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43 破壊すんなし!!


 13層のミスリルゴーレムは50体目を狩ってまたドロップ待ちだ。

 一体いつまでかかるんだか……。

 でもゴールドも積極的に狩る。


 考えてみれば銀と鉄と銅も鍛冶屋とかなら売れるよね。売れないのは石と木くらいだ。少し戻って他もいっぱい狩っておこう。

 値段と時間効率を考えると銀と鉄、どっちが高くなるだろう。鉄かなぁ。でも鉄も不純物の量によってかなり良し悪しあるよな。一応ドロップ率があるんだから、平均したら値段は一緒くらいなんだろうか。銀が鉄や銅の5倍くらいで、金が20倍くらい? ん、そうすると金がかなり安く感じるな。確か、シルバーアクセサリーやってた時に調べたら、銀1gで40円くらいだったよな。いま純金は高騰してて1g4000円以上、多分4500円くらいはしてるはずだから、単純に100倍以上はするはず。となると、金を出した方がいいのか?

 いやいや、ここは異世界、金と銀の価値が違う可能性もある。あとでアリシアたちに相場を尋ねるとして、とりあえず工作にも使えるだろうし一通り狩っていこう。

 10層が銅と鉄、11層が銀だったっけ。その辺りから14層までを適当に往復してよう。


 そうこう考えつつも狩りを進めていたら魔石もドロップもかなり溜まった。

 鉄と銅は大体同量、銀が少し、金はあのあと出てない。ミスリルは言わずもがなだ。一回外に売りに行きたいんだけど、冒険者ギルドの買い取りってギルドメンバーじゃないと売れないんだっけ? 売れるけど安くなるんだったかな。

 仕方ない、みんながここを出るまで袋にまとめておくか。

 一人でずっと狩ってるのも虚しいなぁ。



 えーあれから丸一日。

 もう一度外で食べ物を買ってきて差し入れをしている。まだ保存食はあるようだけど、それより新鮮なものを食べたいだろうし。今度はサンドイッチの他に、スープのようなものも買ってきた。3人分でも浮かせて持てる。アッシュの果物も、また見たことないものを買った、小さなマンゴーかビワのようなもの。アッシュは好き嫌いなく何でも食べる。かわいい。


 俺は皆の前にドロップした玉を出して、意見を求める。

 

「ドロップした玉、売れると思うんだけど、ドロップ率と相場を考えるとどれが一番効率がいい?」

「うーん、私は金なんて売った覚えがないからわからないぞ。アクセサリーも作らないし。イーヴァンたちは知ってるか?」

「金の相場はかなり不安定だけど、銀の50倍以上では売れると思う。だとしたら金のドロップが最も効率がいいだろう」

「いや、それよりもミスリスだろう。たとえドロップ率が1%だとしても、買取価格は銀の100倍なんてもんじゃないと思うぞ、1個出せば一家族が10年は遊んで暮らせるだろう」 

「ふむ、では決まったな。ここを出たら積極的にゴーレム狩りだ。ミスリルに刃が立たなかったらシルバーやアイアンなどにレベルを落として慣れればいい」


 アリシアさんが好戦的に目を細めて笑った。この顔は危険の印。ゴーレムさんにげてー(棒)

 俺も少し休みつつドロップ待ちをする。リポップをウロウロして探すより、ある程度数が揃ってから殲滅に行った方が無駄に移動しなくて済む。


 しばらくしてまた単調作業に戻る。さすがに変化がないから飽きてくるけど、アリシアたちが閉じ込められてるんだからそんなこと思ってる場合じゃない。けどまぁ、一時的にすごく焦ってたからアレよりマシだな。

 気楽に行こう。ここでも物欲センサーさんが仕事しないように、あんまり「出ろ」って思わないようにしてる。




 えー79体目:もうほとんど作業のように淡々と倒して、魔石を回収。

 すると一緒にころんと転がる青みががった白銀の玉。ん?


 出た。


 ……………………ドロップが出た。


 まじで……何かもう勝手に最低100体越えないと出ないものだと思ってたけど、そんなことなかった。そうだよ、確率が何%だろうが最初にでることだって連続で出ることだってありえるんだし。


 や、やったーーーーー!!!

 なんかほんとに出ると逆に冷静になっちゃって、喜びがこみ上げるのが遅くなった。でもやった!!

 ミスリルゴーレム、最後の方は倒した奴なんて顔も殆ど見てなかったわ。


 大急ぎで竜の彫刻まで飛ぶ。

 …………まさかここにきて別の方法だったとかないよな。

 ……ないよな。

 な、なに弱気になってるんだよ、行け! 嵌めろ!!


 カチリ、と最後の一つの玉を嵌める。

 すべての竜の手に玉が嵌まる。

 そして、ゴゴ、と小さな振動がしてドゴーンと大きな音とともに止まった。



 俺が大慌てで通路をぶっ飛んで行くと、通路に空いた穴(ドアはない、なんか入り口が爆破されてるっぽいんだけど!)で、呆然とこちらを見ている3人と目があった。

 つーか普通にドア開けろよダンジョンさんよー!! 破壊すんなし!! 


「でたよーーーー!!! ミスリル出た!! 揃ったーーーー!!」


 俺が大喜びでみんなに向かって飛び込むと、みんなも抱きしめようとしてくれてスカッと空振り。ここまではお約束だね(笑)

 改めて体を作ってみんなで労い合う。


「よくやってくれた!! ありがとう!! ありがとうルイ、お前は命の恩人だ!!」

「そうだ、この恩は一生忘れないぞ!!」


 アリシアはニヒルに笑って肩をすくめた。


「ルイならできるのは分かっていた。信じていたぞ、でもありがとう」

「ニーーー!!」


 おーーーー。

 アッシュをワシャワシャ撫でて、アリシアに向き合った。


「アリシアが信じてくれてたからだよ」

「当たり前だ。ルイがいるんだから、そもそも何の心配もしていない。せいぜいルイの疲れが気になってただけだ」

「うん、ありがとう」


 さて、この部屋ともおさらばだ! 撤収作業!

 御遺体の紋章入りの剣だとか、大事そうな指輪なんかはプレートと一緒に返すそうで、もう集めたらしい。

 あとは、結界ベッドを消して、荷物をまとめて出発だ!!



「あのさ、この穴って塞がると思う?」

「ふむ? ……修復されてる様子がないな?」


 穴を外から眺めたアリシアが、爆破?の跡を手で辿って首を傾げた。特殊な壊し方しないと塞がるってことかな。でも、でも。

 と、いうことはだよ!!


「竜に嵌めた玉、持って帰れるじゃん!!」

「「おおおおお」」


 そうなんだよ、また落ちてくる人がいるなら嵌めておいてあげなきゃ(そして持ち帰られないように結界でも掛けてくか)なんて思ったけど、一度仕掛けを解いたら機能しない罠なら嵌めた玉もいらないよな。また返せとか言わないよな!?


 皆を十字路の竜の彫刻に案内する。

 大きさは2メートルくらいと、ちょっとだけ大きい。今は手に持つ宝玉(玉とか言うから安っぽいんだ)を恐る恐る外して見る。

 …………うん、何も起こらない。

 調子に乗ってミスリルの竜を台座がら引っこ抜こうとしたら、一瞬で竜が粉々になった。


 え。

 一応爆発も想像して結界掛けてたからホコリは大丈夫そうだけど、みんな目を点にして竜を見てた。

 あー……一応宝玉は取らせてくれたってことでOK?

 

「そううまくはいかないってことだな」


 イーヴァンさんに笑って言われた。


 そんな感じで罠騒動はなんとか終結。


 竜の台座を見ても特に変わった所はないし、持ち帰れそうなものもない。さてこれからどう動くか、といったタイミングで向こうからゴーレムがやってきた。

 ここは14階層だから、ミスリスゴーレムだ。


「いきなり大物なだな……しかし、肩慣らしにはちょうどいい!!」


 アリシアがふっと笑うと駆け出してしまった。

 呆然と見送る俺たち男三人。

 ーーーーはぁ、まぁこれでようやくいつものアリシアさんが帰ってきた。



ストック量が怪しくなってきたので、もしかすると隔日更新になるかもしれません。すみません。でもあと数話は大丈夫、のはず…?

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