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魔王転生~元魔王と勇者とその他諸々の物語~  作者: Black History
謳歌する一学期
2/28

——改訂版2——野次馬だって当事者です

それからの年月というのはあっという間なもんで、日々は一定のリズムで動き続け、特筆すべきこともないまま俺は着々と大人の階段を上っていた。




しかし、だからと言って急に日々が飛んではついていけないかもしれないから今までの人生を簡潔にまとめる。




俺の名前は柊真というらしい。母親が柊琴葉、父親が柊信雄でどちらとも平民だ。




平民と言っても人間界では階級制度というのはあまり意味がなくなっていて、今から遡ることおよそ500年位前に身分制度というのは崩壊し、今は民主主義という形態をとっている。




であるから、形式上は平民だが別段貴族と呼ばれる人たちとの格差はない。




次に人間界の教育制度について話そう。




人間界の教育制度は6歳から入る小学校、そこで6年ほど勉強したのち入る中学校、そこで3年ほど勉強したのちに高校に入りたい人は入り、入りたくない人は入らない。

そこでさらに3年間勉強した後、もっと専門的なことを勉強したい人たちが入るのが研究学校。

大体は高校を卒業したら社会人となる。そして俺は今15歳だ。

高校には入るつもりなので受験勉強というものをしている。




次に俺の過去、と言ってもこれを読んでいる人にとっては現在か。

まぁ、今に至るまでの略歴を話そう。




俺は前世の記憶を持っているがため、同級生のバカ騒ぎには精神年齢上ついていけなかった。

そのため、他の者たちとは交流することがなく、いつも一人でいた。




つまり友達ができなかったということだ。




そして今は受験勉強のため塾というものに通っているのだが、受験勉強というのも前世の記憶をもってすればほぼほぼ余裕であり、入塾時から模試というもので全国一位、悪くても三ケタ台を出し続けていた。




しかし、前世の記憶をもってして余裕なのは魔術だけの話で、そのほかの教科はたゆまぬ努力によってその順位を出し続けていた。




もちろんその塾の特待生制度というものも受けていて、授業料はタダとなっている。




いつしか回りも奇異の眼から羨望の眼へと変わり、裏では「平民の星」と呼ばれているらしい。




ちなみに今までで勇者らしい人物とは出会わなかった。




高校はもちろん人間界でトップの高校に入るつもりだ。その名もユクドニア国立北コルロ校。

ユクドニアという人間と魔族の戦乱から遠く離れた場所にある国の高校だ。




ちなみに俺の暮らしている国はオリンパス。

戦乱の地からほどほどに離れた場所にある。

北コルロ高校に受かれば寮生活になるだろうからあんまり関係ないかもしれないがここも平和な地域らしい。




まあ俺が思うに平和というのは一種の病魔であって他人とすぐ比べたがる人間は争いが大好きな性質であるから平和が長続きしてしまうと自分の所属している集団から敵を見つけ出そうとするものだと思うがな。




つまり争いは人間の集団の性質上なくならないものだとは思う。




そんなことを考えながらすっかり暗くなった塾からの帰り道を歩いていた。




すると、何やら公園のほうから怒号のようなものが聞こえる。




野次馬になってしまうかもしれないが少し気になったので暗闇に見えるその集団に近づいてみた。











近くによってみると怒号の内容が鮮明に聞こえた。

「公爵家が!」やら「俺たちを見下してんじゃねぇよ!」やらとにかく尋常ではないものが聞こえた。




そいつらに気づかれないようにそれとなく見てみると、どうやら三人が何かを囲んでいるらしい。

そしてその三人が怒号を発している。




何を囲んでいるのか気になった俺はもっと近づいてみた。

すると何と囲んでいたのは一人の人間だったようだ。




俺は自分でも気づかないうちにその三人を止めに入った。


「お前ら!何をしている!」


すると三人はびっくりした様子でこちらに振り返った。


しかし、俺の貧弱そうな体を見たからかさっきの怒号を放っていた威勢をすぐに取り戻し、


「なんだぁ。てめぇ。俺らになんか用かぁ?」


と絡んできた。


こういう人を見下すようなやつにはお仕置きが必要だ。


そのため俺はほんの少し魔力を使うことにした。




ここで魔力というものの説明をしよう。




魔力というのは呼吸していると生み出される。




しかし、個人によって、生み出された魔力の容量は違っていて、過剰な魔力は体外へと排出される。




また、容量によって魔力耐性が付く。容量が多ければ多いほど魔力耐性も強いということだ。




そんな魔力の使い方は脳でイメージすることによって使える。




だが、そのイメージが自分の保有する魔力量では表現できないときは一部分しか具現化されない。




また、イメージの具現化に伴い、その負荷は脳に来るのでそこは気を付けないといけない。




例としては金を生み出す時だ。

金は1ミリグラム生み出しただけでも並みの魔術師ならば脳に負荷がかかり過ぎて死んでしまう。

まぁこれは脳の出来によるのだが。









俺は重力をイメージした。




イメージの仕方は大体リンゴをつぶすようにすればあっているだろう。

ただ今回はつぶしてはいけないのでほどほどにしたが。




すると、三人の足はがくがくと震え始め、「お、覚えてろよ!」と言い残し走り去っていった。




俺は彼らが走り去ったのを見届けた後、囲われていた人物のほうへと近づいた。




月明かりに照らされた顔はショートカットを携え、無表情で、ただ澄んだ目をこちら側に向けていた。




身長は大体俺の肩ぐらいでスレンダーであった。




男と言われれば男と思うし、女と言われれば女と思えるような、そんな曖昧な体躯をしていた。




「大丈夫か?」


するとその人はただこくりとうなずく。


「歩けるか?」


その人はまた黙ってこくりと頷くだけだった。


「今日は送るよ。」


頷いた。これは同意の意ということでいいのだろうか。


「こっち」


そういうとその人はすたすたと歩き始めた。




声から判断して多分女だろう。











俺たちの間にそれといった会話はなかった。




これは俺がほかの人と話すのに久しいのもあるのかもしれないが、彼女が無口なのもあるだろう。




しかし、このまま何も話さずいるのは気まずいので、俺から話すことにした。


「い、いやぁ、しかし、いい天気だねぇ。」


「…今、夜。」


まずい、初手でミスった。このミスをどうにかして取り繕わなくては。


「え、ええっと…ひ、昼のことかな?」


「…今日、曇天。」


まずい、完全に盲点だった。馬鹿って思われただろう。


「…馬鹿となんて会話したくない」なんて言われたら終わりだ。


頭の中で次にどうなるかぐるぐる考えていたが、彼女から言われたのは予想だにしないことだった。


「…ありがとう。」


「……へ?」


「…今日はありがとう。」


俺がどういう意図か把握しあぐねていると彼女は続けて


「…助けてくれなかったら危なかった。」


ああ、さっきの三人衆のことか、あれは別に俺も助けようとしてやったことではないしな。


そこまで感謝されるようなことではない。


「いやいや、あれは助けようとしたというよりかはたまたまああなっただけだから感謝なんていいよ。」


「…いや、それでもありがとう。」


ここまで感謝されるとは思っていなかったためこれにどう返事しようか迷っていると


「…勘違いされやすいの」


ん?何が?


「…私、勘違いされやすいの」


「…いつもこんな風に黙っているからほかの人を見下しているって。」


「…勉強もなまじっかできるからそれでさらに勘違いされて。」


まあ確かにこんなに無口だったら勘違いはされそうだな。


さっきの三人衆はそういうことか。




俺はこの応答に困った。




経験上ここで「そんなことないよ」などと軽口をぬかすのは即席の救いにしかならないことを知っているからだ。




かといって俺に彼女のこの状況を打開するような妙案があるわけがなく、ただ二人の間に沈黙を流すだけだったが。




しかし、だからと言ってこの状況を黙って放棄するほどの勇気もなかった。




いや、彼女の境遇が俺に重なったのもあるのかもしれない。




俺だって前世で学校に行っていたときはあまりの優秀さに周りから孤立していたのだ。




そんな時、そういえばあいつは俺に話しかけてきてくれたんだよな。




俺は昔日の思い出を想起し、一人感傷に浸る。




おっといけない、今は彼女になんて答えるのか考えなくては。

そう思い直し思考を再開したのである。











しばらくすると彼女の家に着いたらしい。彼女は「…じゃあ」と言って家に入ろうとした。




俺の中では彼女の現状に対しての答えがもう見つかっていた。




しかし、語彙の貧弱な俺にはそれを表現するような方法がなかった。




しかし、これを伝えたら、彼女は少し救われるだろうと思えた。




だから俺はその答えを、若干のもやもやを携えながらも言語化しようとした。


「人間の存在というのは個人の中には存在しないかもしれない。


自分の存在は他人との関係性の中に存在し続けているかもしれない。


だから他人と同じ人は他人とは違くなりたい、没個性的になりたくないと思い、他人とどこか違う人はほかの人と同じ世界を見たいと思うのかもしれない。


しかしそれは、他人と競争することは究極的には何の問題もない。


他人との関係性の中にあるなら至極当然の帰結だからな。


問題なのは自分の存在を自分に基づかせるか否かだ。


他人と競争してしまうことの根本には他人との関係性の中に自分を見出している自分がいるからだ。


ここが問題なんだと思う。


では、自分の存在を自分に基づかせるにはどうすればよいか。それは自分の存在を自分で受け入れることによって達成される。


だから、ほかの人と変わりたい、もしくは同じになりたいと思う自分を、これこれこういう能力があってこういう不得意分野があるという自分を、受け入れてあげたらいいと思う。


かといって、受け入れることが何もかもの救済ではないとも思う。


受け入れることはすなわち進化を止めることでもあるからだ。


進化というものは他人と競争することによって、他人との関係性の中に浸ることによって生まれるんだ。


だから自分に無理のない範囲で自分のまだ伸ばせるところは受け入れずに他人との関係性の中へと突っぱねるべきだと思う。


何を突っぱねて何を受け入れるべきかは俺の言うことではないけどな。


自分で考えることだと思うよ。」

どうだろう、これで俺の真意は伝わっただろうか。


顔を見てみるが、無表情のままだ。


伝わったか伝わってないか、それは定かではない。


「まあつまり、俺はお前の敵ではないってことだ。」


俺はそれだけ言い残し、帰路に就いた。











それから塾の帰りではよく彼女に会うようになった。




俺も何十年かぶりに友達ができたのでうれしく思っていた。




彼女の名前は稲川蘭というらしい。

家はお金持ちらしい。

そのためか学業は俺ほどとはいかないものの優秀らしかった。




俺たちはいつも帰り道に勉強を教えあったり学校の話をしたりしていたのだが、ある日、こんな会話がなされて以降、ぱったりと会わなくなった。


「…真は高校どこに行くの。」


「ああ、俺は北コルロ高校だよ。そこで寮暮らしをするつもりだ。」


「…そう。」


俺は何かまずいことを言ったのかと思った。


そういえば蘭の学力は高いと言えど北コルロ高校には遠く及ばなかった。


だからもしかしたら俺の返答が学力マウントに聞こえたのかもしれない。


いや、しかし、欄は無表情だがどこか聖母的な優しさを感じさせる。


そんなことでいちいち怒ったりはしないはずだ。


では何が問題だったのか。俺はいろいろ思考を巡らせたがいよいよわからなかった。











まあ残り少ない期間だったこともあってか、すぐに月日は過ぎ、あっという間に北コルロ高校の受験日になってしまった。




その間、欄とは会えずじまいだった。




前日の朝に出発し、北コルロ高校の近くのホテルへとチェックインした俺は、ぎりぎりまで詰めの作業をして、大急ぎで試験会場へと向かった。




試験会場は、だだっ広い教室に所狭しと机やらイスやらが並べられていて、今一度ライバルの多さに驚いた。




午前は魔術、国語、数学の三科目の試験で魔術、国語に関しては余裕で解けて、数学は少し悩んだ問題が一問あった。




午後は実技試験だ。魔法を遠く離れた的に当てるものであった。ライバルたちは次々とミスしていて、この試験の難しさを物語っていた。




だが、これは俺にとっては簡単すぎるため、少し遊ぶことにした。




しかし、遊ぶといってもどうやって…そうだ!辺り一帯を焼け野原にしてしまおう!




そう考えた俺はイメージをより具体化させるため、詠唱を唱えることにした。


「太陽みたいな…誰もが驚くような…うーん、なんて言えばいいんだろう…」


この語彙力ゼロの詠唱に周りの受験者たちはくすくす笑っていたが、次の瞬間には顔が引きつっていた。


なんと空からでっかい火の玉が落ちてきたのである。それは巨大隕石みたいな風貌でこの世の終わりを彷彿とさせるものだった。


多分すごい速度で落ちているのだろうが、あまりの図体のでかさだからゆっくりに感じられた。


「ちょっと大きくし過ぎたか…縮め!」


そう俺が言うとその炎は凝縮されどす黒くなった代わりに小さくなった。


そして落ちると、その場所にどこまでも続く火柱が立ち、熱波が遠く離れたこちらにも感じられた。


しばらくして火柱がなくなると的は跡形もなくなり、大きなくぼみができていた。


そこから同心円状に焼け野原が形成されているらしかった。


それを見ていた試験官は口をあんぐりと開けながら俺とそのくぼみとを交互に見ていた。


俺は「ありがとうございました。」と一言試験官に言ってその場を後にした。


試験はそのあと応急の場所で行われたらしい。


「ごめんなさい、やり過ぎました」と心の中で反省しつつも何とも言えない達成感に浸っていた。


やっぱり他人に驚いてもらうっていうのは快感だね。そんなことを自覚するのであった。











それから数日して、合格発表日となった。




その間は家に帰っていたのだが、実技試験を思い出し、ドキドキしていた。




だって的ごと吹き飛ばしちゃったからな。

それのせいで不合格になんてなったらどうしよう。




そして家に北コルロ高校からの書類が届いた。

俺はドキドキしながら開いた。




結果から言おう。

結果は合格だった。

しかも首席でだ。

封筒の中身には入学式のあいさつをお願いする書類も同封されていた。

親にそのことを伝えると感極まって涙を流していた。




「それじゃ、寮を借りないとね。」


ひとしきり涙を流し、落ち着いた母親が言った。


「寮を借りるには…この書類にサインすればいいのか?」


父親が言う。


「じゃ、入学式のあいさつは俺のほうで考えておくから寮とかその辺は全部任せるよ。」


俺はそういい自分の部屋へ戻った。











その部屋には喜びで胸を占め、ベッドの上で体を悶えさせている一人の少年がいた。




そう、俺である。




的は吹き飛ばしたものの十中八九受かるだろうと踏んでいた俺もこの知らせが実はうれしかったのだ。




魔術に関しては前世の記憶で何とかなったものの、数学と国語に関してはそれなりに努力を要した。

その努力をこの合格を機に認められた気がしてうれしかったのだ。

しかも首席で合格である。

これは大いに認められたといっても過言ではない。




しばらくそのままベッドの上で体を悶えさせ続けていた俺は「よし、入学式のあいさつだ」と気持ちを切り替えたのであった。


どうやったらもっと新規読者が来てくれますかね。

ばっちりな時間帯に投稿をしているし、活動報告も書いているんですけど全然来てくれないんですよね。

一話を読んでブラウザバックするなら分かるんですがPVを見ている限りそういう感じでもないんですよね。

ていうか、内容に関する感想が一切ないんでよく分らないんですよね。

でも……そうですよね、内容に関する感想を言うと自分がいかにも傲慢な人間だということを露呈している気になりますよね。

そして多分つまらないっていわれたら僕、すっごい傷つきますし。

ここで提案です。

感想の最初に「あなたのために書きました」と一言書くのはどうでしょうか?

そしてついでにこの作品の面白かったところ、認められはするところを書いてから批評を行うのはどうでしょうか?

ということで、感想お待ちしております!

ちなみに次は五月十日現在ではものすごい読みづらいです!

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