認するために学校に向かうのかもしれない。
ただどっちにしろ、俺たちは歩き出した。
学校の前でエマさんと会った。
エマさんの傍らには友達とみられる人物がいる。
「お、エマさん、おはよう」
「あ、おはようございますシンさん、今日もいい朝ですね」
そういうとエマさんは軽くほほ笑む。
「…おはよう」
蘭が俺の横からエマさんに向けて挨拶をする。
エマさんは蘭が急に現れたのにびっくりしたのか、ちょっとビクッとする。
「お!君かい?入学式であいさつしたシン君は!」
エマさんの友達と思しき人物が俺にそう話しかけてきた。
「お、覚えてくれてたのか」
「そりゃあもちろん、何せあの正義部に入部しているんだからね」
あの正義部か。
俺も随分ノトーリアスになったものだな。
「あの、か……俺たちはサンドラっていう女に振り回されているだけなんだよ」
「いやいや、まぁあの事件も凄かったけどさ、やっぱり優秀さのほうが驚いたよ」
優秀だと思ってくれているとは有り難いことだ。
これからもその調子で見続けてほしいものだ。
「お、そうか、これからもそれだけの認識で頼むよ。変なことしている人たちだと思われるのは嫌だからな。いや、サンドラだけそう思うのならいいんだが」
「にっしっし、ほどほどに楽しませてもらうよ」
「ああ、そうか、じゃ、俺たちはこっちだから」
「うん!またねぇー」
「シンさん、また今度」
そしてエマさんは若干周りを憚りながら小さめに手を振り、その友達と思われる人は豪快に手を振った。
そして俺と蘭もクラスの前で別れた。
今回は本題から大きくそれました。
話の整合性を取るためです。
これで何人か離れていきそうで怖いんですよね。
まあ離れていったらその時はその時で考えます。
考えるっていっても考えるだけですけどね。
感想がないんじゃい。
それではまた。




