第2話 始まる学校
第2話のあらすじ
少しずつ、麗奈に慣れていく健斗
結局のこと、麗奈は健斗と同じクラスになった
健斗はこれから大変になると気を落としていた
――そして、ひょんなことからの麗奈との気持ちのぶつけあい……
そして健斗の憧れてる早川結衣……
果たして……どうなるのか
そして次の日となった。
いつもの朝が始まるはずだった。けれど……そういうわけにはいかない。
だってあいつがいるから……
健斗はというと、まだ眠っていた。当然だ。まだ6時だから。
大抵いつもは七時半くらいに起きて八時前にはでる
そうすれば遅刻なんてのは絶対にしない。ギリギリだけど間に合う。
だからあと一時間半は寝れる。
アラームだって……七時半にセットしてある。
今日健斗は、自分の部屋で寝ていてない。一階の居間の床に転がり、タオルケットをかけて眠っていた
理由は一つ、麗奈を二階のベッドで寝かしているからである
まだ麗奈の部屋には、ベッドどころか……机も何もない。だから健斗なりに、女の子を床で寝させるわけにはいかないだろうと思い、麗奈を二階で寝させたのだ
別に居間の床だって、気持ちいいものだ。でも何でだろう……
何か寝苦しいんだよなぁ……
――わんっ!!わんっ!!
犬の吠え声が聞こえる
健斗はゆっくりと眼を開いた。するとだった。目の前には、可愛いらしい女の子の寝顔があった……
めちゃくちゃ顔が近かった……
健斗はそれに驚いてばっと起きてしまった
「何やってんのこいつ……」
麗奈が、健斗のように床に寝そべって気持ちよさそうに眠っていた。
何かスゲー色っぽい……
足と足の間に手をはさんで、可愛い寝顔を見せて……
つーか本当に可愛いな……おい
健斗はゆっくりとため息をついた
何でこいつがここで寝てんだよ……二階で寝かせてやったのに……面倒くさいやつ
しかも……健斗はチラリと麗奈の服装を見る
麗奈の服装は、短パンに、タンクトップだった……めちゃくちゃ軽い服装……そして、少し露出している、麗奈の胸……ノーブラじゃねぇの?
健斗は顔を赤くして、麗奈の背中……は触り難いが、背中に触れて麗奈を揺さぶるようにして起こした
「大森……起きろって」
「う〜ん……」
麗奈は眼を開いてゆっくりと身体を持ち上げた。そして眠そうにキョロキョロと見る
「あれ?健斗くん……おふぁ〜よぉう……」
と欠伸をしながら朝のあいさつをする
「おふぁ〜よぉうじゃねよ。何でお前がここで寝てんだよ」
「う〜ん……と、確か五時くらいに目が覚めて……健斗くん起きてるかなって思ったらすごい気持ちよさそうに寝てて……私もいっしょに寝ちゃってた♪」
と言って、えへへと笑った
「……五時に起きるバカがどこにいるんだよバカ……二階に戻って寝てろ」
健斗はそういうと、ゆっくりとタオルケットを持って、立ち上がった
そして庭の方に出て、タオルケットを干す
するとだった
一匹の犬が健斗に近づいて甘えてきた
健斗の家には一匹柴犬を飼っている、名前はゴンタ。
まだ1才の仔犬で、目がクリクリしてる純粋な仔犬だ。
健斗はゴンタをゆっくりと撫でてやる
「ゴンタおはよう」
するとゴンタは健斗に飛びかかってくる。鳴き声を出しながら
きっと散歩に行きたいんだと思う
「分かった分かった。すぐ行くからちょっと待ってろ」
「あ〜っ!!」
麗奈が突然驚くような声を出した
「ここ犬飼ってたんだぁ♪」
「二階で寝てろっつったろ」」
「何て名前?」
健斗は微笑みながら、ゴンタをなでる
「ゴンタだよ」
「ゴンタ?あはは♪可愛いね」
と言いながら、麗奈は縁側のサンダルを履いて、ゴンタに近づいてきた
「ちょっと待て」
健斗は麗奈を止めると、麗奈は素直に従った
「何?」
健斗はハァっとため息をついた
「ゴンタは人見知りが激しいんだ。知らない人が近づいたら、すぐ噛みついちゃうんだよ」
「そうなの?でも大丈夫だよ」
「噛まれたいなら勝手にしろ」
と言って健斗はプイッと前を向いて、洗濯棒にタオルケットをしっかりと干していく
ゴンタの悪い癖……早く治さないとなぁ
「ゴンタッ!!ほらっ、いい子いい子いい子っ」
「ん……?はっ!?」
健斗は我が目を疑った。麗奈はまったく心配せず、ゴンタに近づき、しかもゴンタを撫でている
ゴンタも麗奈の匂いを嗅ぎながら、麗奈になついているように甘え始めた
「ゴンタ可愛い♪ほら、大丈夫だったでしょ?」
「うん……まぁ……」
健斗は苦笑いをした
悪い癖が治ったのかな?
「お前って……本当に変なやつだよな……」
「えへへ♪私、昔から動物に好かれるタイプなんだよね」
「変なやつ」
健斗はそういうと、また家の中に入っていった
健斗は二階に上がり、自分の部屋に入った。
何か……いい匂いがするなぁ……
そっかぁ、ここで麗奈寝てたんだもんな
健斗はそう考えると突然気恥ずかしくなった。
さっきの露出した胸を思い出してしまう……
健斗はハーフパンツからシャカパンに着替えて、財布とケータイをポケットに入れて、また一階へと降りた
すると麗奈が階段の辺りで健斗を待っていた
「どこか行くの?」
「ゴンタを散歩に連れてくんだよ」
健斗は台所に行き、冷蔵庫からペットボトルに入ったコーヒーを取り出し、コップにつぐ。
「……お前も飲む?」
麗奈は首を横に振った
健斗はそのままペットボトルを冷蔵庫にしまい、コーヒーを飲む
「ねえ、私もついていっていい?」
「ダメ」
健斗はそういうとコーヒーを飲み干し、流し台に置いた
「え〜?」
「え〜、じゃねぇよ。お前がいると学校に遅刻する」
「そんなぁ……ついていくだけだよ?」
「昨日と同じこと言って、昨日大変な目にあったからな。お前は上で寝てろよ」
「むぅ……健斗くんお願〜い」
「嫌……だ……」
麗奈は健斗に近づいてきた
健斗の視線は、麗奈のはだけている胸の方にいっていた
タンクトップなので少し露出しているのだ
健斗は顔を赤くしながらタジタジとした
けれど、麗奈は健斗にぴったりとくっついてくる
「ねぇお願い。邪魔しないからぁ」
「じゃ……邪魔しないか?」
「うんっ!!」
「……分かった……分かったから、くっつくなっ……そ、その恰好をどうにかしろ!!」
「え……あっ!!」
麗奈はやっと自分の恰好に気がついて、すぐに胸の辺りを隠した
顔を赤らめている
「……じゃあ、待っててやるから着替えてこいよ」
ハァっと健斗は安心したようなため息をついてそういった
「うん」
麗奈は顔を赤らめたまま、二階へと走っていった
健斗はまたため息をついた
胸の高鳴りが止まらない
何だよあいつ……本当に訳が分からない
健斗はまた冷蔵庫から今度はペットボトルに入った水を取り出して、自分の熱を冷ますように一気に飲んだ