第4話 過去 P.2
学校で麗奈に会っても、健斗は無視していた。つーか、もう麗奈なんてどうでもいい素振りを見せていた
麗奈も麗奈だった
休み時間も健斗に口を聞いてこようとはしなかった。早川や佐藤と楽しそうに会話をしている
そんな様子を健斗は嫌そうに見ていた
ちょっとは俺を気にするような仕草を見せろよ……
まったく何も気にしてないんだな……
最低なやつだ……
さらに麗奈に対して、健斗は怒りを込み上げていた
するとだった。ヒロが健斗のところにやってきた
「何かあった?」
ヒロが不意にそんなことを訊いてきた。
健斗は不機嫌そうにヒロを睨み付けた
「何が……」
「いや……何かお前妙にピリピリしてない?」
ヒロはちょっと苦笑しながら言ってきた。
「別にしてねぇよ……楽しかったか?お前のずっと願ってた、れい……大森麗奈との登校は」
健斗は意地悪く少し憤りを感じながらヒロにそう言った
もう馴れ馴れしく名前で呼ぶのもやめた
「何意地になってんだよ?」
「何も意地になってねぇよ……」
「今朝麗奈ちゃん、スゲー元気なかったんだけど……喧嘩したのか?」
健斗はそれを聞いて、ちょっと安心するような感じを覚えた
「別に……知らねぇよ……あいつが勝手にキレただけ」
健斗は不機嫌そうに顔を剃らした。
そんな健斗を見てヒロはため息を吐いていた。
「お前なぁ〜」
「……元気ない振りしてるだけだろ?お前の前でそういうキャラ作ってただけだよ」
健斗はそういうと、首をくいっとして麗奈を指した
「見ろよ。今はスゲー元気そうだぜ?お前も騙されやすい男になったな」
と言って健斗は嘲笑するように笑った
「ちょっと麗奈ちゃんに対して冷たくないか?」
「あんなやつに優しくする必要なんてあんの?」
「何があったんだよ。ちょっと酷いぞお前……」
ヒロはちょっと怪訝するように健斗を見た。けれど健斗は何も言わなかった……
「何で喧嘩したかは聞かないけど……ちゃんと麗奈ちゃんの話聞いてあげたのかよ?」
「あ?」
「喧嘩のとき、一方的にお前だけキレたりしなかったか?自分の話ばかり押しつけたりしなかったか?」
健斗はそれを聞いて、ちょっと自分の行動を振り返っていた
……確かに……ちょっと麗奈に言い過ぎた感はあった。あいつ……そういえば何か言おうとしてたけど、健斗は何も聞こうとはしなかった……
それであいつは……
『バカ……健斗くんのバカッ!!健斗くんなんか、大嫌いっ!!』
健斗はそんな言葉をふと思い出したが、すぐに首を横に振った
「別に何〜もないよ。特にそんなことなんてさ」
「本当か?」
「お前は大森麗奈の肩でも持ってれば?けどそのうち分かるよ。あいつが最悪な女だってこと」
「おい、そこまで言うことないだろ?」
「別に大したこと言ってねぇし」
「……お前ちょっと意地張りすぎだよ」
「だから……意地なんか張ってねぇよっ!!」
健斗はだんだん苛々してしまい、机から立ち上がるとそうヒロに怒鳴りつけた
ヒロは少しびっくりして健斗を見ていた
ヒロだけじゃなかった。クラス中のみんなが、健斗を見ていた……早川や佐藤も目を見開いていた
突然大声で怒鳴って、驚いているようだ。
麗奈も健斗を見ていた……しばらく目が合った
健斗は軽く舌打ちすると麗奈から目を剃らし、静まり返ったこの教室から出ていった……
健斗が去ったあと、みんな驚きを隠せずヒロの元に集まったり、話をした