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グッラブ!  作者: 中川 健司
第2話 始まる学校
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第2話 始まる学校 P.2

健です


わずか一週間ちょっとでユニークアクセス数が1000人を越えました


すごく嬉しいです


毎日200人以上の一 が読んでくださってるおかげです


これからも頑張ります

健斗は家の外で、麗奈が来るのを待っていた。ゴンタを赤いリードに繋いで、しっかりと手を握ったまま欠伸をしながら暇そうにしていた


ゴンタはさっきからじっとお座りして待っている。健斗はジロッとゴンタを見下ろすと、ゴンタも同じように健斗を見上げた


「なぁゴンタ」


健斗はゴンタに話しかけた。ゴンタ健斗の言葉に反応するかのようにじっと健斗の顔を見つめ、微かに首を傾げた


「お前どうしてあいつを気に入ったんだ?」


健斗はそのところが本当に不思議に感じていた。ゴンタの人見知りは健斗が一番よく知っている。以前、ゴンタに触ろうとして近寄ってきた小学生の子の手を噛んでしまい、大事になったのを健斗はよく覚えていた。ただ、一度覚えた人間に対してはとことん優しい。その男の子も今ではゴンタのよき友達の一人だ


しかし麗奈のようにいきなりゴンタに触れる人間なんて今までいなかった


本当にあいつは動物に好かれるタイプなのだろうか……


「もしかして……あいつがエッチィ恰好してたからじゃないだろーな?」


すると、ゴンタは健斗を見て一回だけ吠えた。何だか必死に弁明しているみたいにも見える


「図星か?」


と笑いながらゴンタの頭をゆっくりと撫でてやった


するとだった。家の引き戸が開き、中から麗奈が出てきた。さっきの服装を着替えて、お洒落なピンク色のTシャツ一枚に薄いパーカーを羽織り、下はショートパンツといった動きやすそうな服装だった。健斗は麗奈を見ながら不機嫌そうに言った


「遅ぇよ、帰るのが遅くなるだろ」


「ゴメンゴメン♪女の子は色々と準備がかかるんだよ。着替えとか、髪とか」


着替え……不意に健斗は思わず先ほどの露出度の高かった麗奈の服装を思い出した。


「あっ!今、さっきのこと思い出したでしょ?」


「なっ!別にしてねぇよっ!」


「鼻の下が伸びてるよ」


健斗はばっと鼻を隠した


「伸びるわけないだろっ!漫画じゃねぇんだから」


「アハハ♪健斗くんってピュアなんだね♪」


そう言われて健斗の中で何かがプツンと切れた。完全に小馬鹿にされていることに非常に腹が立ったのだ


「うるさいっ!さっきから田舎者だと思ってバカにしやがって……気が変わったっ!やっぱ連れてってやんない。家で待ってろ」


健斗は憤りを感じながらゴンタを連れて、さっさと散歩に行こうとした


しかしだった。急に力強い抵抗を感じて、健斗はその場を動けなかった


慌てて後ろを振り向くと、ゴンタがまったく動こうとしないのだ


「ゴンタ、行くぞ」


健斗が引っ張っても、ゴンタはまったく動こうとしなかった。健斗から顔を逸らして知らんぷりしている


「ゴンタ……」


「ゴンタは私といっしょに行きたいんだよね~?」

するとゴンタは甘えながら一吠えした。麗奈の方に自ら歩み寄って麗奈に甘え始める。健斗はその光景に思わず愕然とした


「いい子だねぇゴンタ~♪」


「ゴンタ……裏切りやがって……」


健斗は泣きたい気持ちを抑えて、うつ向いた。


やっぱりゴンタ……さっきのお色気にやられてしまったのだ……










「う~ん……朝早いのは気持ちいいねぇ~♪」


麗奈は気持ちよさそうに、体を伸ばしている。


小鳥のさえずりが辺りに響き、心地よい風、涼しい気温。そして傍を流れる川の音が、心を癒す……はずだった。


麗奈はかなり上機嫌だったが、健斗は最悪に不機嫌だった


「ねぇ健斗くん~」

健斗はいくら麗奈に話しかけられても無視していた。まったく麗奈の方を見ようともせず、黙って目を閉じて俯き加減でいた。そんな健斗の様子を見て、麗奈は可笑しそうに言ってきた


「さっきのまだ怒ってるの?ゴメンってばぁ。ただの冗談だよ」


「お前の冗談はぜんっぜん、笑えん!!」


と憤りを感じながら思わず怒鳴り声をあげた。するとゴンタはびっくりして身体をビクッとさせて健斗を見つめてきた。麗奈は苦笑いを浮かべて健斗を宥めるような言い方をしてきた


「ま……まぁまぁ……ところでさ、こっちの方向には何があるの?」


健斗はジロッと麗奈を見た。そろそろ許してやってもいいだろう。健斗だってそこまで心の狭い人間じゃないのだ。そこで少し考える仕草を見せた


「……別に特に何があるってわけじゃないけど……いつもゴンタの散歩コースは公園に行くから」


「公園?」


「うん。結構広い公園でさ、犬連れの人も多くて……子供のとき、いつもそこでよく遊んでた」


「へぇ~。ねぇねぇ今右に伸びてる道通ってるじゃん。左の道はどこに行くの?」

麗奈のいうとおり、健斗の家の前には、三つの道に別れている


前に真っ直ぐ行けば、昨日行ったように街に出て、学校まで行ける道のりである


今右方向の道のりは、公園があったり……住宅もあり、さらにずっと行くと車道に出る。実はその車道を渡って少ししたところに、健斗が通っていた中学校がある。車道にはバス停もあって、そこから駅近くまで行くことも出来る。つまりそれは学校までも行けるということだ


そして健斗の家から伸びている左の方向に進むと……


「あっちは……何があるかな?山……かな」


「山?」


「うん……あとその頂きにお寺があって、お墓とか……まぁ、あっちもほとんどは家が立ってるんだけど……」


「何て言うお寺?」


「何だったっけなぁ……でも結構由緒正しきお寺らしいぜ。初詣とかでみんな行くんだ」


「ふぅ~ん……」


「あっ……山の向こうには海があるんだ」


「海?」

「とは言ってもずっと向こう側だけどな。ここら辺は山や林に囲まれてんだけど、車で一時間半……二時間くらいかな?とにかくそんくらい行けば海に出るんだ」


「ふぅ~ん。夏が楽しみだねぇ」


「そうだな。つーか元々はこの辺も海だったんだぜ」


健斗がそう言うと、麗奈が驚くような声を上げた


「ここがっ?嘘だぁっ!」


「本当だって。昨日神乃崎の地名の由来の話しただろ?」


「あ、うん」


「あの神社の辺りが、昔は岬だったんだ。本当にずっとずーっと昔だけどな。で、この辺は一面に渡る海だったんだけど……大陸変動や人が住みだした影響で、この辺が山と海で隔てられた場所になったらしい」


「へぇ……人って関係あるの?」


「関係あるだろ。人が住みだすっていうことは、その場所を確保する必要がある。だから長い歴史を通して人がこの辺を埋みたてて、家とかを立てたんだよ。で、今のような町になったわけ」


「はぁ……なるほど……」


健斗は麗奈に他にも色々と質問されては、答えながら歩いていた


麗奈にある程度、この辺の地理を説明していた。そのため麗奈もこの辺りの地理的状況が分かってきたらしい


「ねぇ健斗くん、いつも思ってたんだけど……あの川の名前ってあるの?」


「いや……名前があんのかどうかは知らないけど……」


「でも綺麗な川だよね。あの山から流れてるんだ」

麗奈は振り返りながら遠くに並んでいる山々を指しながら言った。健斗もそれを見てゆっくりと頷きながら言った


「まぁな。つーかこの川は見た目だけじゃないぞ?本当に水が透き通ってるくらい綺麗なんだ。アユやマス、夏にはホタルとかが出てくるしな」


「ホタル?へぇ~綺麗なんだろうなぁ♪」


「そういやこの川は、商店街の方まで伸びてるよ。ほら、昨日商店街の中に橋があっただろ?この川があそこまでのびてるんだ」


麗奈はそれを訊くと、少し驚いた様子を見せた


「そうなのっ?じゃあ、この辺は川の源水に近いんだ」


「ん~……まぁそうは言ってもあの山を登ったとこなんだけど……他の場所に比べたらそうなるだろうな」

健斗の説明を受けて結構麗奈は大分この辺のことを理解してきたみたいだった


何だか……思ったよりも麗奈に丁寧に教えちゃってるな。今でもやはりまだ、麗奈に対する警戒心は拭えずにいた。それは当然だ。知り合ってからまだ日は浅い上に、健斗は麗奈のような人間は苦手……いや、むしろ嫌いだった


そのはずなのにこうして二人で散歩して話して、何だか徐々に距離が縮まり始めてるような気がする。もしかすると自分は麗奈に気を許し始めてるのかも……


何か自分が悔しくなる……健斗にとってそれはものすごく不愉快なことであった



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