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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ミザンスロープ

ミザンスロープ:一杯のざるそば

作者: #104

挿絵(By みてみん)


私の名前は、「ともえ」

ここで13歳という短い時間で知ったこととか思ったことを書き綴ろうと思う。


何から書こうかと考えている。

最初だからなるべくとっつきやすい話題を考えた結果「すきな食べ物」について書いてみる。


私が一番好きな食べ物はざるそば。

この施設で自動ざるそば機があって、3プラスチック(この施設の通貨)で食べれる安いざるそばがある。

ざるそばというのはシンプルな料理だけど、多分シンプルだからこそそばの質やダシの細かな質が問われる

とてもバランスの難しい食べ物だと思う。


3プラスチックで食べれる自動ざるそば機のざるそばは、

ボタンを押すと機械の中で上からそばを載せたおぼんがレールを伝って降りてきて、

途中でダシが付いてきて出てくる。

他にもうどんも食べれるこの機械。

私はこの機械で出てくるざるそばが大好きだ。

なんだか機械仕掛けの哀愁みたいな物があって、

中途半端で安価なテクノロジーで生きながらえている自分自身を重ね合わせてしまう。


他の子供や職員の人たちはお肉みたいな物が好きなんだけど

私は放っておいたらざるそばしか食べないくらいざるそばが好きだ。


「ざるそばばかりじゃ栄養が付かないよ、たまには肉も食べないと」


職員の人がたまにそういう事を言うんだけど私には肉の方があわなくて、

和食というのが基本的に好きなんだけど…。


私が住んでる施設は、凄く地下深くにあってそして隔離されている。

その隔離された施設でプラスチックという通貨を使って買い物をしたり食べ物を買うのも

それは失われた世界を疑似的に再現しようという儀式なのかもしれない。

毎週<奉仕>という活動をして土曜日にプラスチックがそれぞれ隔離された者たちに渡される。

その制約の中で暮らしをするわけなんだけど、私は安い食べ物しか食べないしで

プラスチックが沢山貯まっている。


それで一番の好物がここで食べられる自動ざるそば機のざるそば。

安い味かもしれないけど私はこれが好きだ。

絶妙に塩辛さと甘さのあるダシとシンプルなそば。そしてわさび。

それらが合わさり何とも言えないおいしさがある。

たまに5プラスチック使って大盛にする時もある。

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